和歌山県紀の川市嶋にあるJR西日本の紀伊長田駅は、関西本線の王寺駅と和歌山駅とを結んでいる全線単線の和歌山線(87.5km)の駅です。
もともとは紀和鉄道の長田臨時停車場として、1903(明治36)年3月7日に開業しました。
和歌山方面に向かって右側に配置された単式ホーム1面1線のみを有する無人駅で駅舎はなく、直接ホームに入る形になっています。
紀伊長田駅の利用客は少なく、2018(平成30)年度の1日の平均乗降人員は220人で、これは起終点駅を除く和歌山線の全34駅中32位です。
紀伊長田駅が属する和歌山線は現在、関西本線と接続する王寺駅から高田駅までの間はIC乗車カード「ICOCA」の近畿圏エリアに含まれており、大阪方面からの直通列車が多く運転されていますが、高田駅~和歌山駅間は線内のみのローカル輸送に徹する形となっています。
また、和歌山線はかつて、東京駅に直通する急行「大和」の寝台車(和歌山線内では普通列車に連結して運転)や、紀勢本線の白浜方面に直通する急行「しらはま」、その後身の急行「紀ノ川」といった優等列車が運転されていましたが、いずれも国鉄分割民営化までに廃止されてしまい、現在は普通列車・快速列車のみ運転されています。
<紀伊長田駅の年表>
・1903(明治36)年3月7日:紀和鉄道の長田臨時停車場として開設
・1904(明治37)年8月27日:紀和鉄道が関西鉄道に譲渡され、同鉄道の臨時停車場となる
・1907(明治40)年10月1日:鉄道国有法により関西鉄道が国有化され、国鉄の臨時停車場となる
・1908(明治41)年2月22日:臨時停車場から仮停車場に変更される
・1909(明治42)年10月12日:国鉄線路名称制定により国鉄和歌山線となり、同線の仮停車場となる
・1912(明治45)年5月1日:仮停車場から仮乗降場に変更される
・1938(昭和13)年7月15日:駅に昇格して紀伊長田駅となる
・1941(昭和16)年8月10日:営業休止
・1952(昭和27)年9月23日:営業再開
・1984(昭和59)年10月1日:五条駅~当駅~和歌山駅間が電化
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる
・1991(平成3)年4月1日:和歌山支社の管轄から橋本鉄道部の管轄に変更される
・2003(平成15)年10月1日:コンコースの喫煙コーナーを廃止
・2009(平成21)年6月1日:橋本鉄道部が廃止され、和歌山支社の管轄になる
・2010(平成22)年6月 :簡易券売機が設置される
・2020(令和2)年3月14日:ICカード「ICOCA」の利用が可能になる
(駅 名 標)
(踏切上から王寺方面を望む)
(和歌山方面を望む)
(紀伊長田駅入口)
撮影年月日:2017(平成29)年4月8日
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