竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

沖縄県知事選挙 糸数さんの健闘を讃える

2006年11月21日 | Weblog
沖縄県知事選挙が終わった。普天間基地の県内移設か県外への撤去かを問う選挙であった。これからの4年間、米軍基地と日本の関係がどうなるか、その方向性を問う選挙でもあった。糸数さんは敗れたが、34万票対30万票という激戦の数字が、この二つがポイントであったことを教えてくれた。私は、そのことを讃えたい。

マスコミは盛んに、失業率ナンバーワンの沖縄で景気と仕事が人々の関心事であると世論誘導をしている。そんな中で、糸数さんは実直に真面目に、基地問題を主張した。普天間代替基地として狙われている辺野古は、ジュゴンの生息する世界でも有数の美しい海である。計画は、そのジュゴンの食べ物である藻場を埋め立てV字型滑走路をつくるというものである。

代替ヘリポートというが、これはれっきとした滑走路であり航空基地である。市街地のど真ん中にあって、どだい拡大できそうもない普天間に比べ、こちらは周りは広々とした海だ。さらに巨大な基地を作ることも物理的に可能だ。

辺野古では、もう何年も毎日毎日、この計画に反対して、地元の人々が海上にやぐらを組み、船を出して測量や工事を阻止している。やぐらが引き倒されてけが人も出しながら、海を守るための命がけの運動が続いている。

日本に米軍基地が居座り続けるならば、これがどこかで繰り返される。横須賀では、米軍太平洋艦隊の原子力空母がここを母港とすることを阻止しようと住民投票にむけて、人々が頑張っている。厚木では、今もNLP(夜間利発着訓練)の轟音に苦しめられている人々が、長年の努力の末に「移転」を引き出したが、今度はその人たちの同志である岩国にそれが移転されようとしている。原爆の惨禍を体験したヒロシマの上をNLPが飛ぶ。

http://www.pasopit.co.jp/cvn/

日本の空は、米軍の管制空域が大部分を占め、羽田からの民間航空機は危険な急上昇をせざるを得ない。空軍機とのニアミスも頻発している。日本の空には赤や緑や茶色の線が引かれ、仮想攻撃目標や仮想空爆目標がつくられている。

http://www.rimpeace.or.jp/

そして、イラクやアフガンにそのまま飛んで行き、空爆の雨を降らせている。次はイランか北朝鮮か。まさに、日本列島が基地なのだ。それを維持するために、6000億円の「思いやり予算」をはじめ、1兆円を超える米軍経費を毎年提供している。

これは自由な航空網を開発できず、自由な海外貿易を阻害され、過大な財政負担と環境破壊を背負い、見えないところで多くの国民にしわ寄せを押し付けるという、まさに経済問題、人々の暮らしに直結した問題ではないのか?日本人はこれを未来永劫うけいれるのか?それとも、基地を廃し、核の傘をお断りし、軍備に頼らない外交による立国を実現するのか?

糸数さんが挑戦した沖縄県知事選の結果は、このことを私たちに突きつけている。知事選が終わっても、この現実は何も解決していない。ますます深刻になっただけである。


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