あなろぐ

ここは私の巣穴です。自閉症の息子のことや、好きな作品のことなどを書きます。
最近のハマリものはイ・ジュンギ。愛だぜ。

劇場版「鋼の錬金術師」シャンバラを征く者

2006-02-01 01:13:59 | アニメ鋼の錬金術師感想
前回も書いたんですが、ノーアに「故郷がない」と言い当てられた18歳のエドに15歳のエドの顔がカブって、オープニングテーマに切り替わるカット、大好きです
エドの目の昏さがね。
絶望感に心を侵食されているエドって、危うげでたまりませんなー。

虚無から逃れられないエドが、ノーアを助けるために「久しぶり」の乱闘騒ぎに飛び込んでいくところも、本来のやんちゃな顔がカワイイですよ。
ノーアが「大きな鎧」や「草原の村」「やさしい笑顔」を見たと告げるのを、背中で聞いている階段のシーン、ここのエドの表情はよかったですね。沈んだ悲しみと呼び覚まされた懐かしい温かさ、自分をすら皮肉っぽく笑おうとする虚勢、いろんな感情が去来する表情。

「大総統!?」と車を追跡して(走って追いかけたんかい!?)、ラングさんを問い詰めたときの、「お前がこっちに来られたってことは、大佐は……」と目を伏せた表情もよかったね。
なんのかの言っても結構、大佐のことも気にかけていたのねえ。
(それに引きかえ、大佐の方はいったい何を考えていたのやら! もうちょっと描写入れてくれたってバチは当たらないと思うんですけどねえ。)
「勘違い」でのしてしまった運転手の代わりに、ラングに使われてるときの仏頂面エドもいいですねー。表情豊かでね。

「ここは俺に与えられた地獄なのかもしれない」「それとも、俺の夢なのかも」というエドが、「一生を夢の中で生きる」倦怠から目を覚ますきっかけになったのが、ラングの見せたウラニウム爆弾の写真、そしてナチスやトゥーレ協会の企む、錬金術世界の戦争利用意図でしたが。
このテーマはテレビアニメの終盤と同様ですね。世界には、どんなに力のある者でも個人にはどうしようもないことがある一方で、自分に無関係なことなんてないんだ、というメッセージ。
薄膜を通して見るように、世界に現実感をもてずにいたエドが一気に目を覚まして、どこであろうと、そこで生きると覚悟を決めたことがよく伝わりました。
「この先は、夢じゃない」
静かでいながら力のこもったことば。声も表情もいい芝居。
エドのその気持ちも知らないで、ホーエンハイムのバカバカ
彼は彼なりに自分の罪をつぐないたかったんでしょうけど、それがさらにエドに罪を背負わせることになるという救いのなさ!


エド以外で印象に残ったのは、ハイデリヒでした(ラースvsグラトニーの死闘もスゴかったけど、ストーリーとしては枝なので、また改めて後述)。
トゥーレ、ナチスがロケット研究を支援するキナ臭さを知って、研究を止めようとするエドを、激しく振り払って出て行くところと、エドを元の世界へ無理やり送り出そうとするところ(この時代に垂直離陸?!しかも建物内でってのは置いといて)。
ああこの人、エドが好きなんだなと。
エドを送り出した喜びの表情のまま、死んだ彼が、あまりに無慚で。

でも見返すたびに、幸せな人のようにも感じられてきましたよ。
少なくとも彼は、エドの明るい未来を強く願いながら、雑念のない最期を遂げたわけで、ロケットは一応の完成をみているのだし、「死ぬまでにこれだけは」という目的に達して死ねるのって、いっそうらやましいくらい。
「忘れないで」と重ねられたのは、左手でしたね。エドの生身の手の方に。

でもハイデリヒの幸せな気持ちは、エドには伝わってないでしょう。
自分を助けるために父が(しかもエンヴィーを道連れに)、そしてハイデリヒが死んだことを、エドは受け止めて生きていかないといけない。
ラースの死を目の当たりにしたアルも、自分のしたことの重みを背負っていかないといけないんで、実に業の深い兄弟なんですが、アルが最後にエドを追っかけてくれて、結局のところ、私は嬉しかったです。
だってエド独りじゃ可哀そうすぎるもの。エドが独りじゃなくってよかった。
「なんとかなるよ、二人なら」
二人の将来に、どうか幸あれ、だ。ラングといっしょにアメリカへ渡って、アインシュタインが原爆を作るのを邪魔してくれ!

鎧アルとの再会とか、ウィンリィのこととか、無意味なまでにかっこよかった終盤の大佐やアームストロング氏とかのことは、また改めて。
ああ、レポート書かなきゃ……。っていうかまだ基礎理論の資料すら読み終えてないのだわ。最近、某大佐ばりに土壇場にならないと頑張れないような気が。現実逃避も大概にせねば。頑張ってレポート書いて、今週の日曜から東京です。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
東京? (ゆき)
2006-02-01 17:10:37
お仕事かしら?

