前にテレビのBSで「平成細雪」を見て、「原作を読んでみよう。」という気になり、早速ブックオフで上・中・下巻の新潮文庫版をゲットしました。次女の幸子を中心に、上方の四人の姉妹を描いた物語です。枕元に本を置き、寝る前に少しずつ読むことにしたのですが、これが、小説のひとつの有効な読み方だったようです。布団に入り、少し読み続けるうちに睡魔が襲ってきて、気持よく眠れることに気付きました。文章も気品があり、全体に上品な世界が展開されており、ゆったりとしたペースで物語が進むので、眠っても良い夢が見れるような気がしました。原作を読むと、「テレビドラマとは、随分ストーリーが違うんだなあ。」と思ったのですが、読み終えて記憶に強く残るのは、なぜか下痢のシーンです。四女の妙子が鯖を食べて、赤痢にかかり下痢に苦しみます。物語の最後は三女の雪子が、結婚するため東京に向かう途中、「下痢はとうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからもまだ続いていた。」という文章で終ります。「随分、予想外の終わり方だな。」と思いましが、この文章で終わる意味って、何なんでしょう?だれか文学に造詣の深い方、教えて欲しいです。
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