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ばあちゃんキモノ・マインド

迷える(元)仕立て屋の手探りな日々…

これからの衣生活

2007-06-10 18:55:37 | キモノ・マインド
久々にブログタイトルに沿った内容…になるのかな?

通勤生活をするにあたって、ある程度覚悟していたのが
「服、買い揃えなきゃならないだろうなぁ」ということでした。
なんせ、これまで週一回程度の納品時くらいしか、まともな
格好をしなかったので、各シーズン2、3パターンあれば
事足りたのです。

が、蓋を開けてみれば喪黒福造な日々…。
しかもバイク通勤。
セ○ールでなんとかなっちゃいました。

そうすると問題になってくるのが、「ちょっとしたお出かけ」って
やつですよ。
友達とご飯食べるとか、映画見に行くとか、ショッピングとか…
そのあたりですね。
近所のスーパー?
そりゃジャージでいいじゃん。
ミラノマダムじゃないんだから。

「ちょっとしたお出かけ」…。
これをもう、着物オンリーにできれば理想的です。
祖母の着物が一生分くらいあるし。
手入れに手間とお金がかかるけど、結局洋服を買ったって同じ事で、
「似合わん…」という後悔がない分、マシかもしれません。
前にも書いたかもしれませんが、私は痩せていると言うより薄い

あ、同点!
…失礼。阪神×ソフトバンク戦、ラジオ聞きながら書いてます。

もとい、薄い体型で、しかもなで肩という二重苦。
似合いませんね。何着ても。

けどなぁ…着物…。
どう言い繕っても、洋服に比べて「活動的」とは言いがたい…。
「そんなことはない。着物で山登りだって出来る」という話も
あるけど、それはやってみれば出来るというのであって、
まぁやめといた方がいいんじゃないかと…。

なんて話はともかく、やっぱりネックは帯でしょうか。
胸の下から腰骨あたりにかけて、兵児帯でもない限りは
かなりしっかり固定されますから。

そういう事を考えていると、二部式の着物はどうだろうかとも
思うのです。
難しいでしょうかねぇ。

…って、逆転~!!!サヨナラ~!林くんステキ~!!

とういわけで、この話はいずれまた。


空と私のあいだに

2007-02-27 16:42:58 | キモノ・マインド
なんだか歌のタイトルづいてるかしら。
「金をくれ!」ってありましたなぁ…。

知人を通じて、「もらい物の着物の身幅が合わないんだけど、
直せるものなの?」という相談がありました。
出来ます。
が、多分この話は成立しないでしょう。

サイズ直しにしても、新品のお仕立にしても、値段を聞いてびっくり
される方は結構多いです。
「タダでもらった着物なのに?」とか、「洗い張りだから安くなるわよね」
などと言われると、「お気持ちは非常によくわかりますが…」と思いつつ、
切ない気持ちにもなるのです。
そして、「値段に不平を言える腕か!」という言葉が、頭の中をぐるぐる
まわります。

確かに、こちらが使う神経と時間と体力は、お客様には関係のない話です。
「オークションで3千円で買った反物を着物にするのに、なんで
その何倍もお金払わなきゃならないの?」てなもんです。
「これこれの手間がかかるので、この値段は妥当ですよ」と言ったところで、
着物は必需品というわけではありません。
「じゃ、やめとくわ」という選択は、アリアリなんです。

「お金かかるから、着物なんか着ない!」って言われたくなくて、
多くの仕立屋さんが涙をのんだり…なんかしてないか。
いや、よく知らないんですけどね。他の人の事情…。
まぁ、できたらあんまり、善良な仕立屋を値切らないでくださいな。

ワタクシ?
私はもちろん、
値引きなんかしないわよ!

