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回顧と展望

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シリアで化学兵器使用-2

2013年04月24日 18時38分05秒 | 日記

アレッポで医療活動に従事している英国での医学教育を受けたシリア人医師Niazi Habashが、治療した患者のなかにサリンとみられる毒物により2名が死亡したこと及び患者の様子をFacebookに37秒ほどの動画で投稿した。毒物専門家によれば、患者の症状は明らかにサリンなどの毒物によるものだとしている。サリンは、東京の地下鉄でのテロ事件と同様、吸引しただけで致命的であり、今回は航空機から投下されたもののようだ。すでに、英仏およびイスラエルがアサド政権側の化学兵器使用を確認したと言っているが、これを更に裏付けるものと言える。

これに対して、アメリカ政府の対応は依然極めて慎重だ。ケリー国務長官は、まだ未確認と言う立場をとっており、ただ、NATO軍に対しては、化学兵器の使用を想定するように指示したにとどまっている。

昨日のワシントンポストは、既にアサドがオバマ大統領のいう「レッドライン」を超えているにもかかわらず、介入しないのはおかしいとして、すぐに行動を起こすよう主張している。かつて、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器(WMD)を保有しているとのスパイ情報に基づいてイラクに軍事介入し、その後、WMDが発見できなかったことのトラウマから、慎重になっているのだが、ワシントンポストは英仏、イスラエルの情報がある以上、もはやためらうべきではないと。

しかし、オバマ大統領のような慎重(あるいは優柔不断)な政治家にとって、軍事行動に出ることにはためらいがあるのだろう。アフガニスタンにしても、イラクにしても、いずれも自分はブッシュ前政権の始めた戦争の後始末をしているという口実があったが、仮にシリアに介入すれば、それは、オバマの戦争になる。特に、クリントン前国務長官と異なり、ケリー国務長官は現状肯定的な宥和主義者と言えるだけになおさらだ。対中国や北朝鮮に対する弱腰外交に見られるように、オバマ大統領の逡巡はこれからも続く。

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