吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国旅の風景 三十

2006年05月24日 09時20分01秒 | Weblog
韓国旅の風景  三十

 温泉マーク
 昔から馴染みの温泉マークは大都市のソウルのいたる所でみかける。煉瓦煙突にそのマークが大抵、白ペンキで描かれている。理髪店の密度と同じくらいに、街中のかしこにそのマークを見る事ができ、風呂好きのサラリーマンや、飲み疲れを癒すべく早朝からの入浴客のため早い時間から開いている。
 つまり日本の銭湯にサウナをたしたような庶民にとって便利な設備である。
 友人のK氏は毎朝のようにそんな温泉を利用する。急用で日本から電話すると携帯の電源は切ってあり、R夫人に電話すると…今、サウナヨ!…と返事がある。サウナだから自宅の浴室ではない。銅雀区の十七室もある豪邸には広い浴室はあるがサウナ設備はない。 長風呂なので一時間はそこでゆっくりするのだ。
 そんな温泉マークにも大小があって、大となると、浴場も広く、フインランド式やトルコ式のサウナに加えて、韓国独特のヨモギ草を壁にぴっしりとぶら下げた蒸し風呂もあり、その匂の立ち込める蒸気でたちまち汗が流れ出す。理髪室や喫茶室、仮眠室、読書室などの設備が整っている。
 そして広い浴場でタオルも使わず素裸で寝そべる男逹は皆韓国人である。日本人はなぜかいちもつをタオルで隠している。
 そんな大の設備でも入浴料は日本に比べてはるかに安い。
 理髪室(イパルシル)でうとうとすると天国の心地になる。なにしろ若いアガシ(娘)が手足の爪を丁寧につみとってくれて、耳垢も心地好く掃除してくれるのだ。
 窓口で払った入浴料金と理髪料は別会計だが勿論、日本よりは安い。
 ソウル市内で大のつく高級温泉マークのひとつに国会議員や著名人もよく来る温泉マークが京福宮前のプラタナス並木の反対側道路の奥にある。
 窓口で料金を支払うとフロント横に待機していた七、八人の娘の一人が六畳ほどのひろさのオンドル個室へ案内してくれる。
 真冬、下手なホテルに泊まるのだったら、一晩中、オンドル個室ですごしたほうがよほどラクチンであり、簡単な食事やビールもとれる。
 ただし、その頃はオンドル用の練炭中毒で死亡する事故が新聞で報じられていたので、窓を二、三センチ明けて寝なければ……と思った。

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