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今回ご紹介する春のお料理の数々は主役ではありません。
例えると、2021年3月末に天国に行かれた「北の国から」田中邦衛さんのように「名脇役」ともいえるお料理でしょう。今後も長く忘れられない存在感が光る田中邦衛さんのように、これらの小さいお料理も一つ一つが宝石のように輝いています。例えるなら箱入り高級チョコレート、見た目も美しく一口で食べられますが、その一粒一粒が微妙に違っていて、繊細な味覚が楽しめます。
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筍の木の芽味噌、今回は姫皮と一緒にいただきました。美味しさのあまり写真は撮り忘れましたが、姫皮が珍しく、ご紹介します。春の筍は香りもいいですね。筍を茹でて皮をむいた時に、皮の内側に残る柔らかい部分が姫皮です。家で茹でることがあれば捨てずに食べてみてください。シャキッとして美味しいです。今回は姫皮をお皿のようにしていただきました。
サーモンの奉書巻。奉書巻はおせち料理にも入っていました。奉書紙を巻いたように仕上げた料理です。サーモンを巻き込んでさっぱりといただきました。
菜の花は言わずもがな、春に相応しい旬の食材です。花月のプライドは出汁の旨味、菜の花の味付けは素晴らしいの一言です。
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刺身のあしらいに用いられる蓮イモは茎の部分を食べます。味自体はあまりありませんが、見た目がレースのように美しい食材です。私の第二の故郷タイにも自生し、茎はゲーンソム(カレー)にして食されるようですから、別の食べ方では既に口にしていたようなんです。味のない(薄い)食材って侮れない応用力を持っているんですね。何か感動しました。
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最後に三色団子。こちらも春らしい色合いと可愛らしさが際立つお料理です。
ピンクには梅肉、白にはくちなし、緑には抹茶、食品を使っての着色です。
私は花月のお料理の中でもこんな名脇役たちが大好きです。
料理人さん達は小さいお料理を一つ一つ大事に丁寧に仕上げる、お客さんは一目の楽しみ一口の味わいを喜ぶ。
作り食べる・・・双方が料理に対して真摯に向き合う至福の時なのです。
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