映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

4274-旅人を描く

2024年04月22日 | 30秒の心象風景

 広重の東海道五十三次を楽しむ妄想の旅を続けています。今回で3巡目になるでしょうか。映像編集を伴うことが、絵の細部にまで注意を払う作業となり、さまざまな発見があり、新たに疑問が生まれてくることもあるのです。藤澤のタイトルは遊行寺になっています。実際に絵の中央奥に遠景として寺院建築が描かれています。藤澤は時宗の総本山である清浄光寺の門前町で、宗祖の一遍上人が全国を遊行したことから遊行寺ともいわれているのです。ところが目を引くのは前景に大きく描かれた鳥居です。これは、5キロほど先の江ノ島弁財天への入り口を示すものだというのです。その鳥居の脇に旅人の一団が描かれているのですが、どうやら目の不自由な人たちです。広重の絵には、このような障害を持つ人がよく登場します。これは、江戸時代の文化を示すものかと思います。そして、この一団は江ノ島詣出の人たちなのです。調べてみると江ノ島には、盲官の杉山検校(すぎやまけんぎょう)の話があったのです。江戸時代に活躍した「鍼師」杉山検校は、その技を江ノ島で感得したことで知られ、杉山検校のお墓にお参りる人が描かれてるのだと知りました。

 

30秒の心象風景27659・藤澤 遊行寺~広重の東海道五十三次~
https://youtu.be/Xo67aY327YY


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