The Society of Helical Carbon ヘリカル炭素学会

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トマトソースパワー リコピンによる前立腺がんのリスク低減の仕組みが明らかに

2013-06-19 11:42:13 | がん
トマトの深い赤色の色素の成分、リコピンをたくさん食べることは前立腺がんのリスク低減と関係があることが分かっていた。そして新たに、科学者たちは健康な前立腺細胞のなかの抗がん作用の強化にリコピンが役立つ複数のメカニズムを特定した。がん予防研究誌「Cancer Prevention Research」で公表されたリポートで明らかになった。

 リコピンとは、トマトペーストやソースの中に含まれ、またそれよりはるかに少ないが未加工のトマトにも含まれる色素カロチノイドだ。以前にも前立腺がんとの関係が研究されたことがあるが、それは主に、前立腺がん細胞を使ったものだった。シカゴで実施されたこの新たな研究では、健康な被験者の前立腺細胞を使用した。細胞はリコピンを含む溶液もしくはプラセボ(偽薬)で48時間処理された後、プロテイン水準の変化について分析した。研究者たちによると、使用されたリコピンの濃度は、1日約30ミリグラム、つまり、7.1オンスのトマトソースの缶相当を消費する男性の血液レベルに匹敵した。


 プラセボと比較すると、リコピンは人の前立腺細胞に複数の抗がんおよび酸化防止効果をもたらした。複数の細胞たんぱく質が、腫瘍肥大の抑制や炎症の低下、がん細胞の増殖に関連する統計的に著しい変化を示した。リコピンで処理した細胞では発がん性化合物の有毒作用から細胞を保護する酵素の水準が上昇した。研究者らによると、リコピンにより前立腺がんの発生に関連することが知られている細胞の経路が変更された。

 ただし、リコピンの抗がん効果がカロチノイドのためなのか、リコピンの代謝作用による分子の副作用なのかは分かっていないと研究者らは述べた。

論文のタイトル:Effects of lycopene on protein expression in human primary prostatic epithelial cells

カフェインの禁断症状、米精神医学会の新基準で診断名の1つに

2013-06-19 11:33:26 | 麻薬依存症
キム・リードリーさん(41)はスターバックスで1日1杯か2杯飲むグランデサイズのコーヒーについて、とりたてて考えたことはなかった。

 しかし、この習慣を止めようとコーヒーをやめたところ、頭痛がするようになった。それは耐え難い頭痛で、仕事はできず、考えることもできず、使い物にならないような頭痛だったとリードリーさんは言う。数日以内に、リードリーさんは「禁を破り」、コーヒーを飲む習慣に再び戻ってしまった。

 メーン州カンバーランド在住のリードリーさんは「頭痛はカフェイン中毒と(禁断症状)に何かしら関係していると思わされた」と話す。リードリーさんはカフェイン抜きとレギュラーコーヒーを混ぜて飲むようにし、カフェインの摂取量を少しずつ減らしていった。それから半年ほどして、リードリーさんは12月に妊娠した後、ついにカフェインを摂取する習慣から永久に抜け出すことができた。

 カフェインは、一日中刺激を供給してくれるドラッグとして、大変多くの人が好んで摂取する最も良性に見えるものだが、今や2つの正式な精神疾患の原因になり、もう1つの疾患についても検討の対象となっている。5月に公表された精神医学の世界的な診断基準を示す米精神医学会の「精神障害の診断と統計の手引き」の第5版(通称DSM-5)には、カフェイン中毒とその禁断症状が診断名として含まれている。カフェイン中毒とその禁断症状は日常生活を送る能力が損なわれる場合に、精神疾患とみなされるのだ。

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Kim Leadley
キム・リードリーさん

 カフェイン中毒は、第4版の「DSM-IV」には診断名の1つに含まれていた。しかし、カフェインの禁断症状は今回、「研究対象の診断名」から正式な診断名の1つへとアップグレードされた。研究対象の診断名とは、疾患に含むためにはさらなる研究が必要という意味だ。また、カフェイン使用障害──それを摂取することで副作用に悩まされているのに、止めることができないこと──は最新の手引きに「研究対象の診断名」として加えられた。

 ただ疾患の指定には議論がなかったわけではない。

 第4版を作成する際にチームを率いたアレン・フランシス氏は、第5版にはずっと批判を唱(とな)え、「カフェイン中毒と禁断症状は両方ともかなり頻繁に起こるが、精神疾患とみなされるほど臨床的に十分顕著な障害の原因になることは、ごくまれにあるだけだ」と指摘した。同氏はさらに「生活のすべての面を医学的に見て、すべての人を患者にすべきではない」と付け加えた。

 一方、DSM-5の物質関連障害を担当する作業グループのメンバーだったアラン・バドニー氏は、カフェインの禁断症状を診断名の1つと根拠づける研究は重要な価値があると話す。これは「臨床的に有意な」診断名であり、こういった症状を経験している患者を担当する精神科医やヘルスケアワーカーらにとって有益な診断だ、とバドニー氏は指摘した。バドニー氏はダートマス大学ガイセル医科大学院の精神医学を教える教授だ。

