The Society of Helical Carbon ヘリカル炭素学会

Helical C (CMC), PAT PCT/FDA JP & TH (Food), SM TH FDA (Med)

膵臓神経から脳へ=インスリン感知に新ルート―増強剤で肥満治療も・自治医大

2013-06-27 10:09:41 | 糖尿病
時事通信 6月27日(木)6時13分配信
 食事を取ると膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンは血液に運ばれて脳に届くほか、膵臓の神経でも分泌が感知され、脳に情報が伝わることが分かった。自治医科大(栃木県下野市)の岩崎有作助教や矢田俊彦教授らがマウスの実験で発見し、米科学誌プロスワンに27日発表した。
 インスリンの分泌が脳に伝わると、満腹感が生じる。新たに見つかった神経経由の情報の方が脳に早く伝わる可能性がある。矢田教授は「過食や異常な肥満の患者向けに、膵臓の神経がインスリンを感知する作用を増強する薬を開発できれば、食欲にブレーキをかけることができるだろう」と話している。 
 肥満から糖尿病を発症する患者も多いが、糖尿病で血糖値が高い状態が続くと神経に障害が起きることが多い。膵臓に分布する神経の機能が障害で低下した場合、食欲が止まらず、悪循環に陥っているケースも考えられるという。
 神経には脳から全身に指令を伝える「下り」と、全身の情報を脳に伝える「上り」がある。上りの神経細胞にはインスリンを捕まえる受容体たんぱく質があり、情報伝達物質を通じて脳にインスリン分泌が伝えられる。
 岩崎助教らがこの情報伝達物質「IRS2」を作れないマウスを遺伝子操作で生み出したところ、膵臓のインスリン分泌が脳に伝わりにくくなり、過食から肥満になった。このマウスはインスリンが血液で脳に運ばれる機能は正常だった。


肥満で肝がん発症か=腸内細菌が変化、マウス実験-がん研
 肥満によって腸内の細菌が変化し、肝臓がんを引き起こすことがマウスの実験で分かったと、原英二がん研究所部長らが26日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。原部長は「人間でも同様の仕組みが働いている可能性がある。細菌を抑えるなどの発症予防策につながると期待される」と話している。
 研究チームは発がん性のある化学物質を低濃度でマウスに塗り、高脂肪食を与えて肥満させたところ、肝臓がんを発症した。肥満させなかったマウスは発症しなかった。
 詳しく調べたところ、肥満マウスの腸では、通常のマウスに見られない細菌が増えていた。この菌が作り出した特殊な酸が、門脈を通じて肝臓に移行。一部の細胞に損傷を与えて肝細胞の異常増殖を起こす物質を分泌させ、がんを引き起こしているとみられる。
 人間も肥満すると腸内細菌が変化することが報告されている。研究チームは肥満の肝がん患者から採ったがん組織を分析。一部で同様に細胞の損傷が起きていることも確かめた。

腎臓がんの全体像解明=新治療法開発に期待-京大
 腎臓がんの遺伝子異常の全体像を、全遺伝情報(ゲノム)解析により解明したと、京都大大学院医学研究科の真田昌助教らの研究グループが24日、米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版で発表した。腎臓がんの新たな治療法の開発が期待できるという。
 腎臓がんのゲノム解析例はこれまでもあったが、サンプル数が少ないなど限定的だった。研究グループは大型コンピューターを使い、腎臓がん患者106人のがん細胞について、ゲノムや遺伝子変異、染色体異常などを網羅的に解析した。
 腎臓がんではVHLと呼ばれる遺伝子に異常が起きることが知られているが、研究グループの解析でも92%の患者のVHL異常が確認された。残り8%ではVHLに異常は見られなかったが、うち半数近くで特定の2カ所のアミノ酸に変異が起き、VHL異常が生じているのと同様の状態になっていることが分かったという。
 真田助教は「どの遺伝子に異常が起きているかを究明することで、個々の症例に応じた治療につなげられる」としている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