真剣勝負。
まさにこの日は、身体を張った真剣勝負をした夜。
ドッジボールに来ている子供の一人に、なかなか元気で威勢のいいのがいます。
この子供、元気が良すぎてトラブルが絶えない。
トラブルって言うても、花師から見ればたいしたことのないトラブル。
まぁまぁ大人が受け止めれないせいで、彼のストレスはいつもMAX。
そんな彼ですが、見た目イケイケのようですが、実はめちゃくちゃ根性なし。
思いっきりの家弁家。
酷い時なんて、歳の近い姉や、母親までに手を出す始末。
これはなんとかせねば!ってことで、昔々に空手の道場に通ってまして、その当時の後輩がまだやってるってことで、今通ってる道場に誘ってくれたんです。
当然、今までの恨みを晴らす為にスパーリングに付き合わされたんですけど、これの機会をうまく使って、彼にわからせることができるんちゃうか?ってことで、上手く誤魔化して連れていったんです。
キックボクシングのプロの選手や、本場タイのトレーナーに指導してもらう姿は、いつもと雰囲気が違います。
真剣そのものって感じです。
多少の緊張とビビリの入って、まじめに取り組んでる姿は、なかなか様になってます。
後輩がミット打ちを始めたんで、二人で見学。
その時にちょっと囁きました。
「おまえなんで家で暴れるねん?おまえは強いんやろ?ほななんで弱い者に手を挙げる?」
黙って話を聞く子供。
「もしやで、アイツが今下りてきて、思いっきり殴ってきたらどうする?」
『嫌や・・・怖い。』
「そやろ?おまえが怖いんやったら、おまえにやられてる人も怖いんちゃうんか?」
『・・・』
「強いやつはいっぱいおるねん。おまえなんか一瞬でやられるで。」
「でも、誰もそんなことせへんやろ?強いやつは手を出せへん。弱いやつを守るねん。だからおまえも、弱いやつを守ったらんとな」
何を伝えたかったのかは、子供が感じ取る事であって、今この瞬間はどうでもいい。
10年ぶりにするスパーリング。
相手はキックの試合に出てる男。
昔の面影は全くなし!正直言うと・・・めちゃくちゃ怖い。
でも男は、やらなアカン時がある。
それをじっくりと見せたい。
何が伝わるかは・・・わからんけど。
3分3ラウンド
拳を合わせる。
怖くて前に進めない。
間合いが遠い。
緊張感が身体を貫く・・・
ファーストコンタクト。
思い切って出した右のローが、後輩の太腿にヒットする。
打ったスネが痺れる。
顔面に1.2を叩き込むも、拳ひとつが踏み込めてない。
真剣なまなざしが、妙に冷たく恐怖を感じさせる。
1ラウンド終了。
30秒のインターバルの後、再びゴングで2ラウンドに突入。
間合いを詰めた瞬間、ジャブが飛んでくる。
首が曲がり、頭が後ろに倒れる。
辛うじてダウンは踏みとどまるも、容赦なくジャブが来る。
見えた瞬間、天井を見上げてた・・・
「よし来い!」
後輩の声がジム内を駆け巡る。
歯を食いしばって立ち上がる。
子供が「コーチ弱い」と野次を飛ばす。
その時・・・後輩が子供に言葉を投げる。
「おまえのコーチは今必死で立とうとしてるんや、しっかりと見とけ!」
立ち上がるも、ボディー・左ローを立て続けにもらってダウン。
3ラウンド
何が何かわからない。
どうしてこんなことをしてるのか?
なんでここにいてるのか?
逃げ出したい・・・正直立ってるのも辛い。
ここまでする必要ってあるんかな?
子供達には何もしてあげられない。だからこそ生き様を見せるしかない。
言葉では伝わりにくい事を、歯を食いしばってる姿を見せたい。
ダウンしている耳に、子供の声が入ってくる。
「コーチ!シンドイ時こそ声を出せ~!いつも言うてるやん!」
「絶対に諦めるな!諦めたらアカン」
朦朧とする中で、「ほんまクソガキ!立たなしゃ~ないがな。」と再び立ち上がる。
何回ダウンしたやろ?
意識が遠ざかりそうになる中、ただただ顔面に叩き込むことだけを考えてラッシュ!
当然の玉砕。
お互い正座をして「ありがとうございました」
後輩の成長にうれしさが込み上げてくる。
「あんなに弱かったのに・・・」
後輩が子供に再び投げかける。
「コーチはな、今日はじめて顔面をしたんや。それやのにここまでやるってすごいんやぞ」
帰りの車の中、後輩が前を走る車のテールランプを見ながら語りかけてくる。
「今日はええもん見れました。久しぶりにギラギラした目を」
「最初は適当にって想ってたんですが、気持ちがガンガンきたんで、ついつい倒しとかなって想ったんです。」
それを聞いて、後部座席で寝る子供を指差して、「コイツに何か伝わったかな?」
「伝わったと思いますよ。」
その後彼のはどうなったか?
結果なんてすぐに出るもんでもない。
でも確実に彼の小さな心に、くさびをしっかりと突き刺す事が出来たんやないかな?
どことなく、彼の瞳の輝きが増したように想えたのは・・・
贔屓目なんかな?
