和裁士・徒然

岩本和裁専門学校の教師のブログです。

紗の羽織の巻き縫い仕立て

2008-08-15 17:00:44 | 季節の着物と和裁
夏羽織を生徒さん(生涯学習教室)が作りました。


生地は紗です。夏物ですから、透ける感じあればあるほど、涼しさを着ている人、見る人に感じさせるものです。

そこで、写真の実物の様に、縫い代を目立たなくするために『巻き縫い仕立て』という技法で仕立てるのです。
これは、縫い代の始末の仕方の一つで、最終的に縫い代を裁ちきってしまいます。

普通に仕立てたものより、縫い代がないので、下の着物が透けて見えます。


そのかわり、仕立ても少々手間がかかりますし、着物の特長である『縫い直し』というのは不可能です。

しかし、それらのことを犠牲にしてでも、仕立てる価値は十分にあります。
巻き縫い仕立ての夏羽織を着たら、普通に仕立てた羽織では、きっと物足りなくなってしまうでしょう。

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