22だった。初めて田舎を離れてアパート生活を始めた。職場の近くに見つけた部屋に寝具類は運んだものの、ほかにはなにもない。食事は外食化、職場で済ませばいい。(当時の仕事はレストランのコック)風呂はアパートの近くに大きな銭湯があった。残るは洗濯。まだコインランドリーなどない時代。(さてどうしよう?)洗濯機を買うにしても、どこか格安で手に入らないかと思う。そんな時にレストランの洗い場でパートしていたおばあちゃんがおせっかいを働いてくれた。おばちゃんが連れて行ってくれたのは質屋さん。おばちゃんのいとこがやっていたらしい。おかげでべらっぼうに格安で手に入った。この時ばかりはおばちゃんのおせっかいに感謝感激。ところが、この中古の洗濯機、一か月もしないうちに、変な音がしだした。しまいにガリガリ。これはさすがに驚いた。「あれ動かへんで」とおばちゃんに申し出するような勇気は持ち合わせていない。自分さえ我慢すれば丸く収まる。洗濯もそんなに多くないし、台所のシンクで手洗いすれば間に合った。大人しい人間は、こんなもんなんですよ。部屋の前に陣取った動かない洗濯機はアパートを退去するまで大きな顔をしていたっけ。それにこりて家電は電機店でかうようになった。もちろん、性格でいまだに値切ったことはない。
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