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iコンシェル「旅の交通安全お守り」は何を配信してくれるのか

 2011/9/14から、オートGPSを利用したiコンシェルの新コンテンツ「旅の交通安全お守り」が始まった。
 一方で、2011/8/26から始まっている「交通安全お守り」という似たコンテンツがあり、どうにも違いがよく分からないところがあったので、さっそく「旅の交通安全お守り」の対象エリアまで出かけて確認してみた。

 「旅の交通安全お守り」は、オートGPSを利用して温泉地や道の駅、交通取締り情報を配信するサービスで、2011/9/25時点では、「草津・伊香保・鬼怒川」「箱根・熱海・伊豆」「下呂・飛騨高山」「白浜・那智勝浦」「道後・鈍川・湯ノ浦」「湯布院・別府・黒川」の6つの温泉エリアでコンテンツ配信が行われている。
 今回は、数日前に「下呂・飛騨高山温泉エリア」のトルカをF-01Bにダウンロードしておき、さらに念のためお預かりセンターに手動操作で「お預かり」してもらったうえで、出発した。

「旅の交通安全お守り」 下呂・飛騨高山温泉エリアの「旅の交通安全お守り」


 車を進め、岐阜県に入るとすぐに、岐阜県版の公開交通取締り情報のインフォメーションが届いた。下呂や飛騨高山まで相当の距離がある地点で受信したので、温泉エリアが含まれる都道府県単位で配信しているようだ。

オートGPSで都道府県別の「公開交通取締り情報」を受信 配信された「公開交通取締り情報


 配信された情報を、事前に取得しておいた「交通安全お守り」から配信されたものと内容を比較してみると、県警が発表している情報であり、当然ながら全く同一である。
 違いは配信タイミングだけのようで、「交通安全お守り」のトルカは端末に保存しておけば現在地と関わりなく毎朝7時頃に公開交通取締り情報が配信されるのに対し、「旅の交通安全お守り」の公開交通取締り情報はオートGPSによって当該都道府県に入った時点で配信される。

「交通安全お守り」(岐阜県) 「交通安全お守り」からアクセスした「公開交通取締り情報」


 車が飛騨高山のエリアに入ると、再びiコンシェルのインフォメーションが届いた。それが冒頭のスクリーンショットである。配信されたのは、飛騨高山地域の道の駅と温泉の情報だ。

飛騨高山エリアの道の駅と温泉の情報


 一番上の「飛騨高山温泉」の情報を開いてみると、施設の地図や連絡先、施設の概要などが紹介されている。「地図アプリ」と連携してカーナビのように施設まで誘導してもらうこともできる。道の駅についても同様だ。

温泉は地図や連絡先の情報を掲載 「飛騨高山温泉」の施設情報


 「旅の交通安全お守り」のダウンロードページでは分からなかったが、それぞれのエリアはさらに小分けされている。
 岐阜県は「飛騨高山」のほか「奥飛騨」と「下呂」の3つに分割されているようだが、飛騨高山エリアの情報ページから、「他のエリアを表示する」を選択すると同一県内の他エリアの情報ページにアクセスできる。

同一県内の他のエリアの情報にもジャンプが可能 岐阜県内のエリアは「飛騨高山」「奥飛騨」「下呂」の3箇所」


 まずは、温泉地に限定した観光情報の提供という形でスタートした「旅の交通安全お守り」のコンテンツ。カーナビにもボリュームの差はあれ同様のコンテンツが収録されているが、オートGPSで取得した位置情報を基にプッシュ型でユーザーに配信するのがポイントと言える。
 一方で現状のコンテンツの内容は、正直に言って残念なレベルであり今後の充実に期待するしかない。また、あらかじめ旅行先の「旅の交通安全お守り」を探して事前にダウンロードしておくという事前準備が必要なこともマイナスだ。
 さらに指摘すれば、同様のコンテンツサービス、「地図アプリ」と連携する「オートGPSによる情報配信サービス」の「地図アプリメール」の存在を思い出さずにはいられない。こちらは、地図アプリから一度だけ「オートGPS」の利用を設定しておけば、全国どこのエリアに出かけても「ご当地こだわりグルメ」が配信される。うまくコンテンツの整理が出来ていないのではないか。

 2011/9/14にTwitterでつぶやいたが、そもそもオートGPSを利用したiコンシェルのインフォメーション配信とクルマとの相性は必ずしも良くないと私は考えている。車内にはリアルタイムに位置情報を測位するカーナビがあり、ホンダのインターナビはこれを活用してルート上の気象情報はもちろん、豪雨や路面凍結などの防災情報をカーナビのインターフェースで配信してくれる。安全なドライブに必要な情報の配信では、現状大きく水をあけられているのが実態だ。
 
 逆に、「車を降りてから」や「駅に着いてから」にターゲットを絞れば、最近開始されたiコンシェルのコンテンツサービスの「近くで使えるお店」が町歩きでも使えそうな印象だ。国内のいくつかの観光地では、バーコードリーダーやICカードを利用した観光情報の提供を行っていたが、これをオートGPSを活用したインフォメーション配信に置き換えることも不可能ではないだろう。出発前や目的地到着後といったタイミングでのインフォメーション配信ならまだしも、オートGPSを活用した現在地とリンクしたタイミングでの配信はエリアよりもスポット的に活用した方が使い勝手がよい。

 スマートフォンへの移行が急速に進む中、iコンシェルのようなキャリア独自のコンテンツサービスは差別化の大きな要素となりうるだろう。iコンシェルには、今後も携帯端末ならではのコンテンツの開発・提供を期待して見守っていきたい。

飛騨高山の町並みとインサイト



【参考】

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