ようやく岐阜バスも交通系ICカード全国相互利用に対応
岐阜市など岐阜県南部で路線バス事業を展開する岐阜バスで、2024/3/2からSuicaやmanacaなど交通系ICカードが使えるようになった。同社は2006年から独自のICカード「ayuca」を発売しており、当面はayucaも利用できるが、報道によれば2026年度中に廃止するとのことだ。
サービス開始初日に訪れたが、他社に比べると車体でのICカード利用案内は少なめで、乗車口にステッカーでayucaと10カードの両方が「ご利用いただけます」と表示されている程度。10カードの並び順は、岐阜バスが導入したmanacaが左上に、その下にTOICAが置かれ、右方向に首都圏、関西圏、北海道、九州の順に各地の交通系ICカードが並んでいる。
一方で、営業所やバス停、バスの車内には「お待たせしました。岐阜バスでmanaca使える!」と記載されたポスターがあちこちに掲示されていた。名鉄線の駅前に乗り入れる路線が多い同社のバスでは交通系ICカードへの対応は遅すぎた印象だ。
履歴表示は「名鉄バス」
さっそく、モバイルSuicaを設定済みのGalaxy S23 Ultraを手に岐阜バスに乗り込もう。
乗車リーダーは、読み取り部分に「IC乗車券をふれてください」と記されている。中央に交通系ICカード全国相互利用のシンボルマークがプリントされているが、ayucaの表示が一切無い点は少し意外だった。車内放送では、ayuca利用者に向けて「他のICカードと重ねずご利用ください。エラーとなる場合があります」と注意喚起されていた。
降車後にモバイルSuicaアプリのSF利用履歴を確認すると、今回の乗車分は種別が「バス等」、利用場所の欄に「名鉄バス」と表示されていた。
種明かしをすれば、事前のリリースで「カード利用履歴に表示・印字される事業者名は『名鉄バス』となります。」とネタばらしされてしまっていた。そのため、今回の乗車が確認作業にならざるを得なかったのは、個人的趣味の領域において残念だ。
名鉄グループのバス事業者では、名鉄東部交通、知多バス、北陸鉄道バスが同様に「名鉄バス」と表示される運用でmanacaを導入している。また、岐阜県内には同じ名鉄グループバス事業者として北恵那交通、東鉄バス、濃飛バスが全国交通系ICカード未導入で残っているが、これら事業者がICカードを導入する際も「名鉄バス」表示になるのだろう。それはそれでちょっと寂しい。
岐阜バスは、岐阜城がある金華山、長良川の鵜飼などの岐阜市内の観光地への路線バスのほか、岐阜・名古屋と郡上八幡、飛騨高山、白川郷などとを結ぶ高速バスを運行しているし、愛知県犬山市の日本モンキーパークやリトルワールド、明治村など名鉄グループの行楽施設へのアクセス路線も有している。今回の交通系ICカードへの対応で、県外から訪れる利用者が岐阜バスを利用する際の障壁が一つ減り、便利になった。
参考
- 北鉄バスの金沢周遊バスにモバイルSuicaで乗車してきた (2024/3/9)
- 名阪近鉄バスにモバイルSuicaで乗車してきた (2023/3/19)
- 三重交通のバスにモバイルSuicaで乗車してきた (2017/5/13)
- 祝・全国相互利用開始。モバイルSuicaでmanacaエリアの乗車記録を刻んでみる (2013/3/23)