『和の国人』着物作品展
長さのメートル(m)、重さのグラム(g)に対して、東アジア独特の単位、
尺と貫があります。
今年、韓国では、野菜などの小売りに今でも市場等で、普通に使用されている
『貫』をやめて、gに統一しようというニュースを見ました。
私たち和裁士が使用している尺も、昭和40年代に禁止しようという動きが
国からありました。
タレントの永六輔さんや、私の祖父など尺を使う仕事を生業とする人々の
反対運動が起こり、現在でも尺を使っての仕事が出来ます。
またキモノメジャーという便利なものがあります。
これは着物を着る人のヒップを計ると、その人の着物の前巾、後巾、抱巾が
瞬時に割り出せるメジャーです。
岩本和紙専門学校ホームページ
尺と貫があります。
今年、韓国では、野菜などの小売りに今でも市場等で、普通に使用されている
『貫』をやめて、gに統一しようというニュースを見ました。
私たち和裁士が使用している尺も、昭和40年代に禁止しようという動きが
国からありました。
タレントの永六輔さんや、私の祖父など尺を使う仕事を生業とする人々の
反対運動が起こり、現在でも尺を使っての仕事が出来ます。
またキモノメジャーという便利なものがあります。
これは着物を着る人のヒップを計ると、その人の着物の前巾、後巾、抱巾が
瞬時に割り出せるメジャーです。
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和裁の道具で一番大きい物が裁板です。
木の無垢のもの、張りのもの、テーブルの上で使用できるよう厚紙で
出来たものもあります。
木の無垢のものでは、樫(かし)、朴(ほう)、桂(かつら)、銀杏(いちょう)のように
堅い木が向いていますが、高価です。
(普通に使用するには、3万円位の板で十分です。)
私の学校では、赤柳(外国産)と銀杏の無垢の裁板を使用しています。
銀杏はどちらかと言うと柔らかく、ヘラは付きやすいのですが
木に跡が残りやすい。
裁板はヘラ付けのために、表面が徐々にぼこぼこになってきます。
凹凸になった裁板は大工さんにカンナをかけてもらうと
新品のようになります。
今では電動のグラインダーをかけます。
私が修行中、裁板に針をつきさす事は厳禁でした。
折れた針が板の中に残ると、大工さんのカンナの刃がかけてしまうからです。
よく丸みを絞る時に、針を裁板にさして布を止めているのを見ますが、
決してやってはいけません。
(写真は振袖用の袖丸みを作っています。)
私の学校では、板に白い布をかぶせて使用しています。
こうすることで生地、特に刺繍を傷めることがなくなりますし
汚れもつきません。また、コテのかかりも良くなります。
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木の無垢のもの、張りのもの、テーブルの上で使用できるよう厚紙で
出来たものもあります。
木の無垢のものでは、樫(かし)、朴(ほう)、桂(かつら)、銀杏(いちょう)のように
堅い木が向いていますが、高価です。
(普通に使用するには、3万円位の板で十分です。)
私の学校では、赤柳(外国産)と銀杏の無垢の裁板を使用しています。
銀杏はどちらかと言うと柔らかく、ヘラは付きやすいのですが
木に跡が残りやすい。
裁板はヘラ付けのために、表面が徐々にぼこぼこになってきます。
凹凸になった裁板は大工さんにカンナをかけてもらうと
新品のようになります。
今では電動のグラインダーをかけます。
私が修行中、裁板に針をつきさす事は厳禁でした。
折れた針が板の中に残ると、大工さんのカンナの刃がかけてしまうからです。
よく丸みを絞る時に、針を裁板にさして布を止めているのを見ますが、
決してやってはいけません。
(写真は振袖用の袖丸みを作っています。)
私の学校では、板に白い布をかぶせて使用しています。
こうすることで生地、特に刺繍を傷めることがなくなりますし
汚れもつきません。また、コテのかかりも良くなります。
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中に"米ぬか"を入れた「針刺し」です。
先ず初めに、米ぬかを煎ります。
(米ぬかは、10㎝四方の針刺し10個分作れるほどの量を、お米屋さんで100円位で売っています。)
米ぬかを煎らないと、後で穀象虫(こくぞうむし)が発生する心配があるからです。
針刺しの中に、綿や髪の毛を入れる場合もありますが、米ぬかの良い点は、
適度な油分と重みのあるところです。
10㎝四方の布2枚で袋状に縫います。
