CommuniCaseはユーザーによるフォルダ作成ができない替わりにフィルタ機能によるメールの分類・整理を提案してきたが、これまでのバージョンではフィルタを設定すると決して実用的と言える速度で動作しない残念な状況にあった。今回のバージョンアップでメール一覧画面に表示するフィルタを切り替えることができるようになり、動作速度も十分に改善されたと感じる。
メール一覧画面の情報量と余白を減らして、より多くのメールタイトルが表示できる「メール一覧シンプル表示」では、サムネイル画像と添付ファイルの有無を表示が選択できるようになった。これなら、通常のメール一覧画面から切り替えて利用することも十分選択肢となり得る。
メール受信時のバイブレーション設定にはOFFが追加されている。これにより、端末のマナーモードをバイブレーションに設定していても連動して動作させないこともできるようになった。もちろんマナーモードがサイレントに設定されている時はCommuniCaseでの設定に関係なくバイブレーションは動作しない。
このほか、メールをmicroSDカード等にコピーしたり、逆にバックアップしたメールを本体に取り込んだりするメニューの名称が変更され、「SDへコピー」は「メール保存」に「SDからコピー」は「メール取り込み」に改まった。
しかし、「メール保存」はGmailのアーカイブのような機能を連想しがちな微妙な言葉のチョイスだ。「メールのバックアップ」の方が良いのではないだろうか。
これ以外にも詳細画面から一覧画面へ戻る際の表示速度が明らかに向上しており、使い心地は確実に高まった。一方でメール詳細画面の展開速度はまだまだ引っかかりを感じる。もう少し頑張ってもらいたい状況だ。
このように1.4.0版には数々の改善点があるが、本バージョンの最大の変更点はGoogle play上でのアプリタイトルであることに疑いはないだろう。「CommuniCase:spモードメールも使えるマルチメーラ」と、spモードメールの送受信に利用できることをタイトルでハッキリと表現するようになった。。
当初2013年1月のサービス開始を告知していたクラウド型メールサービス「ドコモメール」の提供開始時期が延期されることが、ようやくドコモから正式にアナウンスされた。このことは、送信元による着信音の鳴り分けや添付画像のサムネイル表示などドコモメールで実現されるはずだった機能も棚上げされたことを意味する。もっとも、これらはiモードメールでは基本機能として当たり前に提供されていたのだから、今日もspモードメールアカウントでメールをやり取りする現ユーザーのために出し惜しみせずCommuniCaseで提供してはどうだろうか。
そういえば、若い世代を中心に爆発的に普及しているLINEは、端末がスリープ中であってもメッセージの受信を通知する機能が提供されている。これもケータイでは当たり前だった機能だが、なぜかCommuniCaseでもspモードメールアプリでも提供されていない。
提供時期を延期してまで準備を続けるドコモメールが私たちに新しいメールサービスを提案してくれるものなのか、そうでないとしても少なくともiモードメールと同等の利便性を提供してくれるものなのか、今のところわからない。
CommuniCaseの積極的な展開が見せてくれているわずかな希望の光を頼りに、ドコモメールの今後を祈りながら見守りたい。
【参考】
- CommuniCaseがバージョン1.3.0に更新。添付ファイルの表示方法が変更 (2012/11/28)