新潟県柏崎市の木村茶道美術館で、「開館25周年記念茶席」が催されています。
4日(水)が店の休日だったので、早速行ってきました。
茶席に出席すると益田鈍翁旧蔵の大井戸茶碗、銘「玉乃井」が見られるというので、
それが目当てでした。
来館者は多かったのですが、平日でしたので、茶席の順番もそれほど待たずに済みました。
正客にはなれなかったので、大井戸茶碗で茶を飲むことは出来ませんでした。
しかし、茶席の終わり頃には自由に茶碗を手にとることが出来、
じっくりと茶碗を鑑賞しました。
茶碗を手に取ると、重さは思っていたより軽く、手にしっくりとなじむ心地よい重さでした。
これに、茶の重さが加わると調度良い重さになるのでしょう。
大きさもたっぷりとした堂々とした器で、
高台脇の梅花皮の景色も味わい深いものでした。
ヒビが入っているのですが、昔のものなので、景色の中に溶け込んでいました。
後で、その茶碗で白湯を飲ませて頂いたので、口辺に口を接することも出来、
久々に風格のある茶碗を、五感で味わうことが出来ました。
貴重な体験でした。
庭に出るとすでに木々は紅葉していて、華やかで趣のある風情で、
その下で飲んだ甘酒も、格段に美味しく感じられました。
帰りに、車を運転していても、茶碗の景色と感触が思い出され、
何回も記憶を反芻していました。
(なお、大井戸茶碗が茶席に出るのは11月8日まででした。)
(武久)
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