必ずモスか芯モスで、米ぬかが外に出てこないように裏打ちをします。
米ぬかを中に入れます。
ぬか入れ口をくけて出来上がりです。
(自分の針箱の大きさに合わせて、形は工夫出来ます。)
仕立てで毎日のように使っても、10年位は大丈夫です。
ただし表の布地は痛んできますが。
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先ず初めに、米ぬかを煎ります。
(米ぬかは、10㎝四方の針刺し10個分作れるほどの量を、お米屋さんで100円位で売っています。)
米ぬかを煎らないと、後で穀象虫(こくぞうむし)が発生する心配があるからです。
針刺しの中に、綿や髪の毛を入れる場合もありますが、米ぬかの良い点は、
適度な油分と重みのあるところです。
10㎝四方の布2枚で袋状に縫います。
必ずモスか芯モスで、米ぬかが外に出てこないように裏打ちをします。
米ぬかを中に入れます。
ぬか入れ口をくけて出来上がりです。
(自分の針箱の大きさに合わせて、形は工夫出来ます。)
仕立てで毎日のように使っても、10年位は大丈夫です。
ただし表の布地は痛んできますが。
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鋏には和鋏と洋鋏とがあります。
U字型の和鋏は、握り鋏とも言って、今では糸切り専用に、刃先の短い
もの(10㎝位)を使用しています。
布地の裁断に使用する裁ち鋏は、洋鋏と言い、明治時代に入ってから
和裁で使用されるようになりました。
それまでは、長刀と呼ばれる20cm位の和鋏や、芯切、包丁で裁断していました。
(今でも帯など芯を切るのに使用されています)
裁縫道具の中で、高価なものは、裁ち板、コテ鎌などですが、
裁ち板は、特に高価な銘木である必要はありません。
コテ鎌も、12,000~13,000円です。
もしお金をかけられるのであれば、良い鋏を買うのを勧めます。
私が使用しているのは、<長太郎>の28cmの裁ち鋏です。
良い鋏を使うと縮緬通しに切ることが出来ます。
縮緬通しに切るというのは、地の目に沿って切れるということです。
私のように毎日使っていれば、それほど問題はないのですが、
そんなに使用しない時は、布を切った後に、刃についた細かいホコリを
ふき取っておきましょう。
刃に付いたホコリが湿気をおびて、サビや切れにくくなる原因となります。
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研修会の報告が続きましたので、今回は「糸」についてです。
私達が使う地縫いの絹糸ですが、今では板巻きやプラスチックの糸巻きで
売っていますが、私が小学生だった頃(凡そ40年前!!)は、糸商人が、
一束ねになった糸を、風呂敷に山ほど持ってきた中から、
天秤で「匁(もんめ)いくら」で量ったものを買っていました。
自分で、糸巻き機を使って、糸巻にまかなければなりません。
私も和裁の修行中は、白絹・黒絹・とじ糸は、糸巻き機を使ってまくのですが、
途中で、絡まないよう巻くのはとても難しく、それは緊張を強いられる作業でし
た。
和裁士にとって、当たり前のことですが、縫う前に必ず糸を指ではじいてから使います。これは、糸のよりを直すためです。これを怠り、そのまま縫い始めてしまうと、すぐに糸がからまってしまいます。
今の人は、よほど針仕事が好きでなければ、こうした糸や針の扱いに慣れていないのではないでしょうか。
私の学校では、糸をはじく練習から始めます。
写真は、糸をはじき針に通す作業が目的で、通した糸でいろいろな文様に
糸かがりをしているところです。
これをすることによって、針と糸に慣れます。
ちなみに、科学繊維の糸は、はじいてはいけません。
伸びてしまいます。
化繊の糸は、熱いコテで、さっとひとなでしてから使用すると
絡みにくくなります。
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今では、二本差しの電気ゴテが普通ですが、明治時代までは、炭火鉢でコテを熱して使っていました。
私が修行中に師匠から聞いた話ですが、昔は、コテの温度を頬に近づけて確認していました。うっかり、頬にコテが当たってしまい、火傷をして、あざを作ってしまったお針子さんが何人もいたそうです。
今は、サーモスタットのおかげで、生地が焦げてしまうほど熱くはならないので安心です。ただコテをあてる時は、あたり(布が光ること)・コテの汚れが付くのを防ぐために、あて布をしましょう。
