国道168号は和歌山県新宮市と大阪府枚方市を結ぶ長大国道であり、奈良県を縦断する形となっています。十津川村など奈良県南部では長らく山間の「酷道」が多くを占めていましたが、当ブログで過去に紹介(「紀伊半島を南北に貫く五條新宮道路の整備状況」シリーズ)した通り各所で改良が次々に進められています。
一方、人口の多い奈良県北部でも重要な幹線道路として改良が進められており、生駒市域については南田原町交差点以南の部分が4車線道路となっていますが、南生駒地区で一部2車線区間が残ります。この区間約1.5kmを4車線化する事業が「国道168号小平尾バイパス」で、2007年に事業化され鋭意工事が進められているものの、完成のメドは立っていません。
1.2021年時点の評価
2021/10に開催された令和3年度第1回奈良県公共事業評価監視委員会の評価資料によれば、
https://www.pref.nara.jp/secure/258730/r0301no05.pdf
南側0.8kmの「1工区」が別線バイパス<途中で竜田川を2回渡る>、北側0.7kmの「2工区」が現道拡幅<1993年に2車線で開通した南生駒バイパスの4車線化>となっていますが、橋梁工事については2021年度にようやく着手しています。そして、2021/9時点の進捗率は、事業進捗率が48%・用地買収率が81%となっており、前回2016年の再評価時(それぞれ28%・55%)よりはそこそこ進んでいます。
ただ、その僅か2か月後に開催された令和3年度第3回奈良県公共事業評価監視委員会でも評価対象となっています。これは、上記評価資料が工事費の増大に触れていなかったためです・・・
https://www.pref.nara.jp/secure/258730/r0303no04.pdf
事業費は前回2016年の再評価時より30億円増額の81億円となっています。増額の内訳とそれぞれの理由は以下の通りです。
①橋台基礎形式の変更 約11億円増額
・土質調査の結果、橋台設置箇所の支持地盤が想定より深い位置と判明したため、直接基礎形式から、杭基礎形式に変更
②地盤改良工の追加 約4億円増額
・土質調査の結果、擁壁工設置箇所の地盤支持力が約100KN/m2と想定より低い値であったため、擁壁工の支持に必要な 300KN/m2以上となるように、地盤改良工を追加
③その他の変更 約6億円増額
・詳細設計の結果、橋梁の施工に伴う護岸工の復旧を追加
・水替、仮締切等仮設費の追加
④用地費の増 約2億円増額
・当初、用地費を1工区を 30千円/m2、2工区を 115千円/m2 と想定して事業費を算出していたが、事業実施段階の不動産鑑定により、1工区が 約35千円/m2 、2工区が 約130千円/m2 となったため、用地費が増額
⑤補償費の増 約7億円増額
・当初、2工区の店舗等大型補償物件(計7件)を1件当たり1億円と想定して事業費を算出していたが、事業実施段階の補償調査の結果により、鑑定額が1件当たり平均で約2億円となったため、補償費が増額
2.小平尾バイパスのパネル展の資料
担当の奈良県郡山土木事務所では、2025/2~3にかけて小平尾バイパスのパネル展を開催しています(前半<2/18~2/27>は生駒市役所ロビーで平日のみ、後半<3/1~3/13>は南コミュニティセンターせせらぎで土日も開催・月曜休み)
https://www.pref.nara.jp/12211.htm
上記ページには、そのパネル展で展示している資料類へのリンクが貼られています。
事業概要・整備効果 完成イメージ 工事進捗状況
パネル展開催の時点で工事が現在進行形の箇所は、1工区では(仮称)新小平尾橋<竜田川を渡る橋のうち南側>と一部区間の道路擁壁工、2工区では新神田橋部分のみとなっています。また、「部分的な完成区間」とされている部分のうち1工区の南側は「4車線道路のうち2車線分の暫定供用」ですが、北側は「4車線道路の土木構造物が完成しただけで、未舗装・未供用状態」となっています。一方、竜田川を渡る橋のうち北側の(仮称)新乙田橋については2工区と接する右岸側の橋台工事が未着手となっています。
ということで、先日現地を見てきましたので、その2以降で報告します。
(つづく)