つれづれなるままに

恐れ多くも、兼好法師のような文才はありませんが、日常の出来事を「ブログ」に表現できれば幸いです。’05.01.27.大安

◆「官僚国家の崩壊」は政界再編の起爆剤になるか!

2008-06-13 10:39:38 | Weblog
「公務員制度改革基本法」が国会で承認された機会に、政治家・中川秀直の決意と覚悟の「官僚国家の崩壊」は、一読の価値がある。

中曽根行革内閣から始まったとされる、永田町(政府)と霞ヶ関(官僚)の静かなる指導権?争いは、この著書で表舞台に登場した。

自民党の4割を占める官僚出身議員や55年体制で誕生した「族」議員と、官僚政治(55年体制)からの脱却を志す6割の自民党員の亀裂は避けられそうもない。

「近年の社会保険庁、食品会社、老舗の料亭、建設資材会社などの隠蔽や偽装と、天下りさきの拡大、確保、税金でゴルフボール購入、居酒屋タクシーなど無神経な官僚感覚に国民の怒りが集中している。この二つの現象は密接に関係している。

偽装や隠蔽を繰り返した企業と自分達の利益拡大を最優先する官僚機構の間には、ある共通点がある。それは内輪の身勝手な論理を判断基準、行動規範としている点である。国の機関であれ企業であれ、ブランドのある組織内で、身内の安全を何よりも優先する為、組織外の人の信頼をいつしか裏切る結果となっているのではないか」と中川氏は見ている。

劣化した官僚エリートたちは、「もう無駄はない」と言い張り、「安心できる社会」「弱者救済」を御旗に、自分達の身分と権益を守る為に増税を主張している。

そうした劣化したエリートに導かれた路線の先に見えるのは、日本の激しい地盤沈下である。それを避けるためには、「官僚国家」はやがて終焉を迎えざるを得ないはずだ。

しかし、半世紀以上にわたる長い間に築かれた「ステルス複合体(見えざる抵抗勢力)」が容易に崩壊しないのも、また一方の事実だ。

このまま官僚主導体制を続け、「日沈む国」になるのか、政治主導に切り替え、「日昇る国」として甦るのか。いま、日本は興亡の分水嶺に立たされている」としている。


多くの民間出身大臣が「異分子」として参画しながら、官僚機構に「同化」された。田中真紀子外相は、「異分子」だったが、官僚機構から排除された。同じ「異分子」竹中平蔵氏は、2001年に発足した小泉内閣に経済財政政策担当大臣として参画し、未曾有の金融危機を乗り越えた成功要因の一つに、永田町政策スタッフの経験があるシンクタンク出身者、学者、経済産業省改革派、財務省改革派による「混成チーム」をまとめて、官僚機構のなかで機能させたことにある。

55年体制で肥大化した霞ヶ関(官僚)支配から、永田町(政治)支配に戻すのは容易な事ではない。大臣の任期は短く、政治家は選挙の洗礼も受ける。片や、官僚エリートは数十年のキャリアを積み、「ステルス複合体」の一翼を担う事になる。そして、メディアにも大きな影響力を行使する。

大統領が変わると、エリート官僚がいっせいに更迭される米国の行政のあり方が窺い知れる。日本にも二大政党時代の到来を予感させる。

追記、本日(6/16)の日経新聞の報道によれば、霞が関OBらが「脱藩官僚の会」設立。霞が関や族議員主導の政治改革が目的。天下り全面禁止などの改革を打ち出す方針。

しがらみや利害関係を共有する霞ヶ関OBの手で改革は到底不可能。毎度の事ながら、エリート官僚の眉唾な口先対応に誤魔化されないように、国民は厳しく監視しよう。




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