竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

キャスティング・ボート

2011年01月08日 | 政治
皆様、新年おめでとうございます。
今年最初のブログです。
今年はできる限り、週1回は発信をしたい・・と思います。
そして短くテーマを決めてお届けをしたいと。
そんな「あきらめないブログ」第1弾は「キャスティング・ボート」です。

海の話ではなく政治の話です。
日本の国会は「ねじれ国会」で、政府予算案の成立も危ぶまれています。
普通の法案は過半数の賛成で成立しますが、現在の民主党政権は衆議院では過半数を確保できていますが、参議院では過半数に12足りない110議席。
よって衆議院で可決しても、参議院はまず通りません。何らかの形で野党と協力できなければ、1本の法律も成立させることができないのです。

それでは政治が膠着して何も動かなくなると、衆議院で再議決を認めるというルールができました。
再議決して3分の2以上の賛成が得られれば「再可決」できるというものです。
予算案もこの対象になります。
民主党政権は参議院では多数ですが、この3分の2(320議席)にあと8届きません。

逆に言うと、衆議院で野党側の8人から協力を得られれば、予算案も数々の法律も成立させることができるということです。
たった8人ですが、その8人が賛成する法案や予算案であれば成立するわけですから、この8人の考え方がとても強い影響力を持つということになります。
何でも反対ではなく、自分が良いと思うものには賛成、ダメと思うものには反対をすれば、良いと思うものだけを成立させることができます。
与党側も法律を通そうとすれば、この8人の考え方に沿うように法案を修正したり予算案を組み直したりしようとするわけです。
これがキャスティング・ボートです。ボートはvote(投票)の意味で、つまり「成否を握る投票」ということです。

ちなみに衆議院の野党を眺めると、自民党が116、公明党が21、共産党が9、社民党が6、みんなの党5、たちあがれ日本3、無所属7となっています。
自民党、共産党はまず民主党と組むことはないと考えると、公明党、社民党、みんなの党あたりがキャスティング・ボートを握ることができる位置にいます。
だから公明党のスタンスが、いろいろと取りざたされます。
今は、素知らぬ顔ですが、民主党が全面的に公明党に屈服するならば、ここに晴れて予算も各法案も成立させ得る政権が出来上がります。
公明党は参議院でも19議席を持っていますから、公明党との連携ならば衆議院での再可決も不要になります。

でも民主党と公明党の政策は相当に違っているのではないでしょうか。1年前まで自民党と政権をになっていたのです。そう簡単とは思えません。
ではみんなの党でしょうか?残念ながら5議席では足りません。
社民党も6議席しかありません。しかし・・、無所属の中にこの前まで社民党にいた辻元清美がいます。あと一人なのです。
社民党が意識的に積極的に動いて、辻元さんとの連携、あと一人無所属議員と政策連携ができれば8議席を確保。キャスティング・ボートを握ることができるのです。
とても残念なことですが、当の社民党はそんなことを毛頭も考えていないようなのです。
辻元さんも「政治を動かすことにかかわりたい」(ちょっと表現違っているかも知れません)と社民党を飛び出たわけですから、今こそキャスティング・ボートを握って政治を動かす要の役割を担ってみては・・とも思います。

いくら民主党が新日米同盟の夜明けだと普天間基地の辺野古移転を進めようとしても、キャスティング・ボートは社民党にありという状況は、なんとも面白いではありませんか。
真剣に追求してくれないかなあと思います。


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