吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

密陽アリラン

2005年06月03日 08時51分38秒 | Weblog
密陽アリラン

 私逹大正生まれの世代はアリランの歌を朝鮮の農村、哀愁、エキゾジクの思いをこめてよく歌い、戦時中、満洲や朝鮮半島に渡った人々は懐かしさを込めてよく歌った。
 アリランはもと広大(クワンデ)…旅芸人…逹の恋歌がその起源と聞いた。広大は李朝の昔、市の日などにやってきて、仮面劇や綱渡り芸などを披露する放浪劇団であり、各地には様々なアリランが生まれたのである。
 私はある時、慶州博物館前の広場で、小声で歌う女性逹の密陽 (ミルヤン)アリランを聞いた。
 私をごらん
 私をごらん
 私をごらん
 寒い寒い冬の日に
 ………
 アリスリラン
 アリスリラン
 …………
 そしてアリラン峠を超えて行く主への思慕は皆同じである。   スリとは悲しみの意であり、友人の話では韓国各地にアリラン峠越え歌はたくさんあると言う。
 話は変わる。
 私の故郷、四国の山村で、かっての教え子から、阿波の国境にアリラン峠があると聞いて驚きながら車を飛ばした。有名な祖谷への道から分かれた国道である。
 碑に峠を開拓した労働者が朝鮮人で、彼等が祖国を偲んでアリラン峠となずけたとある。勿論、太平洋戦争のはるか以前の話である。 私の脳裏にあるアリランは哀愁と李朝農村への憧憬があったが、密陽アリランはなぜか躍動するリズムがあって哀愁より楽しい農村歌を感じた。

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