映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

4272-建築を楽しむ

2024年04月20日 | 30秒の心象風景

 日本の古建築を楽しむことができる時間。ビデオ撮影を趣味として続ける間に気づいた特別な時間です。寺社仏閣で引き継がれた伝統建築の技法について、知識が増えるに従って、その見どころが増え、時間が経つのが早く感じるようになりました。国指定重要文化財である弥勒寺の本堂は、小さなお堂ですが、その細部の造形は丁寧で、吹き放ちの外陣の屋根裏を見るだけでも時間が経つのを忘れます。軒裏の建築部材に施された、様々な意匠などの彫刻を楽しめるようになってきたからでしょう。組物や蟇股、支輪や虹梁など、わずかな空間に丁寧な装飾が施されているのです。組物を見ただけでも、巧みの技が見えるのです。蟇股の彫刻では、描かれた図柄の内容にも、それぞれ違いを楽しめるのです。

 


30秒の心象風景27644・組物~弥勒寺~
https://youtu.be/PAI1FsQ9rYU


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4271-浮世絵を楽しむ

2024年04月19日 | 30秒の心象風景

 江戸時代の浮世絵といえば、北斎と広重が浮かびます。風景絵画の方に興味があったのでしょう。富嶽三十六景と東海道五十三次は何度も映像編集の素材として取り組みました。絵画としての面白さはもちろん、その中に江戸時代の文化も見えてくるようになったのです。いまは失われた木造建築も描かれています。人々の生活の様子が伝わるものも多く、江戸時代を旅行するような楽しみがあります。浮世絵には名所や名物などが何気なく登場します。そして、職人の技が見えるものや庶民の生活が見えるものなど、今では失われてしまったものが多く描かれているのです。広重の風景画から知ることになった江戸文化は、様々なものの見方に奥行きを与えてくれるようになりました。文化財に指定された寺社仏閣などを訪れると、そこにある多くものの見え方に奥行きが増してきたのです。

30秒の心象風景27634・神奈川 臺之景~広重の東海道五十三次~
https://youtu.be/XNkspaP9eQE


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4270-西国巡礼

2024年04月18日 | 30秒の心象風景

 西国三十三所観音巡礼の石仏をお参りしています。古刹と呼ばれる天台宗寺院の境内にミニ巡礼道として整備され、そこに配されているのが観音の石仏です。多くは江戸時代に造立されたもので、信者の寄進によって調えられたようです。台座には霊場名と寄進者の名前が併記されている場合もあります。三十三の観音石仏を1体ずつ全てお参りして、映像収録を行っています。最初は妙徳山神積寺の石仏でした。その後、弥勒寺では坂東と秩父を加えた百観音もお参りしています。室津の見性寺では、江戸時代の商人が奉納したものが参道で参拝客を迎えていました。今では、日本遺産の構成文化財として、観光客を迎える存在になっています。それ以降、斑鳩寺の石仏にお参りし、いま八徳山八葉寺の石仏で収録した映像を編集中です。色んな発見がある石仏の巡礼ですが、台座に刻まれた霊場名が、場所によって異なることです。江戸時代に一般に広まった通称名と正式名称が混在しているのでしょう。漢字の表記も様々で、場合によっては間違いかと思えるものも存在します。また、現在の寺院の名称とは異なっている場合もあるのです。

 

30秒の心象風景27624・第七番岡寺~八徳山石仏~
https://youtu.be/63AKw8n9Sko


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4269-花と虫

2024年04月17日 | 30秒の心象風景

 花と虫を楽しめる季節になりました。日本には四季を楽しむ文化があります。それは、それぞれの季節にあわせて様々な生き物が姿を見せることから始まります。その代表は、花です。万葉集のような古い歌にも、季節の花が多く登場します。花そのものを愛でるだけでなく、そこに心情を重ね合わせて表現しているのです。それは現代人でも変わりがありません。いま、春を迎え花見を楽しむ人達が、それぞれの思いを持って花に心を寄せているのです。人の思うような心情とは異なり、心とはいわないのでしょうが、虫たちも花に集まるのです。これは、人類の出現よりももっと以前から続く、生き物どうしのかかわりあいの歴史です。

 


30秒の心象風景27622・シバザクラにハナバチ~下太田廃寺跡~
https://youtu.be/2tCjxg7R11s


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4268-花に目がいく

2024年04月16日 | 30秒の心象風景

 桜の花の季節です。いろんな種が順に花を咲かせます。花の色や大きさ、花の付き方の少しずつ異なる木が植栽された公園では、少し歩くだけでいろんな花が楽しめます。下太田廃寺跡の公園は、地元の人々によって整備されています。塔跡の礎石群は最もよくわかる遺跡ですが、金堂や講堂のあった場所も調査が行われ、全容がわかっているようです。公園はその遺跡の上に整備されたもので、古くから守られた来たことを示すお堂が今も信者の手によって維持されています。周囲はすべて田んぼになっています。田んぼの広がる中に、特別な区域として大切に守られてきた歴史を感じる空間です。季節の花はそれを彩る存在です。

