山に魅せられて

山に魅せられ数十年のシニア女子。
日本百名山達成は通過点、今日も山へまいります。
一押し記事は、雲の平、高天ヶ原。

白神岳(白神山地)

2010-07-29 | 東北
ハッチョウトンボ~白神山地(ある湿原にて)


山仲間に、「白神岳に行ってみない?」と声をかけると、
大概の方が「行ってみたい!」と仰います。

人工構造物の何もない山の中を歩いていると、「いいな~」と思う岳人にとって、
手つかずの自然の残されているところとなれば、
「行ってみたい」と、考えるのはしごく普通のことでしょう。

しかし、実現までには時間がかかりました。
青森県深浦町は遠く、経費がかかります。
それほどの出費を要するならば、またその時期には、北海道へ行きたい、
アルプスを縦走もしたいし、外国の山への資金にまわしたい等、思ってしまいます。
少なくとも、私はそうでした。


さて、なんやかんやありましたが、機は熟した2010年7月3日~5日、
2泊3日で約32,000円という格安の旅を、良き仲間たちと実現させました。
紹介していただいたガイドさんにも恵まれ、予想以上に(b^ー゜)!!(゜∇^d)~~ ベリーベリーグッドな旅となりました。

と、前置きが長くなってごめんなさい(;´▽`A``


さて、白神岳のこと。
標高1232m。
白神山地の西に位置し、南北に長い尾根を伸ばしています。
その尾根が、世界自然遺産に登録をされた核心地域との境になっています。

白神山地の最高峰は、向白神岳(むかいしらかみだけ 1250m)。
核心地域の中にあるので、登山道は整備されていません。
入山禁止にはなっていませんが、すごく大変(な道)だそうです。

↓登山ルート俯瞰図。赤くなるほどは急坂、青くなるほど平かな道。クリックで拡大します。


「向白神岳に行くには、春、まだ雪のある頃に、白神岳の山頂から向白神岳に向かって派生する尾根を
行くとよいのです」とガイドさん。
ガイドさんが、そのルートで向白神岳にいらしたかどうかは、聞き洩らしました。


初夏の白神岳の印象は、一見どこにでもありそうな「普通のお山」でした。
でも、よく見ると違う。
ブナの大木が、何気にそこに、あそこにあるのです。
雲っていたので、陽光に輝く若葉を見ることはできませんでしたが、
霧の中のブナは、ハッとするほどの美しさでした。


1日前の昨日、熊と登山者が出くわすという事件がありました。
登山者は腕を負傷、熊はそのまま、どどっと山肌を駆け下って逃げたとのこと。
場所は、大峰分岐(核心地域との境の尾根上)です。

急きょ態勢が敷かれ、本日早朝から、熊の駆除、熊が出た場所の草刈り、
ヘリコプターで空から、登山者に「熊注意」の呼びかけなどが行われました。

駆除に向かう「熊撃ち」さんに、図らずもお会いしましたが、
言葉数少なく、どことなく重い空気が漂うのは、白神に共存する熊への愛と駆除。
迷いはないけれど、命を奪い、稀に奪われる重さを、体と心に受け止めているかのようでした。

白神岳を含む白神山地は、一度だけではその良さを知りえない。
季節を変え、時間を変えじっくりと味わいたい、願望ですが(*^.^*)

白神山地の核心地域は世界自然遺産ですが、そこに生きる人々、動植物、
マタギの文化も、かけがえのないものです。
ずっと大切に守られてゆくといいですね。


アルバムタイトル:駐車場~登山口~蟶山~大峰分岐~白神岳の往復

最寄りの駐車場。昨日、熊が出没。警察官は本日の入山者の名前、年齢等を記録しました。


整備が過剰にされていないシンプルな登山道が延びてます。


「昨日、熊が駆け下った音を聞いた」とガイド。「じゃ、もういねえな」と熊撃ちさん。


上木戸沢の水場です。先に着いた熊撃ちさんが「冷たいよ」と、ぼそっと教えてくださいました。


熊撃ちと早出の草刈り隊が話してます。背中に銃。右腰の毛皮の袋の中にナタ。地下足袋姿。


熊撃ちさんの足は速い。姿は見えなくなりました。霧の中、少し緊張気味の私たち。

ガイドさんの胸には、熊よけスプレー。熊が登山道を転がり落ちるほどの威力。ナタも持ってます


樹林帯を抜けてマテ山の下の急坂。


昨日、熊が出没したところ。この尾根の向こう側が世界自然遺産の核心地域。


白神岳避難小屋到に着きました。


白神岳山頂到着。眺望効きません。向白神岳も見えません。


頂上から見る左の小屋はトイレ。右は白神岳避難小屋。


白神岳を振り返る。トイレがちょこんと。手が入ってました(^^;


自然遺産の核心地域をのぞきこむも、霧が隠してしまいます。




最新の画像もっと見る

24 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (nakamura)
2010-07-29 22:05:28
こんばんは。

