花地蔵つれづれ日記

古美術、芸術全般、日々気になること。

新鮮な空気を吸いたい

2020-06-28 18:56:55 | アート 文化 古美術


古美術商は、他業種と比べると忙しいことが少ない商売だと思います。
中には忙しい人もいるのでしょうが。
新コロナウイルスの時代の前は、のびのびと「暇だな。」と言っていましたが、
今は、どこか窮屈な感じで「暇だな。」と言っているような気がします。
暇なので、気晴らしに近くの海を見に行きました。
自然に接して、新鮮な空気を吸いたいというのは、人間の本能だと思います。
だから、鎌倉や江の島に人が押し寄せ、密になっているニュースを見ても、仕方ないだろうなと思います。
海では、ウィンドサーフィンを楽しんでいる人も何人かいました。
曇り空で青い海は見れなかったのですが、
「いつでも自然を楽しむことができるのは、田舎に住んでるおかげだ。」
と、つくづく実感しました。

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美濃灰釉盃

2020-06-15 05:24:35 | アート 文化 古美術


桃山時代から江戸時代初期の美濃灰釉盃です。
窯変により、釉薬が虹色に輝く、景色の美しい盃です。
高台に見られる、美濃特有の、もぐさ土の柔らかな表情も、古陶愛好者にとっては堪らなく愛おしいものでしょう。
長年、愛玩され呑み続けられて来た盃です。見込みに、お酒が染み込み、味わい深い景色が広がっています。
盃を伝えて来た人々の、盃に対する愛情が伝わって来るようです。

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石皿「梅図」

2020-06-09 05:52:56 | アート 文化 古美術


江戸時代後期の瀬戸の石皿「梅図」です。
皿いっぱいに、梅の花が愛らしく生き生きと描かれています。筆さばきは、スピード感があり力強く流麗です。大胆な構図で、花が咲き誇っているようです。
使っても重宝しますが、飾って眺め、花を愛でる時のように、おおらかな気分を味わってはいかがでしょうか。存在感のある魅力的な石皿です。

■石皿とは、江戸時代から主に瀬戸で生産された、盛り皿として使われた陶器の大皿です。主に東海道筋の旅籠屋や煮売屋などで好んで用いられた皿です。石のように頑強であることからの呼称ともいわれています。模様は実に様々ですが、草花や樹木が最も好まれ、他に山水とか、鳥、獣、魚、貝なども題材になりました。幕末から明治にかけ、この傍系のものに鉄絵一色のものも現れ、例の馬目皿はその終わりを語るものです。そして遂には全く無地ものとなっていきます。

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李朝 鶏龍山刷毛目茶碗

2020-06-03 05:37:11 | アート 文化 古美術


李朝時代前期の鶏龍山刷毛目茶碗です。
鶏龍山特有の、鉄分の多い茶褐色の胎土の上を、スピード感のある刷毛目が、草原を吹き抜ける疾風のように、一気に勢いよく刷かれています。
胎土と、刷毛目の白土とのコントラスも美しく、碗の側面と見込みの刷毛目跡とともに見事な景色を作り出しています。
使い込まれた年月が、見込みの刷毛目の白土に味わい深い陰影を与え、刷毛目跡からは、この茶碗を愛しんできた人々の思いが滲み出ているようです。
窯の中で生じた器の歪みが、口辺に美しい曲線を描き出しています。日本の茶人はこうした「歪み」を賞玩してきました。
金繕いもアクセントとなり、器の造形の変化の一助となっています。
変化に富んだ、力強い迫力ある造形です。
お茶を点てると、茶の緑が映え、器も生き生きとした姿を見せます。多彩な表情で、目を楽しませてくれる茶碗です。

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