 

 


30秒の心象風景27619・花弁を失っても~下太田廃寺跡~
https://youtu.be/2rO7WSPFOxo


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4267-観音堂

2024年04月15日 | 30秒の心象風景

 八徳山八葉寺を訪れるのは、何度目になるか覚えていないけれど、境内に観音堂があったことを知ったのは今回が初めてになります。山中に開かれた境内では、本堂があるのは一段高いところです。その本堂の手前、向かって左手側の奥に小さなお堂があったのです。まっすぐ本堂に向かうと見逃してしまう場所です。今回は、お堂の前に設置された標石に気づきました。新しく設置されたもので、観音堂 西国三十三番観音と刻まれています。木造のお堂に入ると、ガラス戸で仕切られた奥に、金色の観音像が並んでいます。数段に渡って並ぶ観音様は、最近修復されたのでしょう、すべて金色に輝いています。そして、新たに備えられたのがガラス戸なのでしょう。湿気の多い山中では、格子戸よりも保護しやすく、拝みやすいということで採用された近代化なのかもしれません。

 

30秒の心象風景27606・観音堂に参る~八徳山八葉寺~
https://youtu.be/zSLgzE-SekM


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4266-新しい石造物

2024年04月14日 | 30秒の心象風景

   台座に刻まれた文字は、流暢なひらがなで、「ようこそ ようこそ」 その上に乗るのは小僧さんの立ち姿。新しい造形の石造です。古刹寺院にも新たな石造物が増えてきました。人々の思いを受け止める仏像の姿だけでなく、身近にありそうな僧形の石像です。お地蔵様の姿を借りた、あるいは、その延長上にある親しみを持って接することができる像です。浄土寺の塔頭の門前で参拝者を迎えてくれたのは、ほうきを持って掃き掃除を行っている小僧さんです。お地蔵様の変化身というべき姿で表現されているのかもしれません。かわいらしさが伝わる像です。
 

 

30秒の心象風景27596・ようこそ ようこそ~浄土寺~
https://youtu.be/5OOL7Qw7xEk


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4265-ツルニチニチソウ

2024年04月13日 | 30秒の心象風景

 わりに出会うことの多い花です。webで図鑑を探るとすぐに出てくるのが育て方の情報です。人気のある花なのですね。「茎が地表を這い、節から根を下ろして広がります。グラウンドカバーやコンテナ、吊り鉢の縁から垂らすなど、長いつるを生かして多様に利用されています。花は春から初夏にかけて、立ち上がる茎の葉腋に青や白色の花を咲かせますが、花よりもむしろ、葉に斑の入る品種がガーデニング素材として親しまれています。」という紹介がありました。園芸品種が開発されて、販売されているものが多いのでしょう、楽天などの販売のサイトでもよく取り上げられているようです。写真には葉が斑入りのものや花の色が異なるものが紹介されています。原産地は南ヨーロッパのようです。

30秒の心象風景27599・参道の花~八徳山八葉寺~
https://youtu.be/KaBPjkeGgJo



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4264-自然の営み

2024年04月12日 | 30秒の心象風景

 野草の花を撮影できるこの季節は、いろんな出会いが楽しめます。刈り取りを終えた草むらに、わずかに生き残っていた野草が茎を伸ばし花をつけています。昨年は大群落になっていた菜の花ですが、今年は、数えることができる程度です。そんな花にも虫たちはやってきます。菜の花を好物とするナガメにも出会いました。するとアブの仲間がとりついている花も見つかりました。撮影しながら近づいても全然動きません。よく見るとカニグモの仲間がとりついています。この花で待ち伏せをしていたのでしょう。気づかずにやってきたアブの仲間が捕まったようです。カメラのレンズ越しに花を見ていたのですが、カニグモの方は、花に紛れて存在に気づかなかったのです。アブも気づかなかったから捕らえられたのでしょう。これが、自然の姿なのだと感じた場面です。

 

30秒の心象風景27589・狩りに成功~カニグモ~
https://youtu.be/f6pHQQJFSuM

 




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4263-野鳥との出会い

2024年04月11日 | 30秒の心象風景

 生き物の撮影では、何に出会えるか。それは、計画できるものではありません。出会ったとき、その機会を逃さない判断力、瞬発力のようなもので撮影するのです。動きの速い動物では、特に反射的な反応が必要になります。まずは収録するのです。カメラワークはそのために日頃から鍛えていたかのように思えます。水鳥の撮影も長く続けたおかげで、多くの種類の鳥たちを見分けることができるようになってきています。羽の色、動作や仕草、大きさなど、すぐにある程度の分類が頭に浮かぶようになってきています。すると、時には、あれ?と思う出会いがあるのです。何か違う。何だろう。そのときは迷わず映像収録を続けます。今回は、それによって、初めて見る鳥が撮影できたのです。カモかと思って撮影したのですが、アイサの仲間だったのです。初めて見る種でした。

 


30秒の心象風景27575・並んで泳ぐ~アイサ属~

https://youtu.be/5VN1u3yWRwg

 

 


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