新法王はドイツ出身のベネディクト16世となった。前法王ヨハネ・パウロ2世に最も近い側近の一人。下馬評でも上位にランクされていた。通算4回目の投票で選出されたのは順調だったと言える。教義的に超保守派で、長年にわたって積極的な平和活動家である。（ローマ＝郷富佐子）法王名「ベネディクト」の由来は6世紀に「ベネディクト会」という修道会を創始した聖人に由来する。聖人の死後、法王「ベネディクト１世」が575年に即位した。「ベネディクト15世」は、ヨーロッパで第一次世界大戦が始まった1914年に就任した。中立を守り、戦争終結に尽力したことで知られる。 ナチスドイツの青少年組織ヒットラー・ユーゲントに義務的に入り、終戦時米軍の捕虜を経験したラツィンガー枢機卿が故国ポーランドでナチスドイツによる占領を体験し、レジスタンスとして宗教家への思いを培った前法王・ヨハネ・パウロ2世の後継者とは皮肉な話である。ナショナリズムが台頭する中、武力衝突の危機が至る所で増している。新法王・ベネディクト16世の活躍に期待したい。
当然ベネディクト16世は正義ですよ。