うらやましいですね~。
霧に包まれていても、白神山地はよろしいですね。
良いガイドさんもうれしいことです・・・。
返信する
うらやましいです。 (地理佐渡..)
2010-07-30 06:57:24
おはようございます。

こうした森の深い山はいいですね。
当方も山へは行きますが、登頂より、
その途中が楽しくて行きます。従い
ましてピークを極めるなんてことも
目的にはなく、疲れたらすぐ帰りま
す(笑)。去年、今年と佐渡にいま
すので、そんな森のある山へと行く
ことも無いので、うらやましいです。
せめてまた暇を見てドンデンへと、
まだ先のことにぼんやり思いを..。
返信する
単なる登山とは違って (nakamuraさま)
2010-07-30 07:27:59
おはようございます。

白神はガイドさんをお願いするとよいと、聞いていましたので、
また、熊も恐いので、お願いをしましたが、想像以上に、良かったです。

ブナはどこにでもありますが、手つかずのブナの森がこれだけ広い範囲で残されているところに、
白神山地の白神山地たるゆえんがあるのですね。

そこに住む動植物を含めて、大切に守ってゆかなければと思いました。


「出来るだけ安く、中味はリッチに」旅をする先輩がいまして、
白神に二度出かけ二度ともお願いしたという、ガイドのSさんは、彼からのご紹介でした。

お金はなくても、時間は何とか生み出せる今は、
この言葉をモットーにしています(*^^*)

未明に投稿し、睡眠不足のまま昼間は外出。
夜なべはできなくて・・
で、もって、コメントを頂いていました。
とっても嬉しい、ありがとうございます。
返信する
Unknown (地理佐渡..さま)
2010-07-30 10:06:09
地理佐渡..さん、こんにちは。

山の楽しみ方は、いろいろですね。
ピークハントをするにしても、その山だけを効率的に登る方法もあれば、
その山を含む縦走コースを楽しむなどは一般的ですが、

今回一人の友人は、マテ山分岐でガイドストップがかかり、
頂上へは行かずそこで我々を待つことになりました。多分4時間ほどの間かと思いますが、
体力の回復した彼女の過ごし方は素晴らしいのです。

そこから基本的に遠くには行かないけれど、登山道の先へ進んでみたり、
少し下山してみたりして、ショウキランを見つけましたし、
ツルアジサイのブナに巻きつく様子も写真に収めました。
ブナ林を描き、杖にした枝の先端に小刀で彫りものまでしてましたよ。
再会した彼女は、見違えるように元気で明るかったです。

あとで、「苦しかったからガイドストップがかかってホッとした」と言ってました。
彼女ほど多才ではない私に真似することは難しいですが、
山の楽しみ方はいろいろありますね。

近くに、ドンデンという羨ましいお山があります。
さまざまなバージョン、シーンで発信してくださると嬉しい。
一度登った山に再び出会えるとすごく楽しいのです。

早速のコメント、嬉しい、ありがとうございます。
返信する
はい。 (地理佐渡..)
2010-07-31 20:50:14
こんばんは。

>近くに、ドンデンという羨ましいお山が
 あります。さまざまなバージョン、シーン
 で発信してくださると嬉しい。一度登った
 山に再び出会えるとすごく楽しいのです。

がんばりますよぉ(笑)。時間との戦いに
必ず勝利して行きます。で、明日も職場なん
です(トホホのホ)。
返信する
7月初めは北の方は天候不順 (tkhs)
2010-07-31 22:45:46
天候には恵まれなかったようですが、熊騒動、入山禁止にならなくて良かったですね、ガイドさんと登った事は無いですが、知らない山では必要な事かな!
返信する
 (aigen)
2010-08-01 10:46:30
人間が熊の住み処を奪ったのか、それとも熊が人の住むところにまで行動範囲を広げたのかはわかりませんが、熊と遭遇するという話はよく聞きますね。
漁師さんが鉄砲を持って巡視している姿には驚きます。
自然を楽しむのもなかなか大変ですね。
返信する
白神山地 (おみや)
2010-08-01 19:38:21
大自然の中を悠々と歩かれてよかったですね
がイドさんも一緒だと何かにつけて安心できますね。私など見たこともない大きなブナの木が
あちこちに立っているのでしょう。そんな大自然を見て見たいものです。今のうちにあちこち見ておいてください。いづれはこのようなことも辞めなければならないときがやってきます。
我が家が今痛切に感じていることです。
返信する
Unknown (SHOU)
2010-08-04 10:00:44
最近、報道でも、熊出現、遭難、などが多いですね。
充分に気を付けて下さいね。
返信する
Unknown (地理佐渡..さま)
2010-08-04 21:05:58
こんばんは。

そのように、ご多忙、ご活躍の中での毎日投稿は、すごいですね。
それでも、いつかまたドンデンに会える日を楽しみにしています。
返信する

コメントを投稿