ハーベスト・タイム『収穫の時』

毎月発行の月刊紙『収穫のとき』掲載の聖書のお話など。

聖書に感謝 千葉県在住 Kさん

2008-01-15 | 視聴者の証し
◆1月号◆ 聖書に感謝
今月は、第41回ハーベスト聖地旅行で洗礼を受けられたKさんの証しをお送りします。

・仕事人間
 1971年に大学を卒業し企業に入り、エネルギーの大半を大規模システム構築の仕事に費やしてきました。プロジェクト成功のためにシステム化対象社会構造・人間関係を勉強し理解し方式・改善対策を追究してきました。1973年に結婚し幸せな夫婦生活がスタートしました。
 どんなに頑張ってもうまくいかないプロジェクト、長時間思考しても構築できない堅牢アーキテクチャー。精神のバランス維持に音楽に身を委ね、または哲学書・宗教書を読み漁りました。モーツアルト、道元、親鸞そして聖書。

・突然の悲劇、そしてバッハ・聖書からの慰め 
 50歳を過ぎたころから仕事中心の生活の見直しの必要を感じ、妻と第二の人生を考え始めました。仕事は六ヶ月のみとし、お気に入りのハワイに毎年三ヶ月滞在するとか。
 ところが2002年2月に突然悲惨な出来事が起きてしまいました。最高のパートナーの愛妻が脳内出血で突然亡くなったのです。右眼が見えづらいので眼科、そして精密検査を受け異常性が見つからず、更に別の検査を受けようとしていた矢先でした。毎週のようにゴルフ、太極拳で汗を流すスポーツウーマンだったのに。茫然自失。その後は不眠、微熱、下痢が続き医者に心身症と言われました。数ヶ月不調が続きました。
 その時に大いなる慰めとなったのはバッハのバイオリンソナタ、パルティータと聖書でした。バッハのパルティータ二番のシャコンヌは、苦しみ・後悔の際限なき繰り返しの果てにかすかな安寧が得られることを教えてくれました。聖書からは無限の愛を受けて慰められました。毎日泣きながらシャコンヌを聴き聖書を読みました。

・ハーベストとの出会い 
 徐々に体調は復調し新たな人生を歩み始めました。しかしバッハと聖書には感謝を忘れることはありません。約束の地イスラエルを歩きたくなりました。イスラエルパックツアーはありません。インターネットで調べているとハーベストという旅行会社の企画を見つけ、すぐさま参加申し込みをしました。2004年11月の初イスラエルです。すぐ後で分かりましたが、ハーベストは旅行会社ではなかったのですね。
 中川先生のガイダンスはジョーク大好きの私には堪らない面白さです。聖書の解説は中々頭に入りませんでしたが、ジョーク切り出しの絶妙なタイミングには感動し今もリアルに思い出します。全員でお祈りをしている中に入るのはどぎまぎしましたが、それでも爽やかさを感じ、「祈る」ということは結構いいものであることを発見しました。シナゴーグで礼拝中のみんなを観察すると大半涙を流しています。とても不思議な感じでした。そして思わず自分の心が洗われていることを発見し、たじろぎました。皆さんとても明るく気さくで、クリスチャンは暗くジョークが通じにくいという偏見はなくなりました。聖地旅行でご一緒した方々にはいつまでも親しみを持っています。

・罪の自覚
 色んな教会を訪問し、聖書に関する本を読み多様な解釈があることを知りました。聖書は不思議な本です。矛盾一杯のように見えながら力があります。聖書批判書を読めば読むほど力強さは増します。
 私が信頼する次のような人々は臨終近くにおいてキリストのみが真理であると認識したように思います。たとえば,海軍軍人井上成美、評論家福田恒存、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、ハンナ・アーレント。彼らに共通しているのは、外的圧力をはねつけ自由意志を実現できたとしても自己内の傾向性に確信がないことを自覚したことです。ハンナ・アーレントは今年2007年発刊された遺稿の中で、「イエスは善なる人などはいないという事実をしっかりと確信していた」と断言しています。人間はどんなに正義を追求しても必ず間違いを犯すことを喝破したのでした。彼らに比べてはるかにいくじなしの私は間違いなく頑固な罪をもっており顔を背けたくなるほどです。
 「私は、ほんとうにみじめな人間です。だれがこの死の、からだから、私を救い出してくれるのでしょうか」(ローマ7・24)
 イエス・キリストは自己愛の塊の私をさえ深く愛してくださり、私の罪を背負って十字架につきました。この人間の理解を超えた奇跡に対しては感謝せずにはおれません。

・洗礼
 今年2007年9月からハーベストフォーラム東京のお手伝いをするという幸運が有り、信仰なき者が一歩踏み出すチャンスを与えられたと思いました。更なる幸運で一一月聖地旅行参加が出来、洗礼を受けたいと中川先生に申し出ました。中川先生は、「もうあなたにはその資格がある」と言ってくださいました。そして一一月四日にバプテスマ準備会を開催していただき、Kご夫婦立会いで説明をしていただきました。
 イエス・キリストに全信頼を寄せることで毎日が楽しく、それでいて心は平安で動ぜず、イエス・キリストの大きな愛を受けることで隣人を親しく愛することができるようになることを確信します。そして聖書全体像を把握してゆるぎないイデオロギー(世界観)を再構築することを決意します。
2007,11,5記