和歌山県御坊市にある西御坊駅は、JR紀勢本線の御坊駅から西御坊駅までを結んでいる全線単線非電化の紀州鉄道(2.7km)の終着駅です。 もともとは御坊臨港鉄道の松原口駅として、1932(昭和7)年4月10日に開業しました。
単式ホーム1面1線のみの駅員配置駅(午前10時30分まで)です。
古い木造駅舎が健在です。
2010(平成22)年度の1日の平均乗降人員は113人です。
西御坊駅が属する紀州鉄道は、その前身の御坊臨港鉄道が街外れにある国鉄御坊駅と御坊市街地とを結ぶ目的で敷設工事を始め、まず1931(昭和6)年6月15日に御坊~御坊町(現・紀伊御坊)間が開通し、その後順次路線を延ばしていき、1934(昭和9)年8月10日に御坊~日高川間(3.4km)が全通しました。
太平洋戦争を経て、御坊臨港鉄道の利用者は徐々に増加し、1965(昭和40)年には100万人を超えていました。 また、1955(昭和30)年6月15日には西御坊駅から分岐する貨物線の大和紡績専用線(0.85km)が開通し、綿花やスフなどの原料輸送が行われ、さらに日高川駅からはチップも発送され、紀伊御坊駅には一般貨物の発着もあって、この頃は貨物収入が旅客収入を上回っていました。
しかし、モータリゼーション化により、それ以降、利用者は減少に転じ、さらに貨物輸送も減少していきます。
そして、御坊臨港鉄道の経営が困難となっていた時、東京の不動産会社が鉄道事業を約1億円で買収し、1973(昭和48)年1月1日に紀州鉄道株式会社となりました。
<西御坊駅の年表>
・1932(昭和7)年4月10日:御坊臨港鉄道の松原口駅として開業、まもなく西御坊駅に改称される
・1955(昭和30)年大和紡績専用線が開通
・1973(昭和48)年1月1日:御坊臨港鉄道から紀州鉄道に譲渡されたことに伴い、同鉄道の駅となる
・1984(昭和59)年6月26日:大和紡績専用線が廃止
・1989(平成元)年4月1日:当駅~日高川間(0.7km)が廃止されたことにより、終着駅となる
(駅 名 標)
(西御坊駅駅舎)
(駅 舎 内)
(左は硬券入場券:右は硬券乗車券)
撮影年月日:2002(平成14)年8月31日