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モバイルICOCAで名古屋エリアの乗車記録を刻んでみた

モバイルICOCAアプリが提供開始

 モバイルICOCAアプリのサービスが2023/3/22から開始された。
 事前にWESTER会員に登録しておいたのがよかったのか、ICOCAの発行は拍子抜けするほどスムーズに5分ほどで完了した。モバイルPASMO発行時には決済保留を喰らったクレジットカード認証もdカードの判定基準が改善されたのかすんなり通った。

会員登録が完了しました。

 Galaxy S21 Ultra 5G SC-52Bは交通系ICサービスの複数登録に対応しており、既存のモバイルSuicaを残したままモバイルICOCAが登録可能だ。どちらをメインカードとして使うかをおサイフケータイアプリで切り替える操作が便利か否かは判定に困るところだが、そもそも複数の交通系ICカードを頻繁に切り替えようというニーズは少ないだろうから妥当といえるだろう。

メインカードの切替え画面

 ただし、モバイルICOCAアプリ起動時に毎回WESTER会員のログインを求める必要性は理解できない。ログインはセンシティブな情報にアクセスしたり決済行為をしたりする時だけで十分ではないか。これもニーズの少ない話だが、利用履歴を頻繁に確認する私には煩わしいのである。ただし、ログインには生体認証が使える点はその不満を軽減してくれる。
アプリ起動時のログインに生体認証が利用できる


名古屋エリアでのモバイルICOCA利用履歴表示はどうなる?

 トップ画面からアクセスできる利用履歴画面には(前日分まで)という注釈が書かれているが、アプリ上では交通機関のIC乗車も電子マネーによる決済もすぐに履歴に反映される。Web上のモバイルICOCA会員メニューからアクセスする利用履歴照会では前日までしか表示されない仕様になっていることから混同してしまったのかと想像している。いずれ修正されるだろう。
 モバイルSuicaでは利用区間は事業者やICサービス名を示すアルファベット2文字と全角3文字までの駅名で表示されていたが、モバイルICOCAアプリの仕様は電車等の利用区間は全角2文字で事業者名、続けて全角2文字で駅名が表示される。「入/出」とされていた内容欄も「入場/出場」とていねいだ。

 さっそく、当日のモバイルICOCAの利用履歴を確認しよう。最新の履歴が一番上に表示されるので、今回も実際の利用とは逆順に確認していく。

モバイルICOCAアプリ利用履歴画面:名古屋市営地下鉄藤が丘駅から名鉄金山駅まで

 「名鉄名古」「名鉄金山」は、名古屋鉄道の名鉄名古屋駅と金山駅だ。モバイルSuicaでは「TP名鉄名」「TP名鉄金」と表示されているが、モバイルICOCAでは「名鉄」を事業者名欄で表記する分、駅名に2文字使えるわけだ。
 「名交栄」「名交名古」は、モバイルSuicaでは「TP栄」「TP市地名」と表示される名古屋市交通局の地下鉄栄駅と名古屋駅だ。このルールなら名古屋市交通局のバスは名交バスかと思ったが、「名古屋市」で内容欄に「乗車 バス等」と表示された。モバイルSuicaも「名市バス」だったので、なかなか命名規則の統一は難しい。「名鉄バス」はそのままで、「GWバス」は当ブログではお馴染み名古屋ガイドウェイバス株式会社が運行するゆとりーとラインである。
ゆとりーとライン

 「名交藤が」は名古屋市交通局の地下鉄藤が丘駅で、「名交ドム」は機動戦士ガンダムに登場する黒い三連星なモビルスーツとは関係のないナゴヤドーム前矢田駅を示している。ちなみにモバイルSuicaでは「TPドーム」。

モバイルICOCAアプリ利用履歴画面:近鉄名古屋駅からリニモ藤が丘駅まで

 「愛高公園」「愛高藤が丘」「愛高八草」「愛高博記」は、愛知高速交通株式会社が運行する東部丘陵線の駅である。
 つまり、リニモだ。
 リニモの愛称を一切使わず事業者名を略して「愛高」とはなかなかしびれる。あとで紹介する「あおなみ線」も同様だが、広く使われている愛称など一切考慮せず冒頭2文字は事業者名を表記するルールを貫く頑なさがモバイルICOCAの履歴表示の特徴だ。駅名は「公園西」「藤が丘」「八草」「愛・地球博記念公園」で、公園内にジブリパークがオープンした愛・地球博記念公園駅は、モバイルSuicaも「TP記念公」と履歴表示には苦労している。
「愛高」のリニモ

 「名古屋」は、JR東海の名古屋駅である。ネット上で他エリアの履歴表示を見ても、JRの駅はどの地域会社も事業者表記無しで表示されるようだ。モバイルSuicaでは関東圏以外は「JC名古屋」「JW大阪」と一線を引いていたのと異なる。
 「愛環八草」は、JR高蔵寺駅で乗り換えた愛知環状鉄道株式会社の八草駅だ。愛知高速交通株式会社を愛高と略した以上、愛知環状鉄道は愛環になるのだが、こちらは馴染みのある略称に落ち着いた。
 そして、「名臨ささ」「名臨名古屋」は、名古屋臨海高速鉄道株式会社が運行するあおなみ線である。駅名は「ささしまライブ駅」と「名古屋駅」で、モバイルSuicaでは「TPあお名」とあおなみ線の名称を入れ込むのだが、モバイルICOCAは容赦がない。
「名臨」のあおなみ線ささしまライブ駅

 最後は近鉄名古屋線の近鉄名古屋駅と米野駅が「近鉄名古」「近鉄米野」と記録されている。近畿日本鉄道はICOCAと同じ関西圏のスルッとKANSAI協議会が展開するPiTaPaを採用する事業者だが、ここも原理原則を貫いて「近鉄」の文字を付加している。

 これで名古屋エリアのTOICA及びmanaca事業者すべての表記を確認…と言いたいところだが、10年前と同じく豊橋鉄道様には失礼をしてしまうことになった。重ね重ねたいへん申し訳ございません。必ず確認にお伺いします。

豊橋鉄道にモバイルICOCAの乗車記録を刻む約束を果たしてきた (2023/4/29)

 2023年4月下旬、豊橋鉄道を訪問してモバイルICOCAでの履歴を確認してきました。

豊橋鉄道渥美線 愛知大学前駅に入線する1800系電車


祝・全国相互利用10周年

 2013年3月に開始された交通系IC乗車券の全国相互利用は今年で10周年。名古屋エリアでもIC乗車券が使える路線や事業者が着実に増えて利便性が高まってきた。

おかげさまで全国相互利用開始から10周年


参考

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