時間に余裕があったら是非連絡してくださいね~。



全部見たんですね。私は、DISK2しかまだ見てない……。



ハイデリヒは映画館に行く前に某Hさんから「もう一人のアルがいいんですよ~」と吹き込まれてましたが、想像以上に良かったわ(笑)。DVDみるのが今から楽しみです。



朴さんのイメージって「ブレンパワード」の試写会で固まってる私は、あんな人なのか~とビックリ。

当時は「なんか私場違いなところにいる?」みたいなソワソワした感じだったんで(笑)。演じたキャラも色っぽいお姉さん系だったし。
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はいな。 (春花)
2006-02-01 20:54:27
仕事ですがな。

あと1週間後なら「アンナ・カレーニナ」見れたのに。

まあ東京っても多摩なんすけども…。またメールさせてもらいます。



ハイデリヒいいですよね。

うん。最初見たときより2度目の方が、いいと思いました。で、その某Hさんって私も知ってるあのHさんですか? 今もあの雑誌のお仕事なさってるんだよね。



ブレンパワードって確か、ゆきさんの好きな作品だよね? 私はぜんぜん知らないのですが、お勧めですか?
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ブレンパワード (SHOKO)
2006-02-02 01:37:59
去年スカパーで放送してたので朴さん目当てで見てましたが、私には最後までようワカラン内容でした。

朴さんってホント、少年役と女性役とじゃ声の感じが全然違ってて気が付かないんですよ。

「チャーリーズ・エンジェル」のルーシー・リューの吹き替えの時も最初は気が付かなかったけど、闘ってるときの声を聴いてわかっちゃった(笑)。



ハイデリヒはねぇ~、小栗クンの声が結構似合ってたと思うんですよ。

最近じゃ、小栗クンがハイデリヒに見えて仕方がないです(笑)。

「ウォーターズ」がちょっと楽しみ♪(って信吾くんお目当てじゃないのかッ・・・笑)



春花さん、東京出張なんですね。

多摩って、京王多摩センター辺りなら私の住んでるところからとっても近いです。
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ブレンパワードは (ゆき)
2006-02-02 10:07:09
 良くも悪くもトミノ的(笑)。話の構成とかキャラの立て方とか。トミノ的アニメに免疫がない人には拒否反応が出るかも。私は主人公とヒロインが気に入ったのでOKでした。



 26話作品としてちゃんと完結して、余韻の残る終わり方ではあるけど、キャラを沢山描こうとしたせいか散漫な感じはあるかな~。特に後半。



 あと。WOWOW有料放送だったのに、作画レベルが酷いのはどうかと……。WOWOW初のオリジナルアニメってことで、当時、意欲は感じたよ~。



 某Hさんはあなたが「合い言葉は双●●で」って挨拶した人よ(笑)。



 「ハガレン」の水島監督テイスト好きなら、初監督作品の「ジェネレイターガウル」は一度ごらんあれ。色んな意味で粗いところがあるけど、スタッフも「ハガレン」とかぶるしね。私は「ガウル」が好きだったので、原作を知らない「ハガレン」にも最初から期待してたし。



 ご連絡お待ちしてます~。
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どうりで・・・。 (SHOKO)
2006-02-02 16:16:42
ゆき様、初めまして、SHOKOと申します。

春花さまのブログにちょくちょくお邪魔している者でございます。



トミノって、ガンダムのトミノ監督ですか?

なんとなくガンダムっぽい匂いのする作品だなと思ったんです。

私、どうもガンダム作品が苦手というか、入っていけなくて・・・。

だから、「よくワカラン・・・」の印象のままなのか・・・。



そう言えば、シャンバラDVDのメイキングで話題に出て来たT監督って富野監督の事ですよね。



あと、朴さんって富野監督に引っ張られて声優のお仕事をするようになったとインタビューで言ってました。

「ターンAガンダム」のロラン役で初めて男の子役を演じたそうです。
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富野カントクなんだ~! (春花)
2006-02-03 00:51:36
なんにも知らない私…。

富野さんってWOWWOWの仕事とかもやってたんですね。

ブレン・パワード、ジェネレーター・ガウルね。

レンタル屋さんで探してみよう。



朴さんの声優としての活躍は富野カントクがきっかけだったっていうのは私も聞いたことがあります。富野さんありがとう~~



Hさん……もう何年会ってないかなあ。ハワイの熱い夜を思い出しますよ(笑)。



ってわけで、ゆき様、SHOKO様、メールいたしましたので、ご確認くださいませ。
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朴さんネタ (ゆき)
2006-02-03 13:58:34
SHOKO様、はじめまして。



朴さんはじめ、「ハガレン」に出ていた白鳥さん、あと「ターンA」の村田さんは、元々舞台を中心に活動されていたそうですが、「ブレンパワード」で富野監督に声を掛けられ、声優初挑戦だったそうです。



九段会館(笑)で行われた「ブレンパワード」の試写会で、アニメヲタクに囲まれてとまどっていた姿しか拝見したことがなかったので、コメンタリー等の朴さんはオドロキでした。



新人(朴さん達を新人というべきかは微妙ですが)発掘の富野監督の目は昔から凄いなぁ~と思っていたのですが、当時、やっぱりな~という感じでしたね。



春花様。

お会いできるの楽しみにしてます。昔話&ハガレン話を是非(笑)。
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