はぐれの雑記帳

極めて個人的な日めくり雑記帳・ボケ防止用ブログです

日本百名山 (5) 後志羊蹄山

2018年09月03日 | 日本百名山紀行

7 後志羊蹄山2012年8月24日
半月湖チャンプ場3:30~5:40五合目5:50~6:55七合目7:05~7:45九合目~8:30羊蹄山8:50~10:18避難小屋10:20~11:186合目11:20~13:30半月湖

後志羊蹄山登山の記
24日 午前3時に目覚めて、登山口へ移動。いよいよ羊蹄山に挑む。雨はない。午前3時半、ライトを照らして登山口へ。今回も長靴登山である。おおきな案内板がある。
そこから森の中へ入り込む。真っ暗だ。一合目の標識を確認。二合目を過ぎ。3合目付近で夜が明けて、周りが白んできたが、ガスに包まれた状態である。樹林帯の中を黙々と登るだけだ5時すぎて登山口から2時間すぎて5合目につく。ここで一息入れる。コンビニで買ったパンを食べて、高血圧の薬を飲む。これは欠かしてはならないことなのだ。
ふたたび樹林帯を1時間ほど登ると7合目に至る。このあたりで展望が開ける場所があり、ニセコアンヌプリの山が雲海の上に姿を現している。雲海の上に抜けた。地上からは羊蹄山は見えない。8合目からは森林限界を越えている。大体東北や北海道の山は1500mが森林限界になる。緯度が1度違うと、1000m位の違いがあるように思う。南にいけば4000m近くまで木がある。
周りは乳白色の色で、眼下には日本海まで続くような真綿のような雲海が広がっているだけだ。雲海の位置が1500mほどのようだ。寒くもなく、ビデオを取りながら淡々と歩く。一人で歩くときは誰もが無口になる。当たり前だが。

この山は日が照っている時に登るのは辛いだろう。早朝に登って正解だった。
9合目まで45分ほどで、7時45分に小屋と山頂への分岐に到着。避難小屋は9合目の真狩コースへのトラバースする途中にあるのだが、ここからは見えない。
小屋にはよらずにまっすぐ山頂を目指す。
9合目から山頂へのコースは風も通り気持ちがいい。草原のようだ。踏み跡が一本あってお花畑にでも行く道かと思えた。だれもいるわけがないと、この山を独り占めする思いで道を詰めていくとやがて砂礫状になって草もない山頂のお鉢の一角につく。火口中央道と山頂への分岐に出る。小さな噴火口が出てくる。ここが母釜だ。この母釜のヘリを左回りに行く、稜線から外れて巻くように登っていくと父釜の淵に出る。父釜がドーンと大きく広がる。火口の淵も急な斜度で100m位の深さだろうか。実に立派なお釜だ。
山頂の手前に三角点がある。このあたりで雨粒がビデオカメラのレンズに落ちた。
山頂の道標へは稜線伝いには行けず、岩のゴツゴツした中を抜けていく。
「あら、人がいる」。黒いひとかげが動いている。時間は8時半前だ。