長襦袢6千円で縫えって、よ~もゆ~たなぁぁぁぁぁ~。
なんて、毒づいたりはしませんけどね。

海外縫製に負けるわけだわ。





常に戦闘体勢で着物筋肉パッツンパッツン

2007-02-23 23:23:14 | キモノ・マインド
タイトルはまぁ…。
読み流してください。
朧の森に棲む鬼」ご覧になった方なら、「ああ」と
いうだけのことでございます。

友人とのランチに、久々に着物を着ていきました。
最近、着付け教室もサボり気味なので、今日着なかったら
危ない気がして…。
何かの事情で、しばらくジョギング休んで、「今日走らなかったら
こりゃもう本格的に挫折だな」の、あの気分ですわ。

チューリップの帯をしたかったのですが、合う帯締めを持って
いなかったので、断念。
お正月に着た取り合わせで、帯留め無し、帯締めだけ変えました。


この帯締めが千円で買えちゃうんだものねぇ…。
消費者としては嬉しい限りだけど、供給者側の端っこの端っこの
さらに離れ小島辺りにいる立場としては複雑です。
といって、「帯締めは道明でなきゃ」な人ばっかりだったら、
今以上に業界は「ブリザ~ドブリザ~ド♪」になってしまうだろうしね。

いや、なんでこの歌思い出したかというと、たまたま見つけた
呉服屋さんのブログで「着物の世界は凍っている」という言葉を
読んだからなのでした。
うーむ…確かにあらかた凍てついとるかも。
「溶かす必要、ありますか?」と聞かれると、「そりゃもう
私が食いっぱぐれるから」って、いや、そうじゃなく…。

私の思う「こうなればいいのに」という希望と、呉服業界のとは、
また全然違うのでしょうけどね。
そういう話も、おいおい整理して出来ればと思います。

ところで、外出から帰ってみたら、伊達締め一本残ってました。
ま…飛行機組み立てて部品が余ったわけじゃないから、いっか。

ドジ踏んだ 朝まで縫った 世界なんか嫌いだとベソかきながら

2007-02-16 17:24:10 | キモノ・マインド
前に買ったチューリップの帯でお出かけするなら、柔らかい色の
コート類が要るなぁと思ったのでした。
帯つきの頃にはチューリップは時季遅れだし。
洗い張り済みの羽織で、ちょうどいいのがありますが、
イチから仕立てるのは面倒…。

というわけで、妹が結婚する時に揃えた中から、
道行を私サイズに直すことにしました。
本当は身丈も直したいけど、そこまですると大掛かりに
なるので、裄だけ縮めます。

母が娘用に着物を注文する時、「これは誰用」とはっきり決めて
いるわけではありません。
たまたま、妹の結婚という、買い物には絶好の口実があったと
いうだけのことなので、「大は小をかねる」と、一番背の高い
妹サイズで作ってあったのです。
そして、これもありがちなことですが、この時作った着物類は、
すべて実家に置き去りです。

さて、人が仕立てたものを解くのは、とても勉強になります。
出来上がった形は同じでも、仕立て方は結構いろいろなんですね。
自分が習ったのとは違う工夫や、丁寧な仕事を見るのは
大切な経験です。
が、時として「自分にはここまで出来ない…」と、時間の無駄的絶望に
陥ることもあるので、注意は必要です。

ただし、この道行きは「あーら私のが上じゃないかしら~」と
アントワネットな高笑いをさせてくれたりなんかして、
ちょいと精神衛生上は、よろしい感じでした。
(こういう場合は、実は50歩100歩のことが多いです)

タイトル、単にアントワネットからの連想で本文に関係ありません。
…無理から言えば、この道行き、マカロン色かな?


くされ縁なお道具

2007-02-15 14:29:42 | キモノ・マインド
まぁそんなこんなで、考えてみたら、就職話が持ち上がった
年明けからごたごたしていたのですが、ちょいと息を整えて
いるところです。
いや、ほら、慌てる乞食はもらいが少ないって言うじゃ
ございませんか。

とはいえ、減ることはあっても決して増えることはない
銀行残高を眺めつつ、平常心を保つのは結構厳しいもんです。
根性鍛えられちゃったりなんかして~♪
…なわけないか。

