高麗時代中期の高麗青磁白黒象嵌水禽文盃です。
盃の外側には、菊花と牡丹が、内側には蓮の花と水禽の風景が、白黒象嵌により美しく表現されています。
盃に酒を浸すと、蓮の花の間に遊ぶ水鳥の表情が鮮明に浮かび上がり、童心に返れるような風景が盃の中に広がります。
花に囲まれ、水鳥が遊ぶ景色を眺めながら、愉快な気分でお酒をお楽しみ下さい。
穏やかな気分に浸れそうです。
高麗青磁の特徴のひとつでもある氷裂が、景色に深みを与えています。
少し反り加減の、丸みを帯びた口辺も口あたりが良く、お酒を滑らかに口に運びます。
心温まる表現の中にも、気品を感じさせる盃です。
※氷裂とは、釉の罅、つまり貫入が大きく、氷の裂け目のように感じられるものです。
これは欠陥ではなく,高麗青磁ならではの特徴とみなされています。
現代の陶芸家の中には,ひびのできる釉薬を意図的に使い、氷裂文を作りあげる人もいます。
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