こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

雪を食べる

2016年01月07日 00時24分38秒 | 文芸
子供の頃、

今と違い、

かなり雪が降る日は多かった。

前の晩に冷え込みを感じたら、

翌朝はだいたい雪が積もった。 




なにか気配を感じ、

パッと目が覚める。

シーンといつもより静まりかえっている。

(もしかしたら…?)という期待感が、

今思えば不思議である。

そんな感じで朝を迎えたものだ。




 窓を開けると、

あたり一面真っ白の銀世界。

しばらくあっけにとられ、

口あんぐりで見つめてしまうが、

すぐ喜びに変わる。

寒さなんか構わずに,

寝間着姿のまま表に飛び出した。




 染みひとつない雪面を、

ザクザクッと踏んで歩く。

振り返ると自分の足跡が、

点々と続いている。

自分が独占する世界!

気分はどんどん高揚した。




 庭木を覆った雪を無造作にすくって、

口に入れる。

一気に解けて口中に広がる、

その冷たさは、

とても美味しく感じられた。




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