とりあえず、手持ちの仕事は進めねば、というわけで、
年明けに自分の着物を仕立てて以来、久々に針を持ちました。



上に乗っている緑の缶が、ここ10年ほど使っている裁縫箱です。
学校に行っている間は、もう少し小さい、これまた頂きものの
お菓子が入っていた缶を使っていました。
作業中は蓋をひっくり返して箱の上に置き、そこに糸やピッチン、
チャコ等の必要なものだけを出しておきます。

下の千代紙を張っているのが糸入れ用の箱。
これは学校時代から使っているから、13年くらいになりますね。
もともとティーバッグが入っていたんですよ。
こういう感じで↓。

この仕切りが、糸を整理するのに丁度よくってねぇ。
愛用してます。
さすがにもう箱の表面がぼろぼろで、蓋が取れそうになったので、
千代紙をべたべたと貼ってみました。

ノーブランド(もちろん)で、タダで手に入れた道具ですが、
意外と一生持つんじゃないかという気がしています。







弘法じゃないから

2007-02-07 08:00:08 | キモノ・マインド
筆は選びまくりです。
技術の低さは道具でカバー!
…なんて、できるわけないか。

結局、ただのブランド好きなのかもしれません。


ぴっちん(注:糸きり用握り鋏の意)は「有次」、針は「みすや針」です。

有次の鋏は、反対側に名前を入れてもらっています。
一度、床に落として噛み合わせが悪くなってしまったのですが、
お店に持っていったら、ぐいっと捻って、あっという間に直してくれました。
さすがです。

長さ約3寸7分と、普通よりちょっと大きめサイズなので、
それほど手の大きくない私には、よくないかもしれません。
が、一度慣れてしまうと、小さいものが頼りなく、妙なところまで
切ってしまいそうで怖いのですね。
これは手の中で、しっかりとした重みを感じるので、どこに刃先が
当たっているか、神経が集中するのです。
(…それ以外のときは散漫になってるってか?)

運針用の縫い針は「四の二」と、ちょっと短めを使ってます。
くけは「四の三」。
みすや針は、「針は最小の刃物」という言葉がよくわかる、
気迫と言うか気骨というか、ぴりっとしたものを感じます。
「お裁縫」という雰囲気ではないですね。
布通りがいい宿命として、針穴は小さいです。
糸通しする度に精神統一…するわけありません。
「っしゃ、一発で通った。ラッキー!」の運試しです。



I HAVE A DREAM!

2007-01-26 14:15:05 | キモノ・マインド
…偉大な演説の冒頭から卑近な話を始めてなんでございますが、
私は「紋付」の着物を持っていません。
まぁ、喪服や留袖なんて、普通のお出かけには着られないし、
一生持たなくても困らないかもしれません。
ただ、私は自分の家紋を結構気に入っているので、何か
紋入りの物があったらなぁという気はしています。

ふと思ったんですが、ヴィトンが、定番のロゴデザインの一箇所に
「あなたのご家紋をお入れします」ってやったら、売れませんかね?
あのナルトの輪切りみたいなのを一個だけ家紋に変えたらいいんですよ。

…そんな話はともかく。
紋が入って格が高いといっても、色無地一つ紋付というのは、
なんだか大げさにならず、すっきりとしているので、
いつか好みの色で一枚作りたいなと思っています。
「仲居さんに間違われる」という点をどうクリアするかが問題ですが…。

で、背には自分の家紋をシンプルに入れるのもいいし、
ちょっと可愛らしいデザインの加賀紋も洒落てていい感じです。
これは、どちらにしても上品で無難な選択と言えるでしょう。


だがしかし。
私には一つの夢がある。
(いや、一つじゃないけど)

きりっと鮮やかな色無地に、こんな紋を入れたいのじゃ。



画がまずいですけどね。
そこは職人さんの腕にお任せするとして。
ええ、もうスッキリと、刺繍なんか入れずに、
五分(五分五厘だっけかな)の日向紋ですわ。
どないでございましょ。

キャンプインも間近ですねぇ。
どうかひとつ!どうかひとつ、今年は!
            




