和裁士・徒然

岩本和裁専門学校の教師のブログです。

馬乗袴・腰板作り

2008-08-23 11:31:46 | 和裁の基礎
9月は講習会の依頼が二つあります。
慣れてはいても、大勢の人の前で、実技を行うのはやはり大変です。

一つは、東京都の依頼で『馬乗袴』(ズボンのように二つに分かれている袴)の
講習をします。

袴の仕立てで難しい所は、腰板付けでしょう。

腰板は、桐や杉の板でした。仕舞い袴では、今でも木の板が使用されていますが、
普通の袴は、ボール紙で出来た既製品で済ませています。

木の板を布地に縫い付けるなど、考えられないかもしれませんが、
ボール紙で出来たものより、桐の板のほうが、はるかに針の通りが良くて、
縫いやすいのです。

私が袴作りで、ここだけは譲りたくないところは、糊です。

最近では、合成ボンドを使う人もいますが。私は米の糊(ご飯粒から作る)です。
『続飯(そくい)』と言います。



米の糊は、練って練って作るのが一仕事です。
ご飯の粒が一つでも残っていては駄目です。完全につぶしてしまいます。

その代わり、粘りが強く付が良いので、次の作業に早く移ることが出来るのです。
乾くと石のようにガチガチになりますが、将来、縫い直すとき、水につけると
きれいに取れてしまいます。

私は、袴は作るのも、着るのも好きです。
講習会の内容は、また終了後に書きましょう。


布地に紙で芯を貼り付けます。






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1 コメント

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米の糊だったんですね ()
2016-08-01 10:48:11
先日、袴を自宅で洗濯しましたが、腰板の生地が剥がれてしまいました。
どのように付けようか悩んでいましたが、米でのりを作って貼りなおしてみます。
ボンドや接着剤を使わなくて良かったです。
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