吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

キムチ窯

2005年05月11日 08時16分54秒 | Weblog
利川の帰途、広州街の手前、国道の西、南向きの斜面で普通の登り窯よりはるかに大規模な窯から青い煙が立ち上っているのを見た。
「キムチ甕の窯場ヨ!」
「ちょっと回ってくれない?」好奇心が沸いて私は劉君の肩をたたいた。
「ネェ!ネェ!」いつもの特徴ある甲高い返事が返った。
小屋の前に焼きあがった大小のキムチ甕が肩怒らせて数十も並んでいる。
・・家の玄関脇に置くと見事なものだ・・・私は一目ぼれした。
値段は超安い。
ロクロ場では数名のロクロ工がコンビを組み、見る間に大甕を紐巻きあげ手法で成型していた。
燃料置き場に松枝の大束が山積みなっている。火力が強いので生のまま焚口に投げ込むのである。
草花模様は指を使って手際よく一気に掻きあげていた。
キムジャンの季節(11月のキムチ漬けの季節)サラリーマンはキムチボーナスを手にして市場で材料を買い求める。
備前焼のようにゴマのかかった鉄釉の大量の窯場のキムチ甕はどこの家庭へと旅するのだろう。親方らしい爺さんが日焼けした顔でうまそうにタバコをふかしていた。ふと・・・
黒い火打石カチンと打って
タバコ一服吸ってみなせぇ
タバコの味がこんなものなら
米の味はどんなだろう・・・・
李朝挑戦王朝の頃、陶工達は米の味も知らずにこんな俗謡をのんびり歌ったに違いない。

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