つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆福祉後進国を憂う  

2010-03-12 18:13:47 | Weblog
「ピンピンコロリン」を願って、日頃ウォーキングやストレッチなど運動に励んでいるが、人間「生まれる時」と「死ぬ時」は必ず人の世話にならざるを得ない。

わが国では、現在自宅で亡くなる人はたった1割。その上、自宅で往生すれば「変死」扱いで、あれこれ警察に調書を取られる。

年齢を重ねれば、車と同じで、だれでも医師の世話になる。「一病息災」と言われ、定期的に診察や検査を受け、普段から担当医とコミュニケーションをとって、持病と旨く付き合うことである。

しかし、昨年3月、群馬県渋川市の高齢者向け施設「静養ホームたまゆら」の火災で、10人が犠牲になった事件で、介護・医療行政の不備が明らかになった。犠牲者のうち6人は、東京都墨田区の生活保護費受給者であった。都内の特養に入所出来ず、「たまゆら」で災難に遭遇した。

このように、安心して介護を受けられる場所が不足しているのは、低所得者や身寄りのないお年寄りに限らない。
核家族化が進む中で、中間層や比較的豊な階層の人々にとっても介護問題は深刻だ。特別養護老人ホーム(特養)は勿論、病院と在宅の中間的役割の介護老人保健施設(老健)も最長180日が上限で、老健を転々として、特養待ちしている人も多い。
しかも、認知症高齢者のケアとなると受け入れ施設はもっと狭くなる。介護保険のサービスを利用している全国約400万人の内170万人が認知症高齢者とされている。
しかも、介護保険を利用していないケースが多く、実際には、推定で約2倍の認知症高齢者がいるという。
「老〃介護」のみならず、「認〃介護」に陥るケースも増加している。グループホーム(5~9名程度)施設が認知症の切り札とされるが、零細施設が多く、情報入手が難しい。

さりとて、有料老人ホームは、入居一時金も毎月の費用も高い。病院ではお年寄りが長期入院するのは難しく、原則として3ヶ月ほどで転院を迫られる。
自宅介護を望んでも、いまの介護保険制度だけでは充分な介護は受けらず、家族に負担を強いているケースが多い。

福祉後進国で暮らすわれら老人は、行き場をなくした難民になる可能性が高い。

「いのち」を連発する鳩山政権には、むだの削減は勿論、将来の増税で財源を確保してでも福祉先進国実現への道筋を示して貰いたい。

医療では、治療方法や治療方針を決めるのは医師ですが、介護は「自己決定」が原則であり、どのような介護を受けるかを選択・決定するのは本人だから、「最後まで自分らしい生活」を望むなら、介護保険について勉強し、知識を得て、介護保険を賢く利用するしかない。

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