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速藤年正 Toshimasa Hayato

ポートレイトの「Here We Go Again」

2005年06月06日 19時34分27秒 | 全米チャート
Portrait

今回は男性4人組R&Bグループ、ポートレイト(Portrait)のデビュー曲「Here We Go Again」を紹介しましょう。

1980年代後半から1990年代前半にかけては、ハネるようなダンスビートのニュージャックスウィングが全盛でした。キース・スウェット(Keith Sweat)、ボビー・ブラウン(Bobby Brown)など数多くのヒットが飛び出しましたが、1991年のハイ・ファイヴ(Hi-Five)あたりを最後にムーヴメントも終息を迎えてましたでしょうか。ニュージャック期最後のヒット曲がポートレイトの「Here We Go Again」と言えるかもしれません。
ただ、ポートレイト自体はニュージャックスウィング系のグループというワケではなく、デビュー曲が時代に即したサウンドだっただけのことで、1991年のボーイズIIメン(Boyz II Men)もデビューシングル「Motownphilly」こそニュージャック調でしたが、その後はコーラスグループとしての実力を発揮する落ち着いた作品が多かったですよね。
ポートレイトの「Here We Go Again」には、ニュージャックサウンドの中にもコーラスグループとしての完成されたハーモニーがあると思いませんか?? 時代がニュージャックからコーラスグループへと移り変わる瞬間のド真ん中にいた作品。それこそが「Here We Go Again」だと思いますよ。

記念すべきデビュー曲「Here We Go Again」は、1stアルバム『Portrait』からの第1弾シングルとしてカットされ、1993年1月30日付全米R&Bチャートで3位をマーク。あとちょっとチャートを上がればその後のボーイズIIメンの地位と栄光を奪取できたのかもしれませんが、なんてったって当時(1993年1月30日付全米R&Bチャート)のナンバーワンはホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」(11週間連続1位)でしたからね…。どう考えたって、あとちょっとのポジションアップは苦しいですよ…。

メンバーのマイケル・アンジェロ・ソウルスベリーはプロデューサーとしても活躍し、サウンドトラック『Meteor Man』(1993年)からカットされたシャニース(Shanice)の「It's For You」(1993年9月11日付全米R&Bチャート14位)をはじめ、UNVの2ndアルバム『Universal Nubian Voices』(1995年)や、ザ・ウィスパーズ(The Whispers)の『Song Book Volume One - The Songs Of Babyface』(1997年)といった作品も手がけてます。

ポートレイトの個人的お気に入り曲

01.「Here We Go Again」
02.「How Deep Is Your Love」
03.「Be Thankful For What You've Got」
04.「Honey Dip」
05.「Day By Day」

(フレディ・ジャクソン同様、またしても)ホイットニー・ヒューストンに大スターの道を閉ざされてしまったポートレイト。彼らのデビュー曲「Here We Go Again」は個人的評価☆☆☆☆★(四つ星)のオススメ作品です。

■ポートレイト■
1985年、ロサンゼルス出身のエリック・カークランドとマイケル・アンジェロ・ソウルスベリーを中心に、ラッパーを加えた3人組R&Bグループとして活動をスタート。当初はコピー曲を演奏していたが、エリック・カークランドとマイケル・アンジェロ・ソウルスベリーの二人はオリジナル曲も作り始め、ロードアイランド出身のアーヴィン・ワシントンがグループに加わる。1989年にオクラホマ州出身のフィリップ・ジョンソンが加入し、4人組コーラスグループのポートレイトが誕生(ラッパーの男性はどこかの時点でフェードアウトしたらしい)。1992年のデビューアルバム『Portrait』からは「Here We Go Again」、ニュージャックスウィング調の「Honey Dip」(1993年4月17日付全米R&Bチャート18位)、スローバラード「Day By Day」(1993年7月17日付全米R&Bチャート42位)の3曲がチャートインを果たす。1993年には、映画『Addams Family Values』サウンドトラック用の1stシングルとして、ウィリアム・デヴォーン(William DeVaughn)のカバー「Be Thankful For What You've Got」(1994年4月2日付全米R&Bチャート59位)がヒット。シングルカットはされなかったが、サウンドトラック『Blankman』(1994年)にも新録音の「Do You Wanna Get Down」が収められた。1995年の2ndアルバム『All That Matters』からはミディアムビートの「I Can Call You」(1995年4月8日付全米R&Bチャート22位)、ビー・ジーズのカバー「How Deep Is Your Love」(1995年7月15日付全米R&Bチャート51位)をシングルカット。この後フィリップ・ジョンソンが脱退し、カート・ジャクソン(Kurt Jackson)が参加。クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)のアルバム『Q's Jook Joint』(1995年)収録の「Slow Jams」(1996年4月27日付全米R&Bチャート19位)では、新メンバー体制による見事なコーラスワークを披露した。ちなみにこの「Slow Jams」はアルバムバージョンとシングルバージョンの参加ゲストが異なり、アルバムにはベイビーフェイス、SWV、バリー・ホワイト、ポートレイトがクレジットされ、シングルではベイビーフェイス、タミア、バリー・ホワイト、ポートレイトがクレジットされている。1996年のサウンドトラック『Grace Of My Heart』に新録曲「In Another World」を収録以降、現時点において2000年のベストアルバム『Greatest Hits』が彼らの最新作となる。補足: 1997年にカバー曲でつづる日本独自の企画盤『ラブ・バラッズ』も発表され、リチャード・マークス(Richard Marx)の「Right Here Waiting」、ビー・ジーズ(The Bee Gees)の「Too Much Heaven」、エリック・クラプトン(Eric Clapton)の「Tears In Heaven」、コモドアーズ(Commodores)の「Three Times A Lady」といったオリジナルアルバム未収録曲が豪華に収められていた。



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