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マクドナルドでモバイルオーダーを使って「順番抜かし」する

■アプリで注文、アプリで支払い

 マクドナルドでスマートフォンアプリから注文と支払いが出来るモバイルオーダーのサービスが地域限定で始まっている。2019年4月に静岡県の一部店舗で開始されたあと、全国各地で徐々に拡大され、2019年7月からは愛知県、三重県、岐阜県(いずれも一部の店舗を除く)でも利用できるようになった。マクドナルドのWebサイトで2019年11月時点の実施店舗を確認すると、首都圏と関西圏だけが後回しになっている珍しい展開スケジュールだ。
 モバイルオーダーの注文と決済用にマクドナルド公式アプリとは別建ての「モバイルオーダー」アプリが用意されている。全国展開が近いと思われる本サービスについて、東海地区で先行して使った記録を残しておく。

モバイルオーダーアプリのホーム画面

 購入までの流れはおよそ以下の通りだ。
 最初にアプリから指定するのは店舗である。マクドナルドには24時間営業の店舗もあるが、モバイルオーダーの受付時間は最大でも5:00~24:00となっている。

受取店舗をお選びください

 次にメニューを選ぶ。
 期間限定を含めて指定した店舗の全メニューが選択できる。セットメニュー以外に単品の注文も可能だ。時間をかけてじっくり選べるのはありがたい。

期間限定を含めた全てのメニューが選択できる

 また、マックフライポテトやサイドサラダなどのサイドメニューはもちろん、ドリンクもサイズを含めて細かく選べるし、チキンマックナゲットはソースも指定できる。これまでのクーポンよりも自由度が格段に高くなった。
サイドメニューやドリンクもサイズを含めて選択可


 アプリで指定した商品はカートに入るが、決済は店舗到着後に行う。いったんアプリを閉じてもカートには残ったままだ。この時点では注文は完了していないし、もちろん調理も開始されていない。

カートに入れて注文を決定

 店舗に到着してから再度アプリを開き、クレジットカードで決済すると実際にオーダーが入る。これで注文が完了するわけだ。なお、iOS版のアプリ限定でLINE Payでの決済もできるようだ。

店舗に到着したら支払


 出来上がった商品はカウンターで受け取るほか、店舗や時間帯によってはテーブルで受け取ることもできる。テーブルに番号のプレートが貼られている店舗に限るが、混んでいる時間帯や荷物が多い場面では、先にテーブルを確保できるのは大きなメリットだ。
 受取カウンターのディスプレイには、モバイルオーダーを意味するMで始まる番号が表示される。(テーブルで受け取るときはTで始まる番号になる)

受取方法を選択してクレカで決済

 最終的な商品の受け取り時にはアプリで受取の確認操作をする必要がある。宅配便で受け取りのサインをするようなものか。

商品受け取り後はアプリで承認

■店内からのモバイルオーダーが効果抜群

 とはいうものの、これからマクドナルドに行こう!と思ったときに、その時点でメニューをすべて決めるのは現実的ではないだろう。
 このモバイルオーダーがもっとも効果を発揮するのは、入店した店舗で注文待ちの行列が出来ている時だ。あたかも列の一番前に割り込んで注文を聞いてもらうような、マクドナルド公認・公式の「順番抜かし」である。休日のショッピングモール内店舗などは激しい順番待ち列が出来ることもあり、こうしたシチュエーションでの有効性は高い。

店舗の呼出画面

 記録を遡れば、マクドナルドでこうした来店前購入の仕組みが展開されるのは今回が初めてではない。
 2010年12月にドコモケータイ払いでの支払と、おサイフケータイの「かざすクーポン」(2019年1月にサービス終了)を組み合わせ、なおかつ30%を超える値引きを行うプリペイドクーポンが期間限定で販売されたことがある。このモバイルオーダーにも、現状のクレジットカード決済以外にd払いなどの支払手段が今後追加されていくのだろうか。

マクドナルドのプリペイドクーポンの記憶

■アプリのメニュー導線は要改善

 最後に、モバイルオーダーアプリのメニューのカテゴリに、ややクセがある点は指摘しておきたい。
 たとえば、ベーコンレタスバーガーのセットを注文する際に、「クーポン」「おすすめメニュー」「バリューセット」「レギュラーメニュー」のどこから入るべきか判断できるだろうか。マクドナルドの購入パターンには「期間限定のメニューを食べたい」「クーポンでおトクなメニューから選びたい」などいくつかの導線があると思うのだが、「今日はフィレオフィッシュが食べたい」と言うようなメニュー決め打ちでの購入だと、どこから入ったら良いのかメニュー画面を行ったり来たりしてしまう。ブラッシュアップが必要だろう。

メニューのカテゴリは独特

 現時点で、モバイルオーダーではdポイントや楽天ポイントを貯めることも使うことも出来ない点にも要注意だ。ポイントカードや決済手段の施策により、カウンター注文の方が価格的にはおトクになる可能性が高い。ただ、アプリとポイントカードの紐付けができれば解決するので、いずれは改善されていくだろう。
 また、マクドナルド公式アプリと同じクーポンが用意されているものの、モバイルオーダーが特に割引されているわけではない。ユーザーは、セルフ注文&セルフ決済で店舗の人的コスト減に貢献していると思うので、一律で〇%割引するというような展開も期待したい。

モバイルオーダーで注文したベーコンレタスバーガーのセット

【参考】

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