邑南町(おおなんちょう)出身、浜田市在住の田中博一(たなかひろいち)さんの著書です。昨年、邑南町瑞穂の道の駅で販売されていたのを見つけて購入しました。
本書の著者プロフィールによれば、田中さんは、1973年生まれ、「石見国出羽郷で二ツ山城を見上げながら育つ」とあります。
二ツ山城は、瑞穂の鱒淵にあります。古く出羽氏、高橋氏、毛利氏などゆかりの城で、この本にも、出羽元祐(もとすけ)の物語が載っています。元祐は毛利元就の六男元倶(もととも)を養子に迎えています。詳しくは、この本をご覧ください。
ほかに、出羽元祐のほかに、益田兼高・福屋隆任・三隅兼連・下瀬頼定・神屋紹策・吉見広長らが描かれています。
これは、歴史書ではなく、歴史物語というべきものかと思います。たいそうわかりやすく生き生きと当時のことが語られていると思います。田中さんは、この本の「はじめに」の中で「この本をきっかけに、地域の歴史、遺産にも興味を持っていただければと思います。」と述べています。
☆☆『石見戦国史伝』田中博一・著 ハーベスト出版 2019年9月5日初版発行 本体1,000円+税