着付け・レッスン2

2007-01-20 17:09:56 | キモノ・マインド
先週は新年会だったので、一週あけての着付け教室でした。
写真を見せてもらいましたが、まぁそこそこマトモ…かな。
試しに全く補正無しで着てみたところ、特に問題はなかったようです。

この「補正」というもの、タオル数枚で簡単に済ませる人から、
防弾目的ですか?」と聞きたくなるほど重装備をする人まで様々です。
私はどちらかと言えば…ではなく、はっきり嫌いです。

紐の食い込みを防いでくれるという機能もあるので、
適度な補正なら、それほど窮屈ということは、ありません。
確かに着崩れ防止にもなるでしょう。
が、なんだかどうにも気に食わない。

数多くの着物本や、着物愛好者の発言にも、
「着物は日本の風土と日本人に最も適した、優れた民族衣装」
といった言葉が出てくるというのに、日本人である私の身体の凹凸に、
なんか文句あるんですか?
…いや、別に誰も何も言いませんけどね。
                    

でもねぇ。
なんだか妙な気がするんですよね。
「着物は平面の布を立体の身体に合わせて纏いつける、自由な衣服だ」
なんて言ってるそばから、
「着物に合わせて寸胴に補正を」とか言われるとね。

丸太のような体型に補正して、艶やかな着物を
シワ一つ無く着付け、小山のような帯を背負わせて
「ああ綺麗ね」という感覚は、私にはわかりません。
「ああ綺麗ね、着物は」になってしまいます。

といって、ぐさぐさのざくざくに着て、「生活着としての着物」
ってのも、なんですしねぇ。

着付け教室の帰り道、「どうにかならないものか」と、
ぼーんやり考えたりしています。










服装の歴史

2007-01-17 18:43:17 | キモノ・マインド
ただいま読みかけのシリーズです。


「服装の歴史」村上信彦
1955~6年に「キモノが生まれるまで」、「キモノの時代」、
「ズボンとスカート」の1~3巻までが出版され、
その後の戦後服装史と総括も加えて全5巻。
今は4巻目を読み始めたところです。

身体を動きを抑制する着物と、女性の地位低下について、
みっちり説明されていて、もうねぇ…
着物なんか滅びちゃってもいいか…という気分になります。
みんなジャージでいいじゃん。
仕事もジャージ、オペラ鑑賞もジャージ。
結婚衣装は白に金の三本ラインのジャージ。
…というのは、もちろん冗談です(当然)。

著者の少年時代(大正中頃か末期)には、女性がズボンをはいている
だけで、かなり批判されたとか…。
女性が快適に活発に過ごせるような衣服を身につけることに対して、
世間の反発は相当に強かったそうです。

いやもう、ほんとに、「お疲れ様でした」というか、
「ありがとうございました」というか、昔の女性が、ここまで
抑圧された衣服生活を送っていたことを考えると、
「人類史上初の異性の目を完全に無視したファッション」と言われる、
ガングロだのヤマンバだのという流行が、大和撫子のなれの果て…
いや、末裔から生まれたというのは…おもしろいなぁ。




ちゃらちゃら

2007-01-14 09:51:50 | キモノ・マインド
昨日使った羽織紐と帯留めです。

どうも写真がヘタクソだなぁ。
ちゃんとマニュアルを読むべきかしら…。

羽織紐は友人のお手製です。(一点物♪)
帯留めはFour Season
ここのアクセサリーは楽しいですね。
マンションの頭金になりそうな値段のエルメスのバッグか、
Four Seasonのアクセサリーを毎月2個ずつか、好きな方を選びなさいと
言われたら、後者を選びそうな気がします。
あ、転売可なら、エルメスです。
昭和枯れすすき生活で、エルメスのバッグ持ってたって、
しょうがないじゃないですか。

いまだに、キモノまわりは「お行儀のよいもの」より、
「面白いもの」が好きです。
いえ、何も腹抱えて笑えるのがいいというわけではありません。
ちょっとワクワクするもの。
自分なりにストーリーを作れるようなもの。
そして何より、お手頃価格であるもの。

「これ、どこで買ったの?教えて」と言われたら、
勝ったとヨロコビに浸るのです。