大阪市北区で行政書士・海事代理士・マンション管理士を営んでいる原田行政書士法務事務所の駅ブログ

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旧国鉄鍛冶屋線 羽安駅!

2019年06月09日 | 

兵庫県西脇市にあった羽安駅は、加古川線の野村駅(現在の西脇市駅)と鍛冶屋駅とを結んでいた全線単線非電化の鍛冶屋線(13.2km)の駅でしたが、1990(平成2)年4月1日に鍛冶屋線が廃止されたことに伴い、廃駅となりました。

廃止時は単式ホーム1面1線でしたが、かつて貨物の取扱いをしている頃は、この駅から酒造用の米の山田錦や播州織りが搬出されたため、駅舎横の切欠き部分の貨物ホームへ積降線を1線有していました。
開業時に建てられた木造駅舎は、無人駅となってからもそのままの姿で廃止時まで健在でした。

羽安駅が属していた鍛冶屋線は、1923(大正12)年5月6日に播州鉄道が開通させました。 播州鉄道はこの地方の特産品である酒造米の山田錦の輸送を主たる目的に、加古川を起点にして高砂・谷川・三木・北条・鍛冶屋と5方向へ路線を開業させましたが、やがて経営不振に陥り、1923(大正12)年12月21日に播丹鉄道へ譲渡します。 しかし、その播丹鉄道も太平洋戦争中の1943(昭和18)年6月1日に戦時体制の国に買収されて、国鉄鍛冶屋線となりました。

この鍛冶屋線も昭和40年頃からモータリゼーションの普及と地場産業の変化に伴い、旅客・貨物輸送量共に年々減少していき、1984(昭和59)年の営業係数(100円の収入を得るのに必要な費用)は1026にまでなっていました。 こうしたことから、1980(昭和55)年12月に施行された国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)により、鍛冶屋線は1987(昭和62)年2月3日に第3次特定地方交通線として廃止承認されます。 地元では鍛冶屋線特定地方交通線対策協議会を開いて第三セクター鉄道への転換やバス転換などいろいろ協議し、当初は第三セクター化が有力視されていましたが、先に第三セクター化された北条鉄道・三木鉄道がいずれも転換当初から経営難に直面したため兵庫県が支援に難色を示した結果、1988(昭和63)年12月に全線を廃止してバス転換することに決定しました。

そして鍛冶屋線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)に承継された後、1990(平成2)年4月1日に廃止されました。

ちなみに、羽安駅の跡地は公園になり、ホームの一部が残されています。

  <羽安駅の年表>

 ・1923(大正12)年5月6日:播州鉄道の羽安停留場として開業
 ・1923(大正12)年12月21日:播丹鉄道に譲渡される
 ・1943(昭和18)年6月1日:播丹鉄道が国有化され、国鉄鍛冶屋線の所属となる
 ・1943(昭和18)年6月1日:一般駅に昇格して羽安駅となり、貨物取扱い開始
 ・1959(昭和34)年8月20日:貨物取扱い廃止
 ・1973(昭和48)年10月1日:荷物取扱い廃止
 ・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる
 ・1990(平成2)年4月1日:鍛冶屋線の廃止に伴って廃駅となる

 
(駅名標)

 

 

 
(羽安駅駅舎)


 撮影年月日:1989(平成元)年4月9日



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