温暖化抑制重要な役割/水産総合センターなど研究
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北太平洋に住むミジンコに近縁な動物プランクトンが、大量の炭素を深海に運ぶ
ことで、日本が排出する二酸化炭素(CO2)の半分近い量を、数百年間封じ込め
る働きをしていることが、水産総合研究センターの東北区水産研究所(宮城県塩釜
市)と東京大のチームによる研究でわかった。大気中のCO2増加は地球温暖化に
つながるが、それを抑える自然界の仕組みの一端が明らかにされた。
このプランクトンはネオカラヌスというグループで、体長5~10㍉。春から初夏
には海の表層にいて、光合成でCO2を吸収した植物プランクトンを食べて育つ。
夏に水深500~1500㍍の深海に移動して休眠し、早春に産卵して死ぬ。
休眠中のネオカラヌスが魚などに食べられることで、CO2由来の炭素が深海に
送り込まれる。それが浅い海に戻るのは、海水の動きの関係で数百年後になるとい
う。
東北水研の斉藤広明・生物環境研究室長によると、従来、CO2由来の炭素が生
物よって深海に運ばれるのは、主に植物プランクトンが死んで沈むためだと考えら
れていた。 (2006.06.13 朝日朝刊/総合『その2に続く』)
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北太平洋に住むミジンコに近縁な動物プランクトンが、大量の炭素を深海に運ぶ
ことで、日本が排出する二酸化炭素(CO2)の半分近い量を、数百年間封じ込め
る働きをしていることが、水産総合研究センターの東北区水産研究所(宮城県塩釜
市)と東京大のチームによる研究でわかった。大気中のCO2増加は地球温暖化に
つながるが、それを抑える自然界の仕組みの一端が明らかにされた。
このプランクトンはネオカラヌスというグループで、体長5~10㍉。春から初夏
には海の表層にいて、光合成でCO2を吸収した植物プランクトンを食べて育つ。
夏に水深500~1500㍍の深海に移動して休眠し、早春に産卵して死ぬ。
休眠中のネオカラヌスが魚などに食べられることで、CO2由来の炭素が深海に
送り込まれる。それが浅い海に戻るのは、海水の動きの関係で数百年後になるとい
う。
東北水研の斉藤広明・生物環境研究室長によると、従来、CO2由来の炭素が生
物よって深海に運ばれるのは、主に植物プランクトンが死んで沈むためだと考えら
れていた。 (2006.06.13 朝日朝刊/総合『その2に続く』)