贔屓目でもなんでもかまへん。
ビビリの彼が、ビビリながらも体験したことに、そっと花束を贈りたい。
まさにこの日は、身体を張った真剣勝負をした夜。
ドッジボールに来ている子供の一人に、なかなか元気で威勢のいいのがいます。
この子供、元気が良すぎてトラブルが絶えない。
トラブルって言うても、花師から見ればたいしたことのないトラブル。
まぁまぁ大人が受け止めれないせいで、彼のストレスはいつもMAX。
そんな彼ですが、見た目イケイケのようですが、実はめちゃくちゃ根性なし。
思いっきりの家弁家。
酷い時なんて、歳の近い姉や、母親までに手を出す始末。
これはなんとかせねば!ってことで、昔々に空手の道場に通ってまして、その当時の後輩がまだやってるってことで、今通ってる道場に誘ってくれたんです。
当然、今までの恨みを晴らす為にスパーリングに付き合わされたんですけど、これの機会をうまく使って、彼にわからせることができるんちゃうか?ってことで、上手く誤魔化して連れていったんです。
キックボクシングのプロの選手や、本場タイのトレーナーに指導してもらう姿は、いつもと雰囲気が違います。
真剣そのものって感じです。
多少の緊張とビビリの入って、まじめに取り組んでる姿は、なかなか様になってます。
後輩がミット打ちを始めたんで、二人で見学。
その時にちょっと囁きました。
「おまえなんで家で暴れるねん?おまえは強いんやろ?ほななんで弱い者に手を挙げる?」
黙って話を聞く子供。
「もしやで、アイツが今下りてきて、思いっきり殴ってきたらどうする?」
『嫌や・・・怖い。』
「そやろ?おまえが怖いんやったら、おまえにやられてる人も怖いんちゃうんか?」
『・・・』
「強いやつはいっぱいおるねん。おまえなんか一瞬でやられるで。」
「でも、誰もそんなことせへんやろ?強いやつは手を出せへん。弱いやつを守るねん。だからおまえも、弱いやつを守ったらんとな」
何を伝えたかったのかは、子供が感じ取る事であって、今この瞬間はどうでもいい。
10年ぶりにするスパーリング。
相手はキックの試合に出てる男。
昔の面影は全くなし!正直言うと・・・めちゃくちゃ怖い。
でも男は、やらなアカン時がある。
それをじっくりと見せたい。
何が伝わるかは・・・わからんけど。
3分3ラウンド
拳を合わせる。
怖くて前に進めない。
間合いが遠い。
緊張感が身体を貫く・・・
ファーストコンタクト。
思い切って出した右のローが、後輩の太腿にヒットする。
打ったスネが痺れる。
顔面に1.2を叩き込むも、拳ひとつが踏み込めてない。
真剣なまなざしが、妙に冷たく恐怖を感じさせる。
1ラウンド終了。
30秒のインターバルの後、再びゴングで2ラウンドに突入。
間合いを詰めた瞬間、ジャブが飛んでくる。
首が曲がり、頭が後ろに倒れる。
辛うじてダウンは踏みとどまるも、容赦なくジャブが来る。
見えた瞬間、天井を見上げてた・・・
「よし来い!」
後輩の声がジム内を駆け巡る。
歯を食いしばって立ち上がる。
子供が「コーチ弱い」と野次を飛ばす。
その時・・・後輩が子供に言葉を投げる。
「おまえのコーチは今必死で立とうとしてるんや、しっかりと見とけ!」
立ち上がるも、ボディー・左ローを立て続けにもらってダウン。
3ラウンド
何が何かわからない。
どうしてこんなことをしてるのか?
なんでここにいてるのか?
逃げ出したい・・・正直立ってるのも辛い。
ここまでする必要ってあるんかな?
子供達には何もしてあげられない。だからこそ生き様を見せるしかない。
言葉では伝わりにくい事を、歯を食いしばってる姿を見せたい。
ダウンしている耳に、子供の声が入ってくる。
「コーチ!シンドイ時こそ声を出せ~!いつも言うてるやん!」
「絶対に諦めるな!諦めたらアカン」
朦朧とする中で、「ほんまクソガキ!立たなしゃ~ないがな。」と再び立ち上がる。
何回ダウンしたやろ?
意識が遠ざかりそうになる中、ただただ顔面に叩き込むことだけを考えてラッシュ!
当然の玉砕。
お互い正座をして「ありがとうございました」
後輩の成長にうれしさが込み上げてくる。
「あんなに弱かったのに・・・」
後輩が子供に再び投げかける。
「コーチはな、今日はじめて顔面をしたんや。それやのにここまでやるってすごいんやぞ」
帰りの車の中、後輩が前を走る車のテールランプを見ながら語りかけてくる。
「今日はええもん見れました。久しぶりにギラギラした目を」
「最初は適当にって想ってたんですが、気持ちがガンガンきたんで、ついつい倒しとかなって想ったんです。」
それを聞いて、後部座席で寝る子供を指差して、「コイツに何か伝わったかな?」
「伝わったと思いますよ。」
その後彼のはどうなったか?
結果なんてすぐに出るもんでもない。
でも確実に彼の小さな心に、くさびをしっかりと突き刺す事が出来たんやないかな?
どことなく、彼の瞳の輝きが増したように想えたのは・・・
贔屓目なんかな?
贔屓目でもなんでもかまへん。
ビビリの彼が、ビビリながらも体験したことに、そっと花束を贈りたい。
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