見出し画像

At First

祝・全国相互利用開始。モバイルSuicaでmanacaエリアの乗車記録を刻んでみる

TOICA/manacaエリアの名古屋圏でSuicaが利用可能に

 SuicaやTOICA、manacaなど全国10種類の交通系ICカードの相互利用が2013/3/23から始まったので、さっそくモバイルSuicaの設定を済ませてあるELUGA Xで名古屋圏の交通機関を利用してみた。
 もっとも、JR東海のTOICAは2008/3/29からSuica及びICOCAとの相互利用が始まっているので、自分自身はTOICAエリアでモバイルSuicaを5年ほど利用していることになる。一方、名古屋鉄道や名古屋市交通局は2011/2/11からICカード乗車券サービス「manaca」を開始したが、Suicaとの相互利用は昨日まで実現しておらず、苦虫を噛み潰したような顔で紙の切符を現金で購入し続けていた。(TOICAとの相互利用は2012/4/21から開始済み)
 まずは、今日一日のモバイルSuicaの利用履歴を見ていただこう。

モバイルSuicaに刻んだ利用履歴(その1) モバイルSuicaに2013/3/23に刻んだ利用履歴(その2)


manacaエリアは「TP」表記

 モバイルSuicaアプリの仕様上、最新の利用履歴が上に表示されるので実際の乗車順とは逆になるが、順に読み解いていきたい。
 「JC名古屋」「JC金山」は、JR東海の名古屋駅と金山駅である。JR東海の英語表記がCentral Japan Railway Campanyであり、JCは「JR」と「Central」に由来している。「名市バス」は名古屋市交通局の市バスだ。バスでの利用では、乗降した停留所名の表示がされないのはこれまで通りだ。
 その次の「TP名鉄大」「TP栄町」は、名古屋鉄道の瀬戸線 大曽根駅と栄町駅を指している。TPはmanaca導入以前に名鉄や名古屋市交通局等が共同運用していた磁気記録式乗車カードの名称「トランパス」の略である。また、「名鉄大」とはずいぶん苦しい表記だが、大曽根駅には他のmanaca参加事業者である名古屋市交通局等の路線が乗り入れていることから、これらと区別するためだろう。同様に金山駅も「TP名鉄金」と表示される。利用履歴に「名鉄」の文字が刻まれ、ついに名鉄電車にモバイルSuicaで乗車できるようになったことをしみじみと実感する。

JR東海313系(5000番台)電車 名鉄4000系電車


 次の「GWバス」は、名古屋ガイドウェイバスである。ガイドレールを備えた専用軌道上を通常のバスに案内輪を装備した専用車両で運行し、郊外では一般道路を通常のバスとして走行する珍しい形態の路線だ。
 「TP東山公園」「TP砂田橋」「TP栄」は、ともに名古屋市交通局の地下鉄で東山公園、砂田橋、栄の各駅を示す。名鉄同様にトランパスを意味する「TP」が駅名の前についている。名古屋市営地下鉄も今日からモバイルSuicaで乗車可能だ。

名古屋ガイドウェイバス 名古屋市交通局2000形電車


 「名鉄バス」と電子マネーを利用した「物販」を挟んで、「TPささし」と「TPあお名」は、名古屋臨海高速鉄道の「ささしまライブ」と「名古屋」の各駅である。通称「あおなみ線」と呼ばれる同社の路線名を名古屋駅に冠した形だ。
 そして、最後の「SU名古屋」「SU米野」は、近畿日本鉄道の近鉄名古屋駅と米野駅間の乗車記録だ。近鉄はPiTaPaエリアの事業者であり、TOICAとmanacaの相互利用が開始された後もややこしい存在であったが、今回の全国相互利用で乗車券部分はきれいに整理されたことになる。なお、駅名の頭につく「SU」は、PitaPaを運営する「スルッとKANSAI」の頭文字である。

名古屋臨海高速鉄道1000形電車(あおなみ線) 近鉄2000系電車


 今回の交通系ICカードの全国相互利用と合わせ、PiTaPaを除いた電子マネーの相互利用も始まった。このうち一台一台に設定が必要と思われる自動販売機では、数日前からmanaca電子マネー対応機でSuica電子マネーの利用が可能になっていたものもあったことを確認している。

自動販売機等でmanaca電子マネーとの相互利用も可能


 TOICAでもmanacaでもなく、エリア外であえてモバイルSuicaを利用する理由の多くを「スマートフォンや携帯電話で利用するモバイルサービスを使いこなしている気がする感」が占めていることは否定できない。金銭的なメリットを考えても、モバイルSuicaにビューカードを登録したとして1,000円のチャージごとに6ポイント(Suicaチャージで15円分相当)が貯まるだけだし、電子マネー利用でポイントが貯まるSuicaポイントクラブ加盟店はJR東日本エリアにしか存在しない。
 今後JR東日本以外の事業者がモバイルサービスを開始することは期待しづらい中、今後も「自己満足」を第一の理由として名古屋エリアでも便利に使えるようになったモバイルSuicaを継続して利用していきたい。

ポスター「manaca いよいよ全国デビュー!」 IC専用改札機

 末筆ながら、manaca参加事業者でありながら、本日、足を運ぶことが出来なかった豊橋鉄道様に失礼をお詫び申しあげます。機会を見つけてモバイルSuicaの利用履歴を刻みに参ります。


参考

最近の「おサイフケータイ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事