桃色の山法師をいただき、紫の都わすれとともに、李朝の白磁つぼに生けてみました(上図)。山法師はふつう、白色ですが、桃色の花は珍しいと、幾人かのお客様に喜んでいただきました。
山法師も、都わすれも、大好きな花です。都わすれは、都を遠く離れた貴族が、都を懐かしんでつけられた名と、いつか聞いたことがあります。可憐ながらも気品ある花です。
漆桶に黒蠟梅の枝をさしてみました(下図)。黒蠟梅はお茶の花として、珍重されるもので、堅い蕾はやがて小さなユリに似た黒い花弁をつけました。美しい緑の葉に隠れるように咲く花は、まさに、わび、さびの世界にぴったりです。
時代を経た漆桶に、寄り添うようにしながらも、存在感を感じさせる不思議な魅力をもっています。日本ならではの、美の世界ですね。
(礼子)
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