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DNAの「組み換え」 カギとなる酵素解明

2006-06-24 16:17:23 | 生物学
  都臨床研と理研の研究チーム
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 私たちの体内で精子や卵子が作られる際、DNAの「組み換え」が起こり、父、
母それぞれに由来する遺伝情報が染色体のあちこちで互いに入れ替わる。この現象
が起こるには、Cdc7という酵素が不可欠とみられることを、東京都臨床医学総
合研究所と理化学研究所が示した。
 研究チームは、臨床研の正井久雄プロジェクトリーダーや荻野佳子研究員、理研
の太田那史准主任研究員たち。

 Cdc7はたんぱく質をリン酸化する酵素で、DNA複製に重要な役割をしてい
る。正井さんらはマウスでCdc7の働きを弱める実験をしたところ、精子や卵子
といった生殖細胞が正常にできなくなった。

 さらに分裂酵素で機能を詳しく調べると、Cdc7が無くても生殖細胞のDNA
複製は支障なく進んだが、次ぎのステップである組み換えには進まなかった。組み
換えが起こるには、その部分でDNAが切断される必要があるが、Cdc7の無い
酵母では、その「切れ目」がはいらなかった。

 正井さんは「Cdc7が無いために切れ目が入らず、組み換えの準備ができなか
った」とみる。この組み換えは、多くの生物で遺伝的多様性を生み出す大きな要因
でもあり、そのメカニズムの一端が明らかになった。
 論文は米科学アカデミー紀要(5月23日号)に掲載された。
                     (2006.06.23 朝日夕刊/科学)


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