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貝原益軒の養生訓―総論下―解説 046 (修正版)

2016-01-26 23:46:16 | 貝原益軒の養生訓 (修正版)
(原文)

一時の浮気をほしゐまゝにすれば、一生の持病となり。或は即時に命あやうき事あり。莫大の禍はしばしの間こらえざるにおこる。おそるべし。

養生の道は、中を守るべし。中を守るとは過不及なきを云。食物はうゑを助くるまでにてやむべし。過てほしゐまゝなるべからず。是中を守るなり。物ごとにかくの如くなるべし。

心をつねに従容としづかにせはしからず、和平なるべし。言語はことにしづかにしてすくなくし、無用の事いふべからず。是尤気を養ふ良法也。

(解説)

 これらも「貝原益軒の養生訓」で何度も述べられてきました。でも少しだけ付け足します。

 『礼記』礼運には、「飲食男女、人の大欲存する。死亡貧苦、人の大悪存する」とか、「夫れ礼の初めは、之を飲食に始む」などとあります。益軒が繰りかえす言葉には、人として最も重要なものの一つ、「礼」が深く関わっています。決して長生きするためだけの養生法を説いているだけではないのです。そして益軒は『五常訓』でも「飲食ノツツシミハ、礼ヲ以テ慾ヲ制スルニアリ。飲食ノ礼多シ。中ニツヰテ、放飯流歠(せつ)ヲイマシムベシ」などと言っているのです。

 宋代の思想家、邵尭夫(諡は康節)は『漁樵対問』でこう言っています。

口に過なきは易く、身に過なきは難し。身に過なきは易く、心に過なきは難し。既に心に過なくんば何の難きことこれあらん。

 目に見えない心を「和平」にすることが難しければ、より簡単にできることから始めても良いのです。「言語はことにしづかにしてすくなくし、無用の事」を言わないことは、意識的にできるものだからです。

(ムガク)



(これは2011.3.16から2013.5.18までのブログの修正版です。文字化けなどまだおかしな箇所がありましたらお教えください)


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