ハーベスト・タイム『収穫の時』

毎月発行の月刊紙『収穫のとき』掲載の聖書のお話など。

「ガーベッジ・イン・ガーベッジ・アウト」の法則

2005-05-19 | 魅力的な人になるためのレシピ
◆5月号◆魅力的な人になるためのレシピ(1)「ガーベッジ・イン・ガーベッジ・アウト」の法則


どうすれば魅力的な人になれるのか?

 誰もが、よい人間関係を築きたい、友人知人から信頼される人間になりたい、魅力的な人になりたいと願っています。問題は、ではどうすればそうなれるのか、です。その秘訣について、数回にわたって皆様とご一緒に考えてみたいと思います。「レシピ」というのは、普通は料理などの調理法のことです。そこから転じて、秘訣という意味にもなります。これから数回にわたって取り上げる法則は、ひとつひとつは小さなものかもしれませんが、それが集まると人生に革命をもたらすような大きな力となります。小さなヒントという意味も込めて、「レシピ」という言葉を使いました。


人生は手紙のようなもの

 さて、私たちの人生はいわば手紙のようなものです。人々は、私たちとの日常の接触を通して、あたかも手紙でも読むかのように、私たちがどういう人間であるかを観察し、判定を下しています。そう、あなたは日々、人々の観察の目にさらされているのです。そう考えると、生きる姿勢が正されます。

 一時的には他人の目をごまかせても、長期にわたって欺き続けることは不可能です。メッキは、いつか剥がれるものです。メッキが剥がれると、人間関係が壊れ、お互いに傷ついたまま別の新しい人間関係を求めて旅立つことになります。数年サイクルで、このようなことを繰り返している人もいます。なんと虚しいことでしょうか。

 私たちは、心にあることを言葉や行動を通して外に出します。つまり、「ガーベッジ・イン・ガーベッジ・アウト」の状態にあるということです。「ガーベッジ・イン・ガーベッジ・アウト」とは、本来はコンピュータ用語で、「ゴミのようなデータを入れたらゴミのような結果が出てくる」という意味です。心の中にゴミがあれば、外に出てくるのはゴミです。それとは逆に、心の中に愛や徳があれば、その麗しい特質が言葉や行動を通して外に出てきます。

 イエスもまた、次のように教えておられます。「口にはいる物はみな、腹にはいり、かわやに捨てられることを知らないのですか。しかし、口から出るものは、心から出て来ます。それは人を汚します」(マタイ15・17~18)。


二種類の失敗

 人が犯す失敗には、二種類のものがあります。ひとつは、うっかりして、あるいは未熟さのゆえに犯す失敗です。もうひとつは、人格的な欠点が原因となって犯す失敗です。人々は、前者の失敗には比較的寛容です。「次から注意するように」とか、「君は発展途上人だから」といった理由で、許してもらえることが多いのです。しかし、後者の失敗の場合は、そうはいきません。動機が汚れているために犯した失敗には弁解の余地はありません。人格に関わる失敗は、信用を無くすという悲しい結果を刈り取ることになります。それゆえ、魅力的な人になりたいと思うなら、自らの人格を磨く努力をする必要があるのです。

 いつまでも人の目をごまかせるなどと、決して思ってはなりません。悪い種を蒔けば、悪い実を刈り取ることになります。幸福な人生を生きたいと思うなら、根本的な自己改造の工事が必要です。しかもそれは、基礎工事から始めなければなりません。基礎工事とは、「内面の作り変え」ということです。内面にどのような特質を育てているかで、その人の生き方、価値観、人間関係が決まってきます。


物質的豊かさは幸福を保証しない
 米国人の生活水準は、第二次世界大戦以降、大きく改善されましたが、自分のことを幸せだと感じている人の数はさほど増加していないということが、USニューズ・アンド・ワールドレポート誌の調査で判明しています(2001年9月3日号)。これと同じことが、日本人にも言えると思います。なぜそういう結果になるのでしょうか。前出の雑誌は、次のように分析しています。

 

 「一旦収入が必需品を購買できる水準に達すれば、それ以上収入が増えても、人々の幸福感は変化しない。知能、名声、日当たりの良い環境などに関しても、同じことが言える。人々は、良い気候、高い給与、より良い車などにすぐに慣れっこになってしまうのだ。

 …研究者たちは、自尊心、霊性、家族、そしてよい結婚や友情などが、幸福な生活の鍵であることを発見している。また、希望、人生の意味、正しいゴールを発見しそれを追求することなども、幸福への鍵である。他の人たちが幸せになれるように援助することも、人間関係を強化し、希望を更新し、幸福感を向上させることに役立つ。他の人が善行を行なっているのを見るだけで、見ている人の心は温まり、自分も同じような善行を行ないたいという気にさせられる。

 感謝の心を持つことも、幸福な生活のためには欠かせないことである。感謝することを習慣にしている人たちは、そうでない人たちよりも健康で、ストレスも少なく、より楽観的で、他の人を助ける可能性も高い…」

 

 ここで、自問自答してみましょう。

1.私は、金銭、地位、名声といった外面的な結果だけを求めて生きていなかっただろうか?
2.私は、自分が基礎工事を必要としていることを認めているだろうか?
3.私は、内面の清さを何よりも重視しているだろうか?

 イエスのことばに、次のようなものがあります。

 「木はどれでも、その実によってわかるものです。いばらからいちじくは取れず、野ばらからぶどうを集めることはできません」(ルカ6・44)。

 よい根と幹を持つ木は、よい実を結びますが、苦々しい根と幹を持つ木は、苦い実をつけます。これが自然法則です。この法則は、そのまま精神的、霊的世界にも当てはまります。

 次回は、「謙遜の法則」を取り上げます。