「おはようございます、お早いですね」と声をかける。
男性も「おはようございます」と返事。40代くらいの細身の男性。
「どちらからですか?」と尋ねると、「真狩コース」と答えてくれた。その男性にカメラのシャッターを押してもらう。
この山頂の道標の後ろにこのピークは浅間山のピークと同じように火口壁の一番高いところになっている。
ここから見渡す360度、全てが雲海であって、ニセコアンヌプリの山はわかるけれど、あとはことごとく察しがつかない。2000mにいたらぬ山ではあるが、北海道では抜きん出た高さだ。
深田久弥は半月湖から登り、7合目付近までは眺めを得られたが、山頂は全てガスのなかで、乳白色の世界のなか、お鉢を一周して下山したという。私は、幸運にも山頂からの大雲海を楽しむことができた。
先ほどの男性は先にすたすたとお鉢を周り始めている。私もその後を追うような思いで、父釜のヘリをめぐることにするのだが、山頂から左回りに向かう道は岩場の稜線なのだ。これが結構きつい。スタスタと行けないのは歳のせいにして、慎重に抜けるのだが、ひやひやものであった。結構な距離に感じられた。岩場を過ぎれば楽しい。
サクサクと砂礫の道を、お鉢に沿って歩く。やがてマッカリコースへの分岐が現れる。
分岐から下ると眼下に避難小屋を見ることができる。しかし、その小屋への分岐が遠いこと。途中で道を間違えたかと思うほど迷ったが、登山道を下るのが正解で、マッカリへの分岐までくだらないといけない。そこで右にトラバースするように山腹を行く。途中この山で始めて水が流れるのを見た。つまり避難小屋がこの位置にあるのは、この水を得るためだろう。昭和50年代には小屋があったという。がっしりとした小屋で、小屋番の男性がいたが、雰囲気が暗かったので、中を覗かず外で休もうとしたら、後ろから若い男性が“突然”現れた。
「えっ、どこから来たの?」
「半月湖からです」
「山頂は行ったの?」
「はい、行きました」
「何時に出たの?」
「5時半です」
私より2時間も後にでて、ここで追いつかれてしまった。
神奈川から来たという20代の男性だった。
午前10時20分だ。本来ならゆっくりしてもいいのだが、この若者と一緒に下る気になった。彼とは、そこから、彼と一緒に下って6合目まで下る。流石に私には休憩が必要だ。彼は「それでは先に下ります」と言って、駆け下りていった。小屋から1時間で下ってきた。彼とはそこで別れて、水を一口飲んで、そのあとはマイペースで下る。40の歳の差はイカンともしがたい。
そういえば、深田久弥がこの山は、富士山と同じで水がないと書いてあった。まったくその通りで、ひたすら登るのだから、暗いうちに稼ぐのがいい。
6合目まで下り、一人になって、この山に登れた喜びが湧いてきた。登る前はやはり不安であった。山として一日で済ますには大きいのだ。たかだか1893mしかないけれど、水なし山で、その高低差1500m近くを上下するのだから半端ではないのだ。
今回の北海道の100名山めぐりのなかで、幌尻、トムラウシ、についでこの後志羊蹄山は私にとって難関の山であった。
そこからさらに2時間下りに下る。途中小さな風穴があって、立ち寄ったけど冷たい風は吹いてこなかった。
午後1時30分に駐車場に到着。満足感で溢れていた。それと安心感も出た。汗を吹き、着替えて、ふたたび寶月のうどん屋さんに行く。
店主は「良かったですね~」と一緒に喜んでくれた。
これで、前半の部分を終えた感じで、これから後半戦になる。それで旭川の比布にいる主学校の同級生の家に連絡をとり、宿泊させてもらうことにする。午後、倶知安から、国道393号線で小樽へでて、そこから高速道路で比布北まで走る。長い一日が比布で終わる。後半戦は、利尻岳、トムラウシ、十勝、大雪の四座になる。
     
今回、幌尻についで気にしていた山にのぼれてよかった。
ともかく長い。ペースが落ちているので早くでた。おかげで早く下れたが、くだりの道も長かった。
寶月でうどんを食べてから、小樽へでて旭川まで移動した。  (2012.8.24)

ヤマレコ・コメント
後方羊蹄(しりべし)山???aonuma1000  2012/8/24 23:46
こんばんは、hagure1945様。わたくし的には羊蹄山「蝦夷富士」の山行を今回一番期待していました。高校生のころ読んでいた漫画に出てきたシーンがとても印象深く、夕焼けに染まる羊蹄山を一度見てみたいと思ったものです。展望はもう一つのようですが、山頂到達記念の写真を拝見しながら、お元気な姿を確認させていただきました。私もいつか登ってみたい気分になりました。
やりましたね!noborunda  2012/8/25 8:46
羊蹄山もついに落としましたね、お疲れ様です。一日休息があったとか云え、かなり疲れも貯まっている筈です。暗い中から一歩一歩・・・、きついでしょうね。 旭川へ移動されたという事は、これから大雪山でしょうか、それとも利尻への途中でしょうか? これから後半戦に突入ですが、焦らず慌てず、でも諦めずの3A精神で行きましょう! 
追伸;
私の生まれ故郷は旭川より約60㎞北にある士別と云う町です。hagureさんが利尻に向かう際に国道40号線で通過される筈です。
北海道6発目!お疲れ様でした!jin538147  2012/8/26 13:25
羊蹄山登頂おめでとうございます!後半戦も応援してますよ~。
羊蹄山 (((o(*゚▽゚*)o))) yumesouf  2012/8/28 10:15
hagureさん こんにちは。女房孝行でネット休んでいたので コメが変ですみません。
羊蹄山登頂オメデトウ(^▽^)ゴザイマース 晴れている時の方が少ないと聞きましたが、頂上はまあまあだったようですね、見るからに登りたくなる山ですね。いつか 行きたいです、それにしても朝真っ暗な中の歩き出し、怖そう
お鉢めぐり tekutekugo  2012/8/28 20:47
同じルートで登ったことがあります。晴れてたのに、お鉢にたどり着いた途真っ白なガスで暴風でした。かろうじて一周したものの、お鉢は全く見えず・・・下山して見上げると快晴の空・・・ああ、もう一度・・・と思う山ではあります。お鉢見えて良かったですね
後方羊蹄(しりべし)山動画拝見いたしました。aonuma1000  2012/9/7 22:27
こんばんは、hagure1945様。羊蹄山<蝦夷富士>の山行動画 全編拝見いたしました。雲海の上の幻想的ン世界、いいですね。 御鉢めぐりが意外に大変な感じで、ビックリしました。


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