竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

不可解な小沢乱心と民主党の行方

2007年11月11日 | Weblog

しばらくぶりのブログになりました。この2週間は、小沢一郎民主党代表の不可解な動きから民主党の求心力があっという間に地に落ちた、政治の転換点でした。いったい日本の政界に何が起こったのか・・、まだ行方は見えませんが読み解いてみたいと思います。

百戦錬磨の辣腕である小沢氏が、民主党があと一手で政権交代を可能にするという状態であったことを理解していないはずはない・・と、私は考えています。「大連立構想」は、その政権交代シナリオとは真っ向から対立するものです。

小沢氏は本来、総理になる気はない、政界の黒子に徹したがるタイプだと私は思っています。かつてのドン金丸信の継承者であるという系譜もありますが、健康上の問題で、とても総理の激務(表で踊らないといけない猿まわしの猿のほう)は務まらないだろうと思うからです。政権交代を実現しても、総理にはならないか、なっても短期間だろうと思っていました。

したがって政権が欲しいのではなく、政権交代というゲームで勝って見せたいのだろうと思っていました。「大連立」は、その楽しみを捨てることです。だから、3度の密室での党首会談の末に「大連立」の構想が投げかけられ、小沢氏がそれを拒否もせず持ち帰ったと聞いたときに、これは変だ・・と思いました。

考えられることはスキャンダル。弱みを握られたな・・と思いました。小沢氏はかつての竹下7奉行の一人、叩けばホコリだらけの政治家でしょうから。テレビの画面の小沢氏も、泣きそうな涙顔で福田総理は勝ち誇った顔をしていました。「大連立」を持ち帰った時点で、これは辞めるな、と思いました。それが民主党に深手を負わせない道だからです。まさに、無役の闇将軍をやればよかったのです。

ところが事態は、代表辞任までは予想通りだったのですが、その1日後に代表復帰・・これはびっくりしました。弱みを握られたのであれば、この代表復帰は民主党に深手を負わせることになります。もしくは、スキャンダルを伏せるという「密約」が自民党との間にできてのことであれば、今後の小沢民主党の対決姿勢は確実にしぼみます。

それを占うのが、テロ特新法の参議院での審議です。与党は明日12日に、テロ特新法を衆議院で強行採決するといわれています。参議院で否決されても、衆議院の絶対多数、3分の2の議席数で可決すれば成立するからです。

第1ラウンドの衆議院ではほとんどまともな審議もせず可決ですが、参議院は民主党が過半数を握っています。議員運営委員会も委員会審議も、民主党が「決定権」を持っています。審議日数をたっぷり取ることも、全国をまわっての公聴会も、多くの声を反映させる参考人質疑も決めることができるのです。

衆議院では絶対多数とは言え、そういう法案審議を強引に続ければ、必ず国民の反発を招き、次の衆議院選挙で絶対多数どころか過半数も取れないという結果が待っていた・・と福田総理は感じていたわけです。

野党への低姿勢や、小沢代表への党首会談の要請は、そういう背水の陣を自覚してのことだったと思います。しかし、現在は立場がまったく逆転してしまいました。不可解な辞任、再登板を行った小沢氏への求心力は半減どころではなく落ちました。「大連立」に乗るかもしれない(民主党では小沢氏以外、誰一人乗った人はいないのに)という疑心暗鬼を国民に与えました。小沢氏自身が、辞任会見で「民主党は勝てない」と宣言してしまうなど、自民党としては、意図した以上の大成果を得たわけです。

民主党は、この劣勢を盛り返すには参議院での審議で、国民をうならせるような追及が必要なのです。それができるでしょうか・・。私は、もはやできないであろう・・、腰砕けになるだろうという予測をしています。それは上記のような背景です。

国民は急速に、民主党に幻滅するでしょう。自民党は、当分解散なんてない・・と言っていますが、実はここで解散総選挙でしょう。参議院でのテロ特新法の否決後、衆議院で絶対多数で淡々と可決したあと、「どうだ!」といわんばかりの解散でしょう。

それは残念・・と思われるかもしれません。しかし同時に、一時は誰もがそうなるか・・と思った「二大政党制」が崩壊するということでもあります。再び、いろいろな多様な政党の中で、真のまともな勢力を大きくしていくチャンスもできるということでもあります。

しょせんは自民党が強くなるんだろうと思われるかもしれませんが、国民はそんなにバカではない・・と思います。



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