 カフェインは中毒にはなるが、多くの研究で健康面での利点もいくらかあることがわかっている。しかし、一部の専門家は不安症や高血圧、不眠症、それに糖尿病を抱えている人はカフェインを避けるべきだと指摘する。カフェイン中毒によくあるイライラといった不快な作用を経験した人は、少なくとも摂取量を控えることを考えたほうがいいかもしれない。

赤身肉摂取増やすと、糖尿病発症率が上昇―15万人データ分析

2013-06-19 11:26:54 | 糖尿病



ウォール・ストリート・ジャーナル 6月19日(水)10時51分配信
 約15万人のデータを分析した結果、過去4年間で赤身肉(牛肉や豚肉など)の消費を増やした人は、その後の4年間に2型糖尿病(生活習慣に起因するとみられる糖尿病)を発症する確率が、赤身肉の消費を増やさなかった人より高いことが分かった。

 この分析はシンガポール国立大学の研究者たちが中心になって行ったもので、米ハーバード大学が主に看護師や医師を対象に実施した3つの長期調査からデータを収集した。分析結果は米医師会が刊行する「JAMAインターナル・メディシン」電子版に17日、掲載された。この研究は米国立衛生研究所(NIH)から助成金を受けた。

 赤身肉の消費と2型糖尿病の発症との関連を指摘する研究はこれまでにもあったが、赤身肉の消費量の変化と2型糖尿病の発症リスクとの関係を長期追跡したのは、今回が初めてとみられている。被験者は研究開始時以降、4年ごとに消費した飲食物の種類に関する詳細な質問に回答した。分析は約20年分のデータを対象に行った。

 この研究では、概略して以下のことが分かった。赤身肉の消費量を過去4年間で1日当たり半サービング(1サービングは1食分の分量)以上増やした集団と、消費量を変えなかった集団とを比較すると、その後の4年間に2型糖尿病を発症するリスクは、消費量を増やした集団の方が48%高かった。

 しかし、同じく4年間で赤身肉の消費量を同じだけ減らしても、その後の4年間に糖尿病を発症するリスクは低減しなかった。ただし、もっと長い期間で見ると、リスクが14%減った。

 この結果は、その他の要素(体重や全体的な食事の質など)とは独立していて、両者の関連は見られなかった。

 論文の執筆者らは「この結果は赤身肉(と2型糖尿病の予防)との関連の強さを確認するもので、長期間にわたる赤身肉の消費抑制が予防上良い効果をもたらすことを示す証拠がさらに増えたことになる」と述べた。この論文の主執筆者はシンガポール国立大学公衆衛生大学院のアン・パン助教。

 しかし他の医師たちは、必ずしも赤身肉自体が問題ではないと指摘している。

 デューク大学や製薬大手の英グラクソスミスクラインと関係があり、この研究に対する解説(同じくJAMAインターナル・メディシンに掲載)を執筆したウィリアム・J・エバンス博士は、「問題なのはタンパク質(ないし肉)の種類ではない。脂肪の種類が問題なのだ」と述べた。同博士はインタビューで、「赤身肉は脂肪含有量が多いとする間違った描写がされている」と付け加えた。

 同博士は、赤身肉であってもリブ・アイ(リブロース=最も厚みのあるロース部分で、霜降りになりやすい部位)といった高脂肪の部位ではなく、サーロイン・ティップあるいはラウンド・ステーキなどといった低脂肪の部位を消費者は選択できるはずだと指摘した。

 パン博士にコメントを求めたが、17日時点で回答は得られていない。

 米政府が出している一般的な食事の指針と同様に、米糖尿病学会(ADA)は糖尿病の患者に対し、野菜や果物を多く摂取し、乾燥豆を含む全粒食品を選ぶよう推奨している。また1週間に2、3回魚を食べることも推奨している。脂肪分の少ない肉とは、牛肉や豚肉のうち、名前の最後に「ロイン」がつくもので、ポークロインやサーロインなどを指す。

 糖尿病は約2600万人の米国人を悩ませている病で、体がインスリンを作れない、ないし適切に使えないことによる血糖値の高さを特徴とする。2型糖尿病は糖尿病で最も多く見受けられるタイプで、体重増や加齢と関連づけられることが多い。糖尿病は心臓発作、脳卒中、腎臓病、失明、手足などの切断、それに神経損傷のリスクを高める。糖尿病のもう1つのタイプである1型糖尿病は自己免疫疾患で、幼少期に診断される場合が多い。

 疾病管理予防センター(CDC)は2050年までに、米国の成人のうち、最大で3人に1人が糖尿病になる可能性があると予測している。糖尿病は現在、米国人の死亡原因で7番目に多い。