コテで注意しなければならない点は、布を焦がさないようにするのは言うまでもなく、コテをヘラ代わりに使うことです。
コテをヘラ代わりに使用すると、深い、しっかりした印が付きますが、間違った場所に付けた場合、なかなか消えなくなってしまいます。
初心者はコテべらはしないほうが無難でしょう。
国家検定の実技試験の際、一番問題になるのがコテでした。
試験会場側の用意したコテの効きが悪い、反対に熱すぎると受験生から文句が出ることがあります。
そのため今では、持参する事が可能になりました。
しかし、試験当日、朝早く、それでなくても荷物が多い上に、さらに重い約2kgあるコテ一式を持って行くのは、かなり大変です。女性が一般の交通機関を使って、試験会場まで行くだけで、くたくたになってしまうかもしれません。
仕立てをする前に、布のミミをコテで伸ばします。とても大事なことです。
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ヘラも和裁には欠くことの出来ない道具です。
普通、なぎなたの形をしています。また、両刀のヘラもあります。
初心者が、よく鉛筆のように持って、使っているのを見ますが、
本当の持ち方は、ヘラを完全に握ってしまいます。
そして、時には体重をかけてヘラ付けをします。
ヘラの素材には、プラスチック、牛骨、象牙があります。
一番良いのは、牛の大腿骨で作ったヘラです。とても丈夫で使いやすいのです。
プラスチックのヘラは、強いヘラ付けをすると、布が切れてしまう恐れがあります。
象牙のヘラは良いものですが、高価で手に入れにくく、また丁寧に扱わないと、
硬い物や、裁ちバサミなどに当てると、欠けてしまうことがあるのです。
私が和裁を始めた約30年前には、和裁のヘラだけを作る職人さんがいました。
廃業するとの知らせを聞いて、慌てて買いに行った覚えがあります。
今では握りの太いヘラが手に入らないのが残念です。
牛の大腿骨で作ったヘラです。
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普通、なぎなたの形をしています。また、両刀のヘラもあります。
初心者が、よく鉛筆のように持って、使っているのを見ますが、
本当の持ち方は、ヘラを完全に握ってしまいます。
そして、時には体重をかけてヘラ付けをします。
ヘラの素材には、プラスチック、牛骨、象牙があります。
一番良いのは、牛の大腿骨で作ったヘラです。とても丈夫で使いやすいのです。
プラスチックのヘラは、強いヘラ付けをすると、布が切れてしまう恐れがあります。
象牙のヘラは良いものですが、高価で手に入れにくく、また丁寧に扱わないと、
硬い物や、裁ちバサミなどに当てると、欠けてしまうことがあるのです。
私が和裁を始めた約30年前には、和裁のヘラだけを作る職人さんがいました。
廃業するとの知らせを聞いて、慌てて買いに行った覚えがあります。
今では握りの太いヘラが手に入らないのが残念です。
牛の大腿骨で作ったヘラです。
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和裁で使う綿には、絹綿と綿(めん)の綿があります。
絹綿には、真綿、袋綿、吹き止め真綿があり、綿の綿には、青梅綿、丹前綿などがあります。
今、綿を取り扱っているお店も少なくなり、子供の被布や花嫁さんの被る綿帽子に使う袋綿や、半纏(はんてん)に入れる吹き止め綿(これは片面に、ニカワが塗ってあり、表に綿が出てこないようになっています。)などは、入手が困難になっています。
昔は着物の袖口と裾には、必ず綿を入れました。
しかし、今では呉服屋さんや、デパートの一部でしかしていません。
写真は7歳女児のお祝い着の袖口を口綿仕立てにしているところです。
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絹綿には、真綿、袋綿、吹き止め真綿があり、綿の綿には、青梅綿、丹前綿などがあります。
今、綿を取り扱っているお店も少なくなり、子供の被布や花嫁さんの被る綿帽子に使う袋綿や、半纏(はんてん)に入れる吹き止め綿(これは片面に、ニカワが塗ってあり、表に綿が出てこないようになっています。)などは、入手が困難になっています。
昔は着物の袖口と裾には、必ず綿を入れました。
しかし、今では呉服屋さんや、デパートの一部でしかしていません。
写真は7歳女児のお祝い着の袖口を口綿仕立てにしているところです。
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