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At First

らくらくスマートフォン F-12Dをエリアメール受信機に仕立てる

 東日本大震災から4年になる。

 我が家では寝室に普段使いのスマートフォンを持ち込んでいないことから、緊急地震速報などを受信するために有効な契約のあるSIMカードを差した端末をエリアメール受信機として通電状態で置いている。
 このほど、富士通製のらくらくスマートフォン F-12D(2012年8月発売)を調達し、これまでエリアメール受信用としていたiモードケータイを置き換えることにした。比較的程度の良いリユース品で購入価格は3,980円。この機種を選択したポイントはiモードケータイと異なりMVNO SIMを差してもインターネットに接続できることと、常用しない端末では扱いが面倒なGoogleアカウントが不要である(設定できない)ことの2点だ。
 らくらくスマートフォン F-12Dは800×480ピクセルの解像度を有する4.0インチWVGAのディスプレイと防水・防塵性能を備え、近年のiモードケータイでは省略されがちなGPS機能も搭載している。ただし、LTEサービスXiには非対応だ。
らくらくスマートフォンF-12Dの標準メニュー Androidバージョンは4.0.3


 ワンセグ放送の受信にも対応しているのだが、より重要なポイントはアンテナを内蔵していることだ。最近の端末はアンテナ機能を備えたイヤホンをヘッドフォン端子に挿さないと受信できない機種が多いのだが、個人的な見解としてはイヤホンなしで放送が満足に視聴できない端末を受信対応とは言いたくはない。
 放送を受信するという括りでは、NHKのネットラジオ らじる★らじるアプリがプリインストールされているのも心強い。
アンテナを内蔵していてワンセグ受信も快適 NHKネットラジオサービスも標準対応


 自分自身、らくらくスマートフォンは搭載されている機能やカスタマイズできる範囲が最小限に絞られているという思い込みをしていたが、通常のスマートフォンと同様にモバイルネットワークに任意のAPNを設定できる。現在は通信回線としてIIJmioプリペイドパック for BIC SIMを利用していて、コンビニなどで販売されているデータ量500MB・3か月有効のクーポンカード(1,500円)でチャージすれば1か月あたり500円での運用が可能だ。
 また、Wi-Fi機能も2.4GHz帯のみではあるがIEEE802.11b/g/nに対応し、WPS及びAOSSの簡易設定機能も用意されている。
任意のAPN設定は可能 Wi-Fi設定もWPS、AOSSとも対応している


 今回は端末を工場出荷状態にリセットした後、各種の設定を行う前にいったん手持ちのドコモ契約のドコモUIMカードを差し込んでドコモアプリをアップデートすることにした。らくらくスマートフォン F-12DはドコモIDには対応しておらず、MVNOのSIMカードを挿入した状態では認証が必要なドコモサービスを利用することができなくなってしまうからだ。
 確認するとドコモアプリには21件のアップデートが用意されていた。この中にはドコモ災害用キットをver4.0.0からver9.0.0に大きく更新する内容も含まれている。環境が用意できるのならば最新の状態に更新しておきたい。
ドコモUIMカードでドコモアプリをアップデート 災害用キットもver4.0.0からver9.0.0へ


 続いて画面の設定を行う。
 らくらくスマートフォンの顔とも言える大きなアイコンが配置されたホーム画面をより広く使うためにiチャネルとワンタッチダイヤルの表示はオフにした。そもそも、らくらくスマートフォン F-12Dの標準ホームアプリは電話やメールなどの大きなアイコンから始まって、下に下にスクロールして展開されていく構造になっている。続いて基本機能としてブラウザやカメラの起動アイコンが置かれ、さらにその下にそれ以外のアプリがカテゴリ別に配置されている。
ホーム画面のiチャネルやワンタッチダイヤルは非表示に メニューは縦に長くカテゴリごとにアプリが整理されている


 このうち、カテゴリの中に格納されているワンセグ(テレビ)とドコモ災害用キットのアイコンを押しやすい位置に移動することにした。これには「アプリの並び順を変更」メニューを利用する。選択したアプリのアイコンを基本機能のブロックに移動するできるわけだ。ただし、電話やメールのアイコンを非表示にしたり表示順序を変えることはできない。
基本機能エリアの任意のブロックを指定 「テレビ」と「災害用キット」のアプリが移動できた


 エリアメールアプリは専用デザインで大きなメニューボタンが配置されている。ただし、2013年7月から追加された音声ガイダンスに非対応のバージョン02.340.001のままアップデートされていないのは残念なところ。
エリアメールアプリは専用設計 エリアメールアプリは音声ガイダンス非対応のバージョン02.340.001


 寝室にエリアメール受信用端末を設置して3年ほどになるが、大雨による河川氾濫への警戒を呼びかける災害・避難情報を受信した以外は、これまで実際に緊急地震速報を耳にしたことは幸いにして無い。
 緊急地震速報を受信する専用機器も販売されているが、こうした形での対応も可能であるので、4年目の「3.11」を機会に本エントリーをいざという時の備えの参考にしていただければ幸いである。


【参考】

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