竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

いよいよ11月、今年もあと2ヶ月になりました。

2006年11月04日 | Weblog

今年もあと2ヶ月しかないんですか?しんじられなーい!

北朝鮮が6各国協議に復帰することが決まりました。会談は12月頃の予定です。日本政府はこれに不満らしく、核放棄の確約なくして認められない・・と主張し、北朝鮮からアメリカの追随者の日本はいてもいなくても同じで、5カ国で良いよ・・といわれる始末です。

10月28日に「小康状態」と書き、裏で何かが動いているなと思っていたら、案の定、中国から北朝鮮の6カ国協議復帰が伝えられました。これは東アジアの関係者が望んでいたことで、なにもがっかりすることではありません。実力は限りなく小さいとは言え、私たちの国のすぐ隣りで、核をふりまわしたいと望む国が野放しで置いておかれるのは危険なことです。

何とかして北朝鮮を交渉のテーブルにつかせよう、東アジアの平和と安定への道はそこから築かれる、と多くの政治的プロフェッショナルは考えていたはずです。

ところが日本政府は、まず、この裏交渉の蚊帳の外でした。本気で6カ国協議への道を切り開こうという意思があるか疑問視されていたからでしょう。アメリカのライス国務長官でさえ、そのために中国に飛んだのに。

そして道が切り開かれたら、条件付けです。簡単には認めないぞー、と。いったい本気で東アジアの安定と平和を作り出そうとしているのか首をかしげる発言です。6カ国協議の中で、核問題だけでなく拉致問題もやるぞーというのならまだ良いのですが・・。

それで、北朝鮮から冒頭のような「日本なんて要らない」発言をぶつけられているのです。まともに、相手にもされていないということでしょうか。

拉致問題解決のために、アメリカにも極秘で北朝鮮に乗り込んだとされる小泉外交のころから比べると、その主体性は猛烈に違ってきています。(その後、曽我さんたちを帰さないとなったところから、北朝鮮側が硬化し、解決の道が再び暗礁に乗り上げて今日に至っているのですが・・。)

6カ国協議をやって、いったい何が前進するのか・・との議論もあろうかとも思います。

しかし、北朝鮮にとって交渉相手はアメリカと照準が定まっています。何を求めているのか・・といえば、核開発でもなく、軍事的な駆け引きでもなく、食料とエネルギー資源だろうと思います。それを、国家としての体面を保てるようなかたちで援助してほしいということではないでしょうか?

以前にも書きましたが、北朝鮮と日本は海と空でつながっています。北朝鮮で放射能が吹き飛べば日本に飛んできます。北朝鮮で疫病が蔓延すれば、鳥や風に乗って日本にやってきます。海にそそがれた有害物質も、やがて魚介類に蓄積されて日本にやってきます。環境的に望むと望まざるとにかかわらず一体であることを忘れてはならないと思います。

アメリカにとって、いま、一番関心の高い国はイランだろうと思います。アメリカの動きは常に石油で動いています。イラクを、新米であったはずのフセイン政権を叩き潰してでも自在に動かそうとした背景には、やっぱり石油の確保があるのだろうと思います。一触即発の状態はあちらです。

最近刊行のジェレミー・レゲット著「ピークオイルパニック」は、原油のピークは早ければ2005年にすでに超しており、不確定な原因はサウジアラビアの埋蔵量などが正確に測られておらず、石油各社ともに真実の情報を公表していないことにあると指摘しています。もし、本当に石油が枯渇に向かっていると市場が気がついたとき、それはとても経験したことのないパニックになるだろうとも予言しています。

アメリカが、それを前提に世界中の石油をかき集めよう(押さえておこう)としているのなら、資源のない北朝鮮などにかかわっているときではないわけです。

しかし日本のマスコミは、そのような世界の情勢をほとんど国民に知らせていないように見えます。報道全体に拉致問題が増えてきたのは、はやり政府がNHKに指示を出した・・という異が影響しているのでしょうか?

自民党の部会で、正式にそんなことを決めるなどというのは前代未聞、それを抵抗もせず受け入れるNHKもNHK・・ということなのですが。それにひずられてか、他のマスコミの報道も似たりよったりになっています。

これに関係して、オーマイニュースの中で姜尚中さんが、非常に的確で、非常に怖い指摘をしています。下記で読めます。TV動画つきです。

http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002789

「愛国の作法」(朝日新書の創刊第1号)という本の紹介というかたちなのですが、その最後で、小泉政権は戦いのアリーナを自民党内の権力闘争として設定した。つまり、例の「自民党をぶっ壊す」という言葉で、いろんな既得権と闘って見せて、国民を惹きつけた。安倍政権の場合は、すでに総主流化で与党内に戦う相手がおらず、外に(国外に)闘いのアリーナを設定する可能性が高い。つまり北朝鮮・・。というようなことを述べています。

姜尚中さん自身は、まだ決め付けないで様子を見て判断するとも書かれています。これが書かれた時期(10月24日)から、まだそんなに時間は経っていませんが、日本の空気は海外状況から隔絶され、一気にそちらに進みつつあるように感じられます。

 



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