平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

一周年シリーズ、「吟遊詩人は我が本意に非ず」前編。

2006年03月30日 | 思想・哲学
親愛なるアッティクスへ

李白だったでしょうか、以前、詩人が詩を詠んで放浪して廻っていたとき、経済的困窮し、その日の事欠きながら、危ういところで詩人仲間庇護されたという話を聞いたことがあります。
その仲間は詩人でありながら、代官か何かの官職を持っていた為、詩作活動をやりながら、同時に経済的にも恵まれていたとか・・・。

当時の芸術家は著作権というものがないわけですから、貴族などのパトロンタニマチ、あるいは、スポンサーと言い換えてもいいのでしょうか・・・。)というものを持たない限り、基本的に収入とは無縁だったのでしょうが、それでも、子供の頃、この話を聞いたときに、「放浪し飢えながらも、詩作に興じる吟遊詩人は、我が本意に非ず。私としては、武将として有能でありながらも、詩をそらんじ、文を巧みにする曹操やカエサルのようにありたい。」と強く思いました。
もっとも、今日、詩人として、その名を残しているのは、官職を持ちながら詩を巧みにしていたこの人物ではなく、飢えながらも一芸に身を投じた李白の方なのでしょうが・・・。

で、またもや、昨日の続きです。
一年前、このブログを書き始める前頃、不惑と言いながら、私には惑いがありました。
即ち、物書きとして生きていくべきか、実業人として生きていくべきか・・・というものでした。
この辺のことについては、以前、平太郎独白録 「我が心の師、大橋武夫氏の叱咤に想う秋霜烈日的ブログのヨロク!」の中でも、少し触れましたが、当時、笑われるかもしれませんが、初めての著書を出版したことで、私の気持ち的には、「字を書いて飯が食えるなら、少しくらいひもじい想いをしても、これこそが私にとっての天職だろう。」という感を強くしておりました。
しかし、現実には、糊口をしのぐという程度にさえ、ほど遠く・・・。
私も若くて、独身であったなら、李白のように孤高の中に身を投じたかもしれません。
が、残念ながら、それほど自由が利く身の上でもありませんでした。

以下は、当時、知己に当てて送った私のメールです。
日付は2005年3月7日となっております。
オオサンショウウオ・・・じゃなかったご参照下さい(笑)。
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本業の方も、決して、いいとは言えない状況の中、最近、考えれば考えるほど、改めて、やはり自分には物書きしかないのではないか?と思い始めたのです。
先般も申し上げたとおり、理論実践というのは車の両輪だと思っておりますが、それを併せ持った信長のような人物はともかく、なかなか、この二つを併せ持つというのは至難のようで、特に私は理論だけの人間のようで、その事を最近、強く痛感しております。
とは言っても、すでに、「自信作」で箸にも棒にも引っかからなかったわけですから、到底、お笑い草でしょうが・・・。

で、今の自分としては、
「煩わしい人間関係とはおさらばしたい!」という作家徹底内面掘り下げ→隠遁方向へ走ろうとする自分と、
「新しい人脈を開拓し、もっと、視野を拡げなくては!」という実業人情報開拓→積極外交方向という本来の自分に立ち返らなければという二人の自分が葛藤を繰り返しており、それがここ数ヶ月の悩みの元凶でした。
つまり、内向きになろうとする自分と、現実に目を向けようとする自分葛根湯・・・じゃなかった葛藤しておりました次第です。

今日、私は仕事をさぼってある映画を見に行ってきました。
「アレキサンダー」という映画です。
(この辺のことは、平太郎独白録 「アレキサンダー大王の強さの秘密、『時間差攻撃!』」及び、平太郎独白録 「『もったいない』は、現代日本に於いては罪悪である!」をご参照下さい。)
それを見ているうちに、おぼろげな像がはっきりと形を結びました。
即ち、それが「吟遊詩人ハ我ガ本意ニ非ズ」です。
私は、少年の頃から、衣食足りずしての芸術活動は私の理想とするところではない!とはっきりと思っていたはずではなかったか・・・。
「そうだ、俺にとっては、経済的な自立無くして芸術を追究するのは、我が本意ではなかったはずだ!」と・・・。
そう思い出しました・・・。
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続きは、明日のココロだ~ということで、ひとつ、よろしく、御同輩。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私は・・・・ (イリス)
2006-03-31 00:41:54
ご無沙汰いたしております。



私は、へーたろーさんのご本、二冊とも好きですよ!!

次を楽しみにしておりますから、また、ご紹介くださいませね。
返信する
>イリスさん (へいたらう)
2006-03-31 10:32:52
いつも優しい言葉をかけていただけるのは、貴女だけだ~(滝涙